職責の意味|職位別の職責6例、部長と取締役の差異
更新日:2024年06月18日
職責の意味
「職責」とは、会社から与えられた“職務を果たす責任”の意味で使います。「職責」は会社によって就業規則、人事総則などの人事関係の書類にあえて職責を明記しているところもあります。
職責は責任と言う文字から、役職者だけが負うと思われがちですが、どの立場、地位でも、自分がやるべき仕事は責任をもってやり遂げる必要があるのが「職責」です。
しかし立場によって求められる責任は異なりますので、詳しく解説いたしましょう。
職責に強制力はあるのか
立場の違いにより会社で果たすべき責任や権限は異なりますが、会社や組織に勤めている場合は、必ず職責があります。会社内での立場の違いを「職位」と言い、職位ごとに職責の規定が存在します。
職責は、会社の就業規則や人事規定などに「職務分掌」と言う形で示されていることが多いでしょう。この場合、立場の違いにより果たすべき責任、就業条件の記載があり、会社に所属する社員には、強制力があると言えます。
社員
立場に関係なく、会社で働く上では社員となり、基本的な職責を守るのは必須です。経営層以外は全て「社員」という位置付けになりますので、この場合の職責は職位は関係ありません。
加えて職責には、課長、部長と言った職位ごとの役割、権限などが記載されていることもあり、社員はこれを十分に理解する必要があります。
一般社員の場合では、派遣社員、パートタイマーなど非正規雇用と比較した職責が与えられる場合もあります。
役員
一般的に日本では、「役員」=「経営陣」となり、会社側の立場が優先されますが、職責を守ることは一般社員と同じです。役員の場合。職位は法律上定められた取締役、参与、監査役をのぞいて、会社でどのような職位を設けるかはある程度自由度があります。
会社によってどの職位が必要で、どのような権限を持たせるかの設定は自由ですが、こちらも人事規定や会社規定によって職責が示されていることが多いでしょう。
公務員
公務員の場合は、雇い主は国になりますので、公務員倫理の中にその職責が示されています。公務員倫理は国が定めており、公務員がどのように振る舞うべきか、また国民の信頼を得るために期待される行動などが記載されています。
公務員の場合は、裁判官のように職位や職務などを法律によって示されているものもあります。その場合には、法律が優先して適用されることになります。
職責を担保するもの
職責の強制力は、公務員をのぞいては会社の規定に記載されるに過ぎず、法的な強制力などがないことが多いでしょう。そのような強制力が薄い中、組織の中で1人1人が職責を守り責任を果たすためのモチベーションとなるのが、「階級」「手当」「プライド」の3つだと言えます。
人々が職責を果たす上で担保する理由になっている、3つについて解説しましょう。
階級
階級は、一定の基準で分類され、身分や地位などの上下関係を表します。階級は会社だけでなく、社会的な地位に反映されていることも多く、職責も日本企業であればほぼ同じと考えてもいいでしょう。
公務員であれば分かりやすいのは警察官でしょう。警察での階級には、警視総監(東京都のみ)・警視監・警視長・警視正・警視・警部・警部補・巡査部長・巡査長・巡査となり、賃金、指揮系統、権限も明確に分かれています。
手当
職責によって会社から付与される手当も異なり、その対価として職責が守られている場合があります。
一般社員では、多くの会社が給与体系、昇給条件、休暇類の扱いなどを独自に定めています。また正規雇用者と非正規雇用で残業代などの扱いを別にしたり、権限の範囲を定めることもあります。
職位別で言うと、管理職などは残業手当がない、役員は業績による役員報酬などの違いもあります。
プライドなど
職責には、会社においてどのような役割を持ち、どのような人間であるべきかという認識も含まれている場合があります。一般的に、日本の社会であれば、「部長」「課長」などと人に言えば、どの程度の収入、社会的地位にいるかが概念として判断できます。
人と比べて早い年齢でこう言った職責を負えば、対外的には能力が高いと社会では見られることも多く、そう言ったことがプライドとなり、行動にも現れることも多いでしょう。
初回公開日:2017年08月26日
記載されている内容は2017年08月26日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
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