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「伝えておきます」の敬語表現・使い方と例文・別の敬語表現例

更新日:2024年01月19日

あなたは、「伝えておく」をどのような表現で伝えていますか。「お伝えしておきます」というような言い回しをしている人も居るはずです。しかし、「お伝えしておきます」は、場面によっては間違いになることもあります。これを機に、正しい敬語表現を確認しましょう。

「伝えておきます」の敬語表現

「伝えておきます」は「伝えておく」の丁寧語です。謙譲語にすると「お伝えいたします」になり、尊敬語にすると「お伝えしておきます」が適切な表現になります。

謙譲語の「お伝えいたします」は、「お伝え」が尊敬の意味を持ちます。しかし、敬語の世界では、表現を美しくするために尊敬語を使うとは限りません。敬語の中には、単語に「お」を付ける場合もあります。「誰からのお手紙でしょうか」「そのお醤油をとってください」などは、「お」をつける典型的な例です。

誰の言葉を伝えるのか、誰に伝えるのかによって、「伝えておきます」を使い分けましょう。

「お伝えしておきます」が間違いになる場面

「お伝えしておきます」は「伝えておきます」の尊敬語です。

取引先の相手に「Aさん。これを田中社長に伝えておいていただけますか」と言われた場合、どう答えるのが適切でしょうか。「お伝えしておきます」が正しく見えますが、これは間違いです。この場合は「伝える」という言葉は、伝える相手である「田中社長」にかかっています。「田中社長」は話し手の身内にあたるため、尊敬語は使いません。

「Aさん。これを田中社長に伝えておいていただけますか」「伝えておきます」、あるいは「申し伝えておきます」が正しいです。

誰に伝えるのかを考える

「伝える」などの言葉は、誰に伝えるのかによって敬語表現が変わります。また、誰と話しているのかによって表現を工夫することも、決して珍しくはありません。

同僚など、自分と同格の人の言葉を自分と同格の人に伝える場合は、丁寧語を使うことが多いです。「シフトが変わったことを田中さんにも伝えておきます」などの使い方は、よく見かけることでしょう。

同じ組織の人の言葉を、同じ組織の上司に伝えるという場合は尊敬語です。「シフトが変更になったこと、部長にもお伝えしておきます」などの使い方をします。

外の相手の言葉を、同じ組織の上司に伝えるという場合は、謙譲語か丁寧語と押さえておきましょう。この場合は、上司は身内にあたるため、「Aさんのお言葉を部長の田中にも伝えておきます」などの使い方が適切です。

申し伝えます

「伝えておきます」の謙譲語には、「お伝えいたします」の他に「申し伝えます」があります。外の人の言葉を身内に伝える場面では、謙譲語が相応しいです。身内とは、家族、あるいはビジネスシーンにおける同じチームや同じ会社の人のことを指します。

「ご主人にお大事にとお伝えください」「ありがとうございます。申し伝えておきます」、「田中さんに今度、資料を持って来て欲しいと伝えておいていただけますか」「承知いたしました。田中に申し伝えておきます」などの表現を、正しく使いこなしましょう。

「伝えておきます」の敬語での使い方

「伝えておきます」は「伝えておく」の丁寧語です。「誰かからの伝言を預かっていて、それを指定の相手に伝える」という場面で使います。

「伝えておく」という言葉が重点を置くのは、「伝えて欲しい」と言っている相手ではなく、あくまでも「伝える相手」です。この点は注意しましょう。

「社長に伝えておいて」と言われた場合は、伝える相手が社長です。そのため、「お伝えしておきます」という表現を使うのが無難と言えるでしょう。それとは別に、取引先の相手に「社長に伝えておいて」と言われた場合は、「お伝えいたします」「申し伝えます」などの謙譲語を使います。

敬語の種類

敬語には「尊敬語」「謙譲語」「丁寧語」があります。「尊敬語」は相手を上にすることで丁寧な表現にするときに使う言葉、「謙譲語」は自分を下げることで丁寧な表現にする言葉です。「丁寧語」は「です・ます調」のことを指します。

「伝えておく」という言葉は話している相手ではなく、「伝える相手」にかかります。このため、尊敬語や謙譲語を使う場合は、特に注意が必要です。

使い方

基本的に身内に「伝えておく」場合は謙譲語、外の人に「伝えておく」場合は尊敬語を使います。

外の人に自分の家族に対して何か伝えてくれ、と言われた場合は「申し伝えます」を使います。また、取引先の相手に自分の所属する会社のメンバーの誰かに伝言を伝えて欲しいと言われた場合も謙譲語です。

「休まれるときは連絡をいただきたいと、奥様にお伝えいただけますか」「恐れ入ります。申し伝えておきます」、「今度資料を持って来て欲しいとそちらの田中部長にお伝え願えますか」「承知いたしました。申し伝えておきます」などの使い方をします。

同じ組織の別チームのメンバーから、自分が所属しているチームの誰かへの伝言を預かったなど、身内か外かの判断に困った場合は、丁寧語にするとよいでしょう。

「そちらのプロジェクトリーダーにお伝え願えますか」「承知いたしました。伝えておきます」などの使い方が、その一例です。

「伝えておきます」のシーン別の使い方

「伝えておきます」は、伝言を誰かに伝えて欲しいと頼まれたときなどに使います。「待合室にいるとお伝えいただけますか」「承知いたしました。佐藤が戻りましたら伝えておきます」などの表現が、「伝えておきます」の一例です。

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初回公開日:2018年04月09日

記載されている内容は2018年04月09日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
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