「くださる」の使い方と例文・敬語の種類・別の敬語表現
更新日:2024年08月09日
「くださる」と「いただく」を細かく見てきましたが、違いを整理してみましょう。
視点が違う
「くださる」と「いただく」は「自分」か「相手」、どちらの視点から見たものかによって使い分けられます。相手の行為に視点を置くと「くださる」になり、自分の恩恵に視点が置かれると「いただく」になります。
敬語「くださる」は「相手」に視点が置かれているため、相手に対して敬語が使われています。相手に対して敬意を払う敬語は「尊敬語」であり、相手を高める効果があります。
敬語「いただく」は「自分」に視点が置かれているため、自分を敬うのではなく、自分をへりくだる敬語「謙譲語」を使うことで相手に敬意を表しています。
「くださる」と「いただく」を例文で比較
「くださる」と「いただく」の違いがわかるように例文で比べてみましょう。「待つ」というこことを例に挙げます。
「くださる」→「お待ちくださり、ありがとうございます」
「いただく」→「お待ちいただき、ありがとうございます」
一見同じ内容の文に思えますが違いがあります。「待ってくださる」の方は「相手」から「待ってくれた」のであって、こちらが指示したりお願いしたわけではありません。相手が自主的に待ってくれたのであり、その行為に感謝し尊敬語で「くださる」を使い敬っています。
「待っていただく」は「自分」から相手にお願いして「待ってもらった」意味になります。相手が主体になって待ったのではなく、こちらからお願いして待ってもらったということです。待ってもらった行為に謙遜して謙譲語「いただく」が使われています。
違和感のあるケース
相手に無理を言ってお願いしたことに対して「○○くださり、ありがとうございました」とお礼を言うのは、おかしな表現です。こちらからお願いしてやってもらったときは「いただく」を使います。
区別の難しい「くださる」と「いただく」
「くださる」と「いただく」の文は丁寧に読み解いていくと、内容の違いがわかります。日常ではどちらを使うか混乱してしまうこともあるでしょう。状況をよく考えて使い分けましょう。
初回公開日:2018年02月22日
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