「やる」の敬語表現・やるの使い方と例文・別の敬語表現例
更新日:2024年07月26日
「やる」と「する」は、「扱いは違えど同じ言葉」とお伝えしました。つまり、「言葉的には同じだけど・扱いが違う」ということです。その「扱い」というのは「使い方」のことで、言葉として基本の存在になるのは「する」です。そして、「やる」は「する」を「俗語的」な表現にしたものと言われています。
すなわち、「する」を「改まった場所では使いにくい・くだけた表現」にしたものが「やる」です。英語で言うスラングのようなもので、品の良い言葉とは言えません。つまり、「する」の方が言葉としては基本の存在であり、「やる」は「する」の俗語的(スラング的)な表現なので、言葉としては雑な表現ということになります。
「する」の敬語表現は、「やる」の敬語表現と同じになります。ただ、「おやりになる・やられる・やります」といった「やる」の形を少し変えた表現は「やる」特有の敬語表現として扱われます。
「やる」を敬語表現にした際の使い方!
「やる」の敬語表現には、尊敬語・謙譲語・丁寧語がありました。これらは敬語の分類になるもので、それぞれの使い方が存在しています。敬語は使い方を間違えると失礼になっしまうこともあるため、「やる」の敬語表現における使い方も学んでおく必要があるでしょう。
それでは、「やる」の敬語の種類・各敬語の種類における使い方・メールでの使い方を確認しておきましょう。
敬語の種類
「おやりになる」と「やられる」、そして「なさる」は「やる」の尊敬語にあたる敬語表現です。正確に言えば「なさる」は「する」の敬語表現ですが、「やる」は「する」の俗語的表現になるため「なさる」も「やる」の尊敬語表現になると考えます。
「いたす」や「させていただく」は、「やる」の謙譲語にあたる敬語表現です。「いたします」という表現も、「やる・する」の謙譲語にあたります。「やります」と「します」は、「やる」の丁寧語になります。「します」は「する」の丁寧語と言う方が正しいとされますが、「やる」と「する」は同じことなので「します」を「やる」の丁寧語としても問題ありません。
使い方
尊敬語は、「目上の人の動作・様子など」を表す時に使用する敬語表現です。そのため、「おやりになる・やられる・なさる」といった「やる」の尊敬語たちは、「目上の人が何かをやること」を示す時に使います。
謙譲語は「目上の相手と話をする時に、自分の動作・様子などを表す」時に使用する敬語表現です。そのため、「いたす・させていただく・いたします」といった「やる」の謙譲語たちは、「自分が何かやることを目上に伝える時」に使います。
丁寧語は、「言葉を丁寧にした」敬語表現になります。目上に限らず、目下や同輩にも使用できるため、使いやすい敬語表現と言えます。「やる」の丁寧語にあたるのは「やります・します」でしたが、これらは立場を問わず使用できます。ビジネスシーンでは、同輩や目下の相手に使うことが多いです。
メールでの使い方
メールにおける使い方は、これまでお伝えしたとおりの使い方と比べて、特別な違いはありません。しかしながら、ビジネスシーンでは言葉として基本的な「する」系を使います。その理由は、「やる」という言葉が「俗語的な表現」だからです。
「俗語」は、改まった場では使えません。「改まる」というのは「きちんとした、あるいは堅苦しい態度」のことを言うため、「改まった場所」=「きちんとした・堅苦しい態度をする場所」になります。ビジネスシーンは、敬語を要するように「改まった場所」ですので、「俗語的な表現」である「やる」はあまり使用しない方が良いと言えます。
「やる」を敬語表現にした時の例文!
「やる」の敬語表現を使った例文を、ご紹介していきます。
〜おやりになる
尊敬語「おやりになる」の例文には、「◯◯さんがおやりになる」などがあります。「おやりになられた」や「おやりになられます」といった、形にしても使えるでしょう。疑問形であれば、「おやりになるのですか」にします。「◯◯をおやりになる」といったように、◯◯の部分に人を表す言葉ではなく、やることを表す言葉を入れても良いです。
〜やられる
尊敬語「やられる」の例文には、「◯◯さんがやられる」などがあります。「やられます」や「やられたようです」といった形にもできますし、疑問形としては「やられますか」などの形にもできます。「敵にやられる」などの「やられる」をイメージさせることから、あまり使わない方が良いとも言えます。
〜なさる
尊敬語「なさる」の例文には、「◯◯をなさる」などがあります。「なさった」や「なさるようです」といった形にもでき、疑問形なら「それをなさるのですか」などの形にすることができます。
初回公開日:2018年02月16日
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