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「言われた」の敬語表現|取引先へ伝える場合・メールでの表現方法

初回公開日:2017年07月13日

更新日:2020年05月23日

記載されている内容は2017年07月13日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。

また、記事に記載されている情報は自己責任でご活用いただき、本記事の内容に関する事項については、専門家等に相談するようにしてください。

ビジネスシーンで必須の報告やメール。その際に「誰が言った」、「誰に言われた」というのは、頻出のフレーズでもあります。しかし、この「言われた」は、敬語表現か、受け身か、誤解を招きやすい表現です。正しい敬語表現で、コミュニケーションスキルをアップです!

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ビジネスシーンでよく見られる「言われた」の敬語

社会人として、ビジネスシーンでなくても敬語は多くの場面で使われます。しかし、しっかり理解できていないという人も多いのではないでしょうか。

今回は、「言われた」の敬語表現や場面別での使い方、また「申し使っております」という表現について、くわしく説明していきます。

言われたの敬語表現

仕事の報告や会議、メールや電話など、「言われた」という言葉を使用したくなる場面はよくあります。当然そうした場面では、程度の差はあれども敬語表現を使う必要があります。

しかし、ここに問題点があります。この「言われた」という言葉は、「誰それが言われた」という尊敬の意を表す表現と、「誰それに言われた」という受け身を表す表現の二通りあり、非常に厄介なのです。

「れる」「られる」ってややこしい

ここで、学校で習ったことのおさらいです。この「言われた」を品詞分解すると、「言わ/れ/た」となり、「言わ」は、動詞「言う」の未然形、「れ」は、助動詞「れる」の連用形、「た」は過去の終助詞となります。問題は、この助動詞「れる」です。「日本語が乱れている!」というな論調でよく挙げられるこの「れる」こそが、「尊敬」と「受け身」の両方の意味を持っています。

さらに厄介な問題があります。単純に「A部長に言われました」と使用する場合を想定してみましょう。この一文は他の補語などを省略していますから、能動文か受動文か判然としません。これは当然、そのような文章になっているからです。

この文が受け身だとすると、「A部長に(無理矢理)命令されました」という、攻撃的かつ反発的な印象を与えかねません。さらに、敬語表現を織り交ぜた能動文としても厄介です。仮に、「B主任がCさんに●●するように言われました」とすると、話者はB主任へ敬意を織り交ぜて「言われました」と表現しているにもかかわらず、B主任を主語とする受動文と受け取れないこともないからです。

これは敬語のというのは非常にややこしいというのがよくわかる一例です。つまり、「言われました」そのものは、あきらかな能動文以外ではあまり使わない方がいいということです。

ですから、シーンに合わせ、敬語表現を織り交ぜた能動的な「言われた」と、受動的な「言われた」を分けて、適切な敬語表現を使用する必要があります。

敬語のおさらい

ではまず、具体的な敬語表現を見ていきましょう。敬語表現を使用する場合、大まかに「尊敬語」「謙譲語」「丁寧語」の3種類あります。

まず、敬語の基本をおさらいしましょう。聞き手への単純な敬意を表す丁寧語を使用する場合は、「です」や「ます」などを語尾につけるだけで事足ります。主語への敬意を表す尊敬語の場合は、「れる/られる」、「お~になる」、「お~なさる」などです。動作の受け手への敬意や、主語をへりくだらせる謙譲語の場合、「お~する」、「お~いたす/もうしあげる」などになります。

先に述べたように、「言わ/れ/た」は、動詞「言う」+助動詞「れる」+終助詞「た」です。能動文とすると、すでに敬語表現ともとれます。ただ、「言う」には、特別な敬語表現があります。尊敬語として「おっしゃる」、謙譲語として「申す」がそれにあたります。

さらに、「言う」ということは、相手は聞いているわけです。回りくどく、受け身にしなくとも、「聞く」の敬語表現を使用することでも対応できます。そこで、「聞く」の特別な敬語表現「承る」「伺う」も使用することができます。

「言われた」の具体的な敬語表現

では、「言われた」の具体的な敬語表現を見ていきましょう。まずは、能動文として「言われた」と表現する場合です。これはいたってシンプルです。

例)A部長が、E社への営業を積極的に行うよう、私におっしゃいました。

これが一番、妥当な表現ではないでしょうか。他にも表現がありますが、それに関しては後段で触れます。

受動文の場合、「聞く」と変化させ、

例)A部長から、E社への営業経過、進捗を報告するように承りました。

例)E社のD部長から次年度の●●に関するコンペが予定されていると伺いました。

と表現するのが一番シンプルです。「伺う」は、「問う」「訪問する」にも使用する語ですので、「承る」が妥当でしょう。「了解した」という意味合いも含むなら、「了承しました」というのも可能です。

メールで記す「言われた」の正しい敬語表現

「言われた」の敬語表現は非常にやっかいなものです。次は、メールで使用する場合の「言われた」の正しい敬語表現を説明していきます。

メールは、口頭と違い、書き言葉です。さらに、事実を詳細に記す場合などに向いています。口頭では自然に聞こえるものの、書くと冗長な表現は避けた方がよいかもしれません。今回では、能動文の「言われた」は、「おっしゃった」、「おっしゃいました」、受動文の「言われた」は、「承った」、「承りました」でよいでしょう。

例文としては、まず、能動文の「言われた」の場合、

例)E社のD部長が次年度の●●に関してのコンペに参加するようおっしゃいました。

受動文の「言われた」の場合、

例)D社のE部長から次年度の●●に関しての見積もりを出すように承りました。

という表現です。

取引先へ伝える場合の表現

これまでの例文は、社内での報告を想定して紹介してきました。しかし、より重要なのは、取引先と会話、商談する場合です。次は、取引先へ「言われた」と伝えたい場合の敬語表現を見ていきましょう。

基本的に、使用する動詞としては変わりありません。能動文の「言われた」は、「おっしゃる」。受動文としての「言われた」は、「承る」でかまいません。

ただ、ケースに応じて、違う表現を使用することも可能です。たとえば、「指摘する」と言い換えて、能動文で「ご指摘された」「ご指摘になる」「ご指摘なさる」など、そして、受動文において、「ご指摘いただく」などです。

他にも、客観的に「第三者が言われた」「第三者に言われた」と伝聞で伝える場合に、「発言する」「主張する」「意見する」などの表現を活用し、能動文で「ご発言された」「ご主張なさった」「ご意見なさった」など、受動文で「ご発言された」「ご主張いただいた」「ご意見もうしあげた」と表現してもかまいません。

また、実際に仕事などを依頼された場合は、「●●するよう言われた」ではなく、「ご用命いただいた」という表現を使用するのも可能です。

例)貴社からご用命いただいた、●●の件に関しまして、ご相談させていただきたいことがございます。

という表現方法です。これとよく似た表現で、「言い付け」「申し付け」「仰せ付け」などの表現があります。これもビジネスシーンでよく使う語だと思います。それぞれ動詞化すると、「言う」と類似表現になります。次はそれに関して見ていきましょう。

「申し付かっております」は正しい?

「申し付かっております」という表現を耳にしたことはあるでしょうか。この表現に関するお話もみてみましょう。

これを無理矢理品詞分解すると、「申し/付かっ/て/おり/ます」になります。「申し/付かっ」が複合動詞、「て」が接続助詞、「おり/ます」は「いる」の丁寧語で補助動詞になります。しかし、実は「申し付かる」という複合動詞はありません。似た用語として、「言い付ける」「仰せ付ける」「申し付ける」が存在し、また、「言い付かる」「仰せ付かる」という用語もあります。

ここまでくると、「申し付かる」と言いたいところですが、身近な紙の辞書で引いても、スマフォやPCに内蔵されている辞書で変換しても「申し付かる」という言葉では検索できないでしょう。

「申し付かる」はなぜないの?

「言い付ける」は、「(上から下へ)命令する」などの意味です。「仰せ付ける」はその尊敬語で、「申し付ける」は謙譲語です。そして、「言い付かる」はその受け身表現で、「命令を受ける」の意味になり、「仰せ付かる」はその敬語表現になります。また、その敬意の対象は、命令をする命令者になります。

ここからが、日本語の敬語のややこしいところです。記事の前半で、尊敬語は「動作の主体に対する」と言って、謙譲語は「動作の対象に対する」と言いました。おおよそはその理解でよいのですが、尊敬語は、動作の主体に限らず、主語などのその文の話題の中心を高めるときに使用し、謙譲語は、動作の対象に限らず、自分などのその文の話題の中心をへりくだらせるときに使用するのです。実にぼんやりとしていて、理解しかねます。

では具体的に見てみましょう。「仰せ付ける」の主語は、命令者になり、敬意の対象でもあります。「仰せ付かる」の主語は、命令を受けた者です。命令者は、その補語、対象になり、それが敬意の対象になります。そして、「申し付ける」は、主語である命令者をへりくだらせた表現です。

押さえておきたいのは、もともとがすべて「上から下への命令」に関する語ということです。敬意の対象は、命令者か、聞き手です。よって、「申し付かる」という言葉があったとしても、命令を受ける側をへりくだらせるのか、命令者をへりくだらせているのか、敬意の対象がわかりにくくなってしまうのです。

「仰せ付ける」、「仰せ付かる」の活用法

「言われました」の敬語表現として、これら「仰せ付ける」、「仰せ付かる」は大いに活用できます。能動的に使用するなら、

例)D部長は、また新たにご用命を仰せ付けくださいました。

例)D部長より仰せ付かったご用命に関して、ご報告があります。

少し構えた態度のような印象を受けるかも知れませんが、このようになります。先にも触れましたが、「申し付け」、「仰せ付け」と名詞化して利用してもよいでしょう。

「言われた」の敬語はよく使うので注意しましょう

ビジネスシーンで報告はよくあることです。「言われた」、「言われました」を使うと、混乱を招いたり、印象を悪くしてしまう可能性もあります。

無駄に冗長、格式張る必要もないですが、少しでも敬語表現で彩って報告してみると、相手の印象もいいように変わることでしょう。

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