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PPM分析の事例・書き方・やり方|ソニー/サントリー/キャノン

更新日:2024年04月10日

PPM分析とは、企業の事業展開を検討するためのフレームワークのひとつです。その基準となるのは、市場の成長率と相対的市場占有率です。これにより、各事業を4つのタイプに分類し、将来の事業戦略を明確化することができます。PPM分析は誰でも作成可能で便利なツールです。

PPM分析は4分野に分類

PPM分析を行う場合、各事業における市場の成長率、相対的市場占有率を確認します。この2つの基軸をグラフの縦軸、横軸に配置します。

次に、分析対象となる企業の各事業を洗い出し、それぞれの事業における市場成長率と、相対的市場占有率を洗い出して、グラフの中に配置します。相対的市場占有率においては基準を1.0として左側が高いシェア、右側が低いシェアになります。

配置ができたら次は分析です。PPM分析では、市場成長率が高いか低いか、相対的市場占有率が高いか低いかの組み合わせで、グラフを4つの象限に分けて分析します。

その4つこそが、問題児、花形、金のなる木、負け犬です。文言だけをみると、直感的には負け犬事業には、全く意味がないようですが、そうではありません。以下に、4分野それぞれの役割を紹介します。

PPM分析のやり方

4つの象限にわけたグラフが完成したら、各事業の市場成長率、相対的市場占有率を算出して、グラフ内にプロットします。なお、市場成長率は、昨年の市場成長率と今年の市場成長率から算出できますが、その元となる数字は、公的機関のWebサイトから入手できます。

さらに、各事業のプロットは、売上規模に合わせた円でマークします。それにより、分析後の決定、つまり選択と集中における判断を容易にすることが可能です。

この結果、各事業が4つの領域に分類されましたら、PPM分析の準備が完了します。右上の領域から、問題児、左上が花形、左下が金のなる木、右下が負け犬となります。

4つの象限それぞれには、市場との関連性を踏まえて意味があり、各事業の立ち位置と、今後の方向性を見える化するのが、PPM分析ということになります。次に、各象限の意味合いと、そこに位置する事業の役割を説明します。

問題児

PPM分析の各象限は、市場の移り変わりによる、製品のライフサイクルの状況を表しています。したがって、PPM分析における各象限の役割は、今後の製品の役割の方向性を表しています。その進行方向としては、右上の問題児から、花形、金のなる木、負け犬という順番で遷移します。

こうした観点から、PPM分析の上で、問題児という象限は、製品ライフサイクルの初期段階といえるでしょう。問題児状態の製品は、その市場成長率が高いため、今後の成長が期待されている時期にあたります。

ただし、市場シェアが№2以下になると、問題児と位置付けられます。この領域に位置する事業は、市場シェアを上げて、花形へと成長させたため、市場成長率以上に市場シェアを拡大する必要があります。

問題児事業は、育成すれば将来、企業の中心事業となる可能性があるので、未来への投資が必要な事業となります。

花形

PPM分析上、花形に位置付けされた事業についても、問題児同様、市場成長率が高いため、製品ライフサイクルでいえば、導入期から成長期にあたり、市場シェアが上位の事業です。

市場シェアが大きいので、売上も大きいのですが、シェアを確保するため、常に設備投資、販売促進活動が必要となります。したがって、花形とはいえども、利益が上がりにくい特徴があるのが一般的です。

なお、製品ライフサイクルの理論上は、市場規模の成長はいつかは止まるので、そうなれば、大規模な設備投資などは不要となり、大きな利益を生む事業へと移り変わります。ただし、それまでの間は、市場シェアを奪われないために、徹底した市場シェアの維持を目標とすべきです。

金のなる木

PPM分析上、金のなる木に位置付けられた事業は、市場成長率が低いため、製品ライフサイクル上は、成長期から衰退期にあたります。そのうえで、市場シェアが上位であれば、金のなる木になります。

金のなる木に分類される事業は、市場シェアが高く、また市場規模の成長率が低いため、大きな設備投資などが不要なので、大きな利益を生み出します。そのため、金のなる木で生み出された利益を、問題児や花形に分類される事業に回すことが可能です。

こうした意味から、金のなる木は、企業を支える大黒柱といえます。そのため、PPM分析上金のなる木に分類された事業は、利益の最大化を最大の目標に事業計画を立案することが必要です。

負け犬

最後に、PPM分析上、負け犬に分類された事業については、金のなる木同様、市場成長率が低く、製品ライフサイクル上では、成熟期から衰退期にあたる事業となります。その上で、市場シェアがナンバー2以下であれば、負け犬という象限に分類されます。

PPM分析上、負け犬に分類された事業では、市場自体が成熟してしまっているので、追加投資などは必要としませんが、市場シェアも小さいため、利益自体も小さくなります。利益を伸ばすために、追加投資を行うことも考えられますが、市場の将来性が低いため、得策とはいえません。

負け犬の戦略としては、利益の最大化か撤退かという決断が必要です。将来を見越して撤退という判断もありますが、一方で、投資を最小限に抑えて、利益率をあげて、他の事業の資金調達源にするという考え方もできます。

マーケティング

このように、企業における各事業を製品ライフサイクルの観点から分析するPPM分析は、企業のマーケティングにも大きな役割を果たします。

企業におけるマーケティングでは、顧客のニーズと顧客のウォンツを明確にするために、環境の分析、戦略の立案、さらには施策の立案が必須です。このようなマーケティングにおける役割を果たすために、必要な分析ツールのひとつがPPM分析といえます。

PPM分析によって、企業内の各事業の製品ライフサイクルを明確にし、今後の戦略や施策の立案に貴重な情報を提供します。

PPM分析で我が社の経営分析を実施

ここまでPPM分析の書き方や実施方法について、わかりやすく説明してきました。PPM分析によって、製品のライフサイクルを明確化し、企業の事業展開の検討において、明確な指標となります。

さらに、PPM分析自体は、ある程度の知識があれば、簡単に実施することができますので、あなたの会社におけるPPM分析を実施し、社内の事業展開計画に、的確な企画を提出し会社の発展に寄与してください。

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初回公開日:2018年10月23日

記載されている内容は2018年10月23日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
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