「どうですか」の敬語表現・使い方と例文・別の敬語表現
更新日:2024年08月15日
「どうですか」の敬語表現
「新しいスマホどう?」や「明日どう?」「これどうかな?」のような会話を交わしたことはありませんか。「どう」は親しい関係、友達や後輩などとの会話に良く使われます。相手の様子や状況を、気軽に聞いたり確認したりできる、便利な言葉です。
この「どう?」を「どうですか?」に言い換えてみます。「新しいスマホはどうですか?」「明日どうですか?」「これどうですか?」になりますと、語尾は丁寧になりました。しかし敬語として上司や取引先との会話に使うことは難しいです。敬語としては少し足りない、敬意が足りない響きがありませんか。
それでは「どうですか」をどのように言い換えれば、敬語として、社会人の使う言葉としておかしくない表現になるのでしょうか。今回は「どうですか」のビジネスシーンでの使い方や敬語としての使い方について、使用例を交えながらひとつづつ確認していきます。
「どうですか」の意味
「どうですか」の「どう」は「どんな具合ですか?」「予定は空いていますか?」「どう思いますか?」などを「どう」というひとつのことばで言い換えることができる、使いやすい言葉です。「どう」だけで使うこともできますが、うしろに「ですか」がつくと、より丁寧な言い方に聞こえ、ぶっきらぼうな感じが減ったように感じます。
「どうですか」の意味についてですが、これは相手に質問をして、回答を求める言葉です。たとえば相手がどういう状況かを尋ねるために使う「具合はどうですか。」「体調はどうですか。」、相手の今後の予定を確認するために使う「明日はどうですか。」「この後どうですか。」「親睦会は4日でどうですか」、相手に何かを提案するために使う「1割引でどうですか。」「新システムの導入はどうですか。」、相手に何か意見や感想を求めるために使う「先日のプレゼンはどうですか」などがあります。
丁寧語
上記のとおり、状況や感想を求める「どう」のあとに丁寧語の「ですか」をつけたものが「どうですか」です。丁寧語がついているので、敬語かと思われがちですが、言葉の敬意を考えてみると、「まじっすか」や「やばいですね」などと大きな意味で同じです。ですのでたとえ語尾が丁寧語である「です」「ます」の派生語が付いていたとしても、敬語として目上の人に使うことは適切ではないので避けましょう。くだけた会話の中の敬語の位置づけです。
「どうですか」を社会人として使えるかどうかですが、これは同期生との会話や、親しくしている先輩との会話までとなります。友達同士の子どもっぽい会話より1ランク上がったような言葉遣いです。「です」「ます」を「どう」の後ろにくっつけただけの「どうですか」を、社会人として上司や取引先との会話に使ってしまうと、きちんとした敬語ではないため気まずい空気が流れるはずですので注意しましょう。
尊敬語
それでは、上司や取引先に対して状況や感想を聞きたい場合はどうしたらよいのでしょうか。「です」「ます」をつけただけでは敬語にならないのであればどのような言葉をつかうのでしょう。
この場合は、「どう」を「いかが」に変換し、「ですか」を「でしょうか」に変えて「いかがでしょうか」を使います。さらに丁寧に言うと「いかがでしたでしょうか」となります。「いかがでしょうか」「いかがでしたでしょうか」であれば、状況や意向を伺う敬語として成立しており、ビジネスシーンで使える言葉となります。
たとえば、体調を気遣う時には「お体の具合はいかがでいらっしゃいますか。」予定を確認する「この後のご予定はいかがでしたでしょうか。」提案を行う「この金額でいかがでしょうか」などがあります。
「お体の具合」や「ご予定」など、前後につく言葉も敬語に合わせて丁寧になりますので、使分けができるようになりましょう。
「どうですか」の敬語での使い方
「どうですか」は敬語では無いため、敬語として使う場合はどのような場面なのか、どのような状況なのか、に合わせて言葉を選びます。
ごく親しい間で、丁寧な言葉を使いたい場合は「どうですか」がよいでしょう。親しい間で「いかがでしょうか」を使うと逆に違和感が出る可能性があります。
状況や様子を尋ねる場合の「どうですか」を目上の人に対しての敬語にする場合は「いかがでしょうか」「いかがでしたでしょうか」を使います。
相手に感想や意見を求める場合の「どうですか」を目上の人に対しての敬語にする場合は、「ご意見はいかがでしょうか」ですと、何を聞きたいのかがはっきりしない、漠然とした言い方になってしまうため、別の言葉に置き換えます。「お考えをお聞かせ願えますか」や「忌憚の無いご意見をお聞かせください。」などであれば、意見を聞きたいという気持ちが伝わる敬語になります。
敬語の種類
敬語には尊敬語・謙譲語・丁寧語の3種類があります。話し手から見て、相手を上げることで相対的に自分を下げ、敬う気持ちを表すのが尊敬語です。また逆に、話し手から見て自分を下げて、相対的に相手を上げることで敬う気持ちを表すのが謙譲語です。他に、語尾に「~です」「~ます」をつけて丁寧な文章にするのが丁寧語です。
誰が誰の話をしているのか、誰が誰に敬意を表しているのかを使う敬語によって判断しますので、尊敬語・謙譲語・丁寧語を使いこなすのが社会人としての第一歩になります。
また、どんなに丁寧語の「です」「ます」をつけたとしても、その言葉自体がビジネスシーンではふさわしくない言葉があります。「どうですか」の「どう」は、目上の人に向けた言葉としては敬意が足りませんので、別の言葉に言い換える必要があります。
使い方
「どうですか」の敬語は「どう」を「いかが」に言い換えた「いかがですか」が該当します。さらに敬意を表す場合は「いかがでしょうか」を使います。もっと丁寧に言いたい場合は、「いかがでしたでしょうか」を使います。
「この後1杯どうですか。」を敬語にすると「このあとのご予定はいかがでしょうか、もしよろしければご一緒にいかがですか。」、「具合はどうですか。」を敬語にすると「お体の具合はいかがでいらっしゃいますか。」、「明日3時でどうですか。」を敬語にすると「明日の3時のご予定はいかがでしたでしょうか。」となります。
また、「いかがですか」と予定聞かれた時の返答方法ですが「大丈夫です」や「無理です」は敬語としては使えませんので気をつけましょう。OKならば「ありがとうございます。」や「差し支えありません。」NOならば「既に予定があるので、×日にお願いできればありがたいです。」のように回答します。
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初回公開日:2018年04月02日
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