「言われた」の敬語表現での使い方とは|例文や注意点についても解説
更新日:2024年06月22日
例文
- 「A部長が、E社への営業を積極的に行うよう、私におっしゃいました」
- 「E社のD部長が次年度の●●に関してのコンペに参加するようおっしゃいました」
命令の意味で使われる場合
「言われた」を、何かを指示されたというような命令の意味合いで使うこともあるでしょう。その場合は、命令を表す表現の「言い付ける」を活用します。
主語が命令者の時は「言い付ける」の敬語表現として、尊敬語の「仰せ付ける」を使います。一方、命令を受けた人が主語の時は、受け身の表現である「言い付かる」の敬語表現「仰せ付かる」を使ってください。
例文
- 「D部長は、また新たにご用命を仰せ付けくださいました」
- 「D部長より仰せ付かったご用命に関して、ご報告があります」
少し構えた態度のような印象を受けるかも知れませんが、ビジネスシーンでは使いやすい表現です。「言い付け」「申し付け」「仰せ付け」と名詞のまま応用しても良いでしょう。
指摘の意味で使われる場合
「言われた」は、指摘されたという意味で用いると、相手に対して反発の気持ちをもっているかのような印象を与えてしまうことがあります。
誤解を招かないためにも、指摘の意味で使う場合は否定的なニュアンスを含まない「指摘する」に言い換えた上で、適切な敬語に変換しましょう。
「れる/られる」「お・ご~になる」といった尊敬語を付けて、「ご指摘された」「ご指摘になる」などとすると相手を立てる敬語表現になります。
また、受動の文では「ご指摘いただく」という表現が使いやすいでしょう。相手に言われた通りに対応した、という報告も丁寧な言い回しにできます。
例文
- 「ご指摘いただいた通りに資料を修正し、あらためてお送りいたしました」
「言われた」を敬語表現で使う時の注意点
「言われた」を使う時は、それが尊敬語なのか受け身の表現なのかを区別し、シーンに合わせて敬語表現を織り交ぜたり類語に置き換えたりして、適切な表現にする必要があります。
ここからは「言われた」の敬語表現を使用する上で気を付けたいポイントを5つ紹介します。間違った表現や印象を悪くする言い方にならないように注意して使いましょう。
二重敬語に注意する
「言われた」をより丁寧に表現しようとして、「おっしゃられた」という言い方をしたことのある人はいませんか?
「おっしゃられる」は二重敬語であり、正しい敬語表現とは言えません。
二重敬語とは、1つの言葉に同じ種類の敬語を二重に使ってしまうことです。「おっしゃられる」は、「お・ご~になる」という尊敬語が入っているにもかからわず、同じ尊敬語の「れる」も重ねて使われているため二重敬語になります。
「言う」を敬語で表現したい時は、シンプルに「おっしゃる」を使いましょう。
敬語の区分と助動詞の用法を間違えない
「言われた(言われる)」には助動詞「れる・られる」が入っています。この助動詞の用法は混同されやすいため、間違えないように注意しましょう。
尊敬の意味で使う「れる・られる」は、敬語の区分でいうと尊敬語にあたり、「言われる」はそのままで敬語として成立します。
一方、受け身の意味で「れる・られる」を用いると「言われる」は単に受動の行為を表す言葉になるため、目上の人にはそのまま使うことはできず、敬語表現をプラスして使用する必要があるのです。
尊敬なのか受け身なのか、用法をしっかり区別して使用することも大切ですが、「言われた」は紛らわしい表現になりがちなため、普段から「おっしゃった」などの表現に置き換えて使う習慣を付けておくと良いでしょう。
受け身の場合は尊敬語にはならない
初回公開日:2017年07月13日
記載されている内容は2017年07月13日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
また、記事に記載されている情報は自己責任でご活用いただき、本記事の内容に関する事項については、専門家等に相談するようにしてください。