「気にかけていただき」の敬語表現・使い方と例文・別の敬語表現
更新日:2024年06月26日
「気にかけていただき」を使うと不自然な場面
「気にかけていただき」「気にかけてくださいまして」は、正しい敬語表現です。しかし、敬語としては正しくても状況によっては不自然になる場合もあります。
目下の人には使わない
「気にかけていただき」は基本的には目上の人に対して使う言葉です。目下の人に使うと失礼になるという訳ではありませんが、少し不自然ではあります。
「先輩、お忙しいのではありませんか。できることがありましたらおっしゃってください」「気にかけていただきありがとうございます。手伝ってもらえそうなことが出てきたら声をかけますね」は、「気にかけていただき」を省略した方が自然です。
ありがとう
自分が面倒を見ている相手に対しては「気にかけていただき」という敬語表現を使うのはやや不自然です。自分のことを気にかけてくれるような相手ではなく、自分が配慮し、気にかけてあげるべき相手であるためです。
目下の人に「できることがあれば言ってください」「お大事になさってください」と言われた場合は「気にかけていただき恐縮です」ではなく、「ありがとうございます」などの言葉を返したほうが自然です。
「気にかけていただき」を使うと失礼になる場面
「気にかけていただき」は「気を配っていただいて感謝している」ということを伝える丁寧な敬語表現です。感謝を伝える言葉ですが、使う場面によっては失礼になってしまうこともあります。
確認作業中
「風邪はいかがですか。明日は来られそうですか」「お忙しいようですが、納期には間に合いそうですか」などの言葉に「お気にかけていただきありがとうございます」とだけ答えると、失礼にあたります。
「明日は来られそうですか」「納期は間に合いそうですか」は配慮してくれているのではなく確認です。この段階で「気にかけていただきありがとう」と言ってしまうと、相手からの心配りを求めるような形になってしまいます。まずは質問に答えましょう。
相手が怒っている時
「お忙しいのは分かりますが、遅れられては困ります」などは、「忙しいのはわかる」という配慮を伝えたいのではなく「遅れては困る」と伝えようとしています。このような言葉に「気にかけていただきありがとう」と答えるのは不自然です。
「風邪はいかがですか。ご連絡がなかったのでご連絡したのですが」は「連絡が無かった」を伝えようとしてるので、「風邪はいかがですか」への返事として「気にかけていただきありがとう」と伝えるべきではありません。「ご連絡せず大変申し訳ありませんでした。寝込んでおりまして、家族もおりませんもので連絡できませんでした」などの返答が適切です。
「気にかけていただき」の敬語表現を使いこなそう!
「気にかけていただき」は「気にかけてもらう」の謙譲語の形での敬語表現です。尊敬語の形で敬語にすると「気にかけてくださいまして」になります。
「気にかけていただき」「気にかけてくださいまして」は習慣的に、同僚や直属の上司など立場が近い相手に対して使います。それ以外の相手には「ご配慮」を使うことが多いです。
「気にかけていただき」は正しい敬語表現ではありますが、相手が怒っているときなどに使うと気分を害させてしまうこともあるので注意が必要です。
「気にかけていただき」の敬語表現を押さえて使いこなせるようになりましょう。
初回公開日:2018年03月09日
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