「思っている」の敬語表現・使い方と例文・別の敬語表現例
更新日:2024年10月07日
「思っている」を繰り返すのは良くない
「思っている」の敬語表現である「思っております」「思っています」「存じております」は、使うと失礼になるという表現ではありません。しかし、予定を組まなくてはいけない場面や、決定していることなどを伝えなくてはいけない場面で「思っている」を繰り返すと頼りない印象を与えてしまうこともあります。
「午後は取引先を回ろうと思っております。ですので、これからご連絡して相手のご予定を伺おうと思っています」は、「午後は取引先を回ろうと考えております。ですのでこれからご連絡して相手のご予定を伺う予定です」など、「思っています」以外の言葉に言い換えることができます。
考えております
「考えている」と「思っている」は似通った場面で使われます。
「これから伺おうと思っておりました」は「これから伺おうと考えておりました」に言い換えることができます。「この問題を解決しなくてはいけないと思っております」は「この問題を解決しなくてはいけないと考えております」に言い換えることができます。
「思っている」という表現では頼りない印象を与えてしまうかもしれない、という場面では「考えている」の敬語表現を使うと良いです。
予定です
「予定」は「複数の人の行動をあらかじめ決めておく」というような場面でも使いますが「自分がそうしようと決めている」という場面でも使います。
「午後は外回りをしようと思っています」は「午後は外回りをする予定です」に言い換えることができます。
想定している
「想定している」も「思っている」と似通った場面で使います。
「開発部は夜型の人も多く、彼らは午前中はあまり仕事ができていない様子ですので、フレックスタイム制の導入によって、過度な残業は減るだろうと思っております」は「過度な残業は減るだろうと想定しています」に言い換えることができます。
「思っている」を敬語表現するときの例文
「思っている」は敬語にすると「思っています」「思っております」「存じております」などになります。それぞれの使い方を例文を交えて解説します。
思っております
「思っております」は「思っている」の謙譲語のひとつです。
「もうすぐ雨が降りそうなので、ビニール傘をレジ横に出しておこうと思っております」、「そろそろお昼にしようかと思っております」、「今日は早く帰ろうと思っております」などの使い方をします。
存じます
「存じます」は「思います」の謙譲語です。
「ご連絡いただけましたらと思います」は「ご連絡いただけましたらと存じます」に言い換えることができます。「近々お伺いしたいと存じます」、「お会いできたらと存じております」などの使い方をします。
存じております
「存じております」は「思っている」の謙譲語です。「知っている」の謙譲語でもあります。
「営業部としては、開発部の方とコミュニケーションが取りにくくなるのでフレックスタイム制の導入は残念だと存じております」、「業務の量が変わるわけでは無いならば、定時制もフレックスタイム制も同じなのではないかと存じております」などの使い方をします。
「所存です」の使い方
「思っている」は「所存です」に言い換えることができる場合もあります。「所存」は「考え、意見」という意味の言葉です。今後の目標などを相手に伝える際には「思っている」ではなく「所存」を使うことが多いです。
「プロジェクトのリーダーをお任せいただきありがとうございます。力を尽くす所存です」などの使い方をします。
尽力していく所存です
「所存です」はこの言葉だけで「考え、意見」という意味を持っています。このため、「考えている所存です」「思っておる所存です」などは「馬から落ちて落馬した」「腹痛が痛い」「違和感を感じる」などと同様の、間違った表現にあたります。
「力を尽くそうと思っている所存です」ではなく、「力を尽くす所存です」、「尽力していこうと考えている所存です」ではなく「尽力していく所存です」などの表現が正しいです。
「過度な残業によって体を壊すスタッフが出ないように、新しい制度などを取り入れ職場環境改善に尽力していく所存です」などの敬語表現をします。
「所存」は謙譲語ですので、「貴方の所存を知りたいです」などは間違った使い方にあたります。
初回公開日:2018年03月05日
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