「分かり次第」の敬語表現・使い方と例文・別の敬語表現例
更新日:2024年06月22日
「分かり次第」の敬語表現
「分かり次第」という言葉は、よくビジネスシーンで見聞きする言葉です。「〜分かり次第ご報告します」や、「お分かりになり次第ご一報お願いいたします」など、という風によく使います。
この「分かり次第」の「次第」という言葉には、もともと「ものの順序」や「物事の事情や経緯」といった意味がありますが、「分かり次第」という言葉の「次第」は、「とき(時点)」のことを指しています。例えば、「日程が分かり次第」といったなら、「日程の『状況/事情』が分かった時点で」という意味になります。
このように、「分かったときに(『事情が』分かった時点で)」という風に、「分かる」より先に「次第」の意味が前に出てくるのが「分かり次第」という言葉と言えます。それでは、「分かり次第」という言葉は、敬語ではどのように使うのが正しいのでしょうか。詳しく見ていきましょう。
「分かり次第」の敬語での使い方
それでは、「分かり次第」という言葉を、敬語で使いたいときには、具体的にはどのように使うことができるのでしょうか。敬語の種類に分けて見てみましょう。
敬語の種類
「分かり次第」という言葉の敬語の表現を詳しくみていく前に、まずは敬語の種類についておさらいしておきましょう。これを抑えておくと「いざ敬語で『分かり次第』という言葉を使おう」というときに、迷うことが少なく済みます。
もっとも使う敬語「丁寧語」
「丁寧語」とは「誰にでも使うことができる単に丁寧な言葉遣い」のことです。例を挙げると、「ですます調」や「お湯」の「お」、や「ご飯」の「ご」などが挙げられます。「丁寧語」は誰にでも失礼なく、一定の敬意を示せる言葉であるので、敬語の種類の中でも、日常生活の中で最もよく使う敬語の種類です。
自分について述べるときに使う「謙譲語」
「謙譲語」は「自分や自分に関係することやものに対して、あえてへりくだっていうことで、相手の立場を高く見せる言葉遣い」です。「へりくだる」とは「自分の立場を低く見せること」です。「謙譲語」の例には、「いただく」や「存ずる」といった言葉を挙げることができます。
この言葉は、「丁寧語」と違い、使う相手を選ぶ敬語です。主に目上の方やお客様と話すときに使う敬語であると覚えると良いでしょう。「自分の立場をあえて低く見せる」言葉であるので、目下の人や自分と同じ立場にいる人には使いません。
また、お客様や目上の方に関することについて、誤って「謙譲語」を使ってしまうと、相手の方を「低い立場に見せる」ことになり、失礼なので注意しましょう。
目上の方に使う「尊敬語」
「尊敬語」は「目上の人やその人に関係する物や事について述べるときに使う言葉遣い」のことです。これも「謙譲語」と同じで、使う人を選ぶ敬語であると言えます。「くださる」や「お思いになる」などが「尊敬語」にあたる言葉と言えます。
「謙譲語」と「尊敬語」はどちらも、目上の人を目の前にしたときに使う言葉なので、使い分けが難しいと感じる方も多いですが、簡単に言うと自分に関わることには『謙譲語』、お客様や目上の方に関わることは『尊敬語』を使うと言えます。
例えば、同じ物をもらう場面でも、「自分が目上の人からもらった」と言うことに着目するのであれば、謙譲語の「いただく」を使って「いただきます」と言いますし、「目上の方がくれた」ことに着目するのであれば、尊敬語の「くださる」を使って「〇〇様がくださった」と言います。
このように、着目するものが「目上の人」に関わるときに使うのが「尊敬語」です。
「分かり次第」の使い方
敬語の種類について抑えたところで、本題の「わかり次第」の敬語での使い方について、見ていきましょう。
実は後ろの言葉「次第」?!
「分かる」という言葉には、丁寧語なら「分かる(分かります)」、謙譲語なら「承知する」、尊敬語なら「お分かりになる」といった言い回しがあります。しかし、「分かり次第」という言葉は、「分かり次第」という形で一つのフレーズなので、「承知次第」や「お分かり次第」という使い方はしません。
では、各敬語によってどのように使い分けるのかというと、それは前後の言葉によって使い分けるといえます。
例えば、「分かったら連絡してね」というのを、「丁寧語」なら「分かり次第ご連絡お願いします」と言えますし、尊敬語なら「お分かりになり次第、ご連絡くださりますようお願い申し上げます」と言うことができます。謙譲語の場合は、「自分が分かったら連絡する」と言うことになるので、「分かり次第ご連絡いたします」と言うことになります。
このように、「分かり次第」という言葉は、前後の言葉で敬語の使い分けができると言えます。
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初回公開日:2018年03月30日
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