「読む」の正しい敬語は?尊敬・謙譲・丁寧表現の例や使い方を解説
更新日:2024年11月09日
「上司に資料を読んでほしいんだけど、丁寧にお願いするには、なんて言ったらいいのかな」
「取引先の人に紹介された本を読んだ感想を伝えたい。どう言ったら失礼がないだろうか」
このように、普段の会話で「読む」を使おうとしている方には沢山の疑問や不安があるのではないでしょうか。
本記事では、目上の人に対して「読む」という言葉を使うときに注意するポイントや、いろいろな言い換え表現を紹介しています。
この記事を読むことで、上司や取引先の人に対して「読む」を使うときに必要な知識を得られます。その知識をもとに尊敬表現や言い換え表現を使えば、目上の人との会話について不安を抱えている方でもスムーズにやり取りができるでしょう。
ビジネスシーンで、「読む」の尊敬表現を活用したいと思っている方は、是非この記事をチェックしてみてください。
「読む」の意味
「読む」という言葉は生活の中でもよく使われる言葉の一つです。
「読む」には複数の意味があります。
文字・文章を声に出す、文字・文章の意味を理解する、かずを数える・見積もる、隠されている意図・未来の出来事を推察する、などです。
「読む」の類語
「読む」には複数の類語があります。
意味に沿って挙げると、「声に出す」にあたる「音読」や「朗読」、「理解する」にあたる「解釈」や「解する」、「かぞえる・見積もる」にあたる「枚挙」や「概算」、「推察する」にあたる「推しはかる」や「見通す」などです。
ここでは、その他の類語を見てみましょう。
清覧する
「清覧する(せいらんする)」は「書いたものを見る」の意味です。
したがって、「読む」の類語といえます。
「清覧する」の「清覧」に「ご」を付けた「ご清覧」という尊敬表現もあります。その人が何かを見ることを、相手を敬っていう表現で、「ご清覧ありがとうございました」のように使います。会話ではなく、文章で使用される言い回しです。
一読する
「一読する(いちどくする)」は「ひととおり読む」という意味です。
さっと目を通すという意味合いで、「一読して理解した」、「時間がなかったので一読して済ませた」というように使います。
「読む」の類語ではありますが、熱心に読んでいる様子を表すことには使えません。
「読む」の尊敬表現と言い換え表現
尊敬語とは、話し手が相手を高めることにより敬意を示す表現です。
通常は目上の人や上の立場の人について用います。ビジネスシーンでは、取引先や上司など、相手が年下か年上かにかかわらず、尊敬語を用いる必要があります。相手を自分よりも上の立場にある人物として扱い、敬意を示すことができるからです。
ここでは、「読む」の尊敬表現と、その言い換え表現について紹介します。
お読みになる
相手が何かを読む場合、「お読みになる」という言い回しが使えます。「読む」に丁寧表現の接頭語である「お」を付けた敬語表現です。
例えば、自分が論文を書く立場で、目上の人に読んだかどうか確認したい場合は「先日提出した論文はもうお読みになりましたか」と聞くことができます。もしくは「読む」に「いただく」をつけて「読んでいただけましたか」という敬語表現もできます。
読まれる
「読む」に尊敬語の「られる」をつけると「読まれる」という敬語となり、「読む」の尊敬表現として使うことができます。
しかし、「読まれる」は「読む」の受け身表現でもあるので、間違った意味に受け取られてしまうかもしれません。「この本は読まれましたか」と言った場合、目上の人が読んだという敬語表現なのか、すでに他の人によって読まれたという受け身表現なのかが判らないのです。
敬語表現であることをはっきりさせたいなら、「お読みになる」という表現を使ったほうが良いでしょう。
ご覧
「見る」の尊敬表現が「ご覧」です。「ご覧」は、対象物が見るものであれば、何であっても使える言い回しです。
「読む」は「本を見る」ことなので、「ご覧」は「読む」の敬語表現として使うことができるのです。また、「ご覧」をさらに丁寧にした「ご高覧」という敬語もあります。
「こちらの美術書はご覧になりましたか」、「社長は資料をご覧になっています」というように使えます。
初回公開日:2018年02月21日
記載されている内容は2018年02月21日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
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