「確認する」の敬語表現とは?使い方・例文・言い換え表現を解説
更新日:2024年08月24日
「確認する」と「確認をする」の敬語の違い
「確認いたしました」は「確認した」の謙譲語ですが、さらに丁寧語の「ます」から成り立っています。しかし、「確認いたしました」を「確認致しました」と、「いたしました」を「致しました」と漢字で書くのは誤りとなります。
ひらがな表記の「いたす」は「する」の謙譲語で補助動詞として使われています。漢字表記の「致す」は至らせる、及ぼす、届けるなどの意味を持つ動詞です。そのため、「確認致しました」と使うことはできません。
しかし、「を」が入ることにより動詞となり、「確認を致しました」を使用することが可能です。
「確認する」の言い換え表現
確認したことを報告する場合にも多くの敬語表現があります。同僚、上司、顧客と敬語を使い分ける必要があるでしょう。
そのようなとき、多くの敬語表現を使いこなせると、さまざまな場面で、安心して意思疎通ができます。
「確認します」を言い換える場合でも、「拝見します」「照会します」「拝読します」「受療します」などがあります。大意は、似ていますが具体的行為やニュアンスが異なります。
それぞれの意味や使い方を説明させていただきますので、参考にしてください。
「拝見します」
「拝見する」は「見る」の謙譲語です。敬意を払って物事を見る際、自分の見るという行為を目上の人に伝えるときに使われます。目下相手や同僚には使われません。
「拝見する」は二重敬語になりやすく、また目上の人の行為に使うという間違いを起こしやすい敬語です。使い方をよく理解した方が良いでしょう。
「拝見する」の正しい使い方としては、「資料を拝見しました」「メールを拝見しました」の等があげられます。また、人に会ったとき「お姿を拝見しました」のようにも使われます。
「拝見する」の間違った使い方としては、「メールは拝見していただけましたか」があげられます。これは「拝見」という謙譲語でメールの受信者である相手を下げ、メールの送信者を立てる文になります。「メールはご覧になりましたか」が正しい文となります。
また、「拝見いたします」は「拝見」という謙譲語と、「いたす」という謙譲語が二重に使われていて、文法的に間違っています。しかし、丁寧な表現と思われ広く使われてますので注意が必要です。
「照会します」
ビジネスではよく使われる「ご照会」は、問い合わせて確認することを意味します。
「ご照会」の「ご」は目上の人が問い合わせるときに使う尊敬語です。「ご照会の件」としてお客様などのメールでの問い合わせに対する返信に用いられます。「問い合わせていただいた件」の意味になります。
「お問い合わせの件」としても使われますが、「ご照会の件」の方がより正式と見なされるようです。
問い合わせへの謝辞を述べるために「ご照会ありがとうございます」が使われます。そして、問い合わせを依頼するときは、「ご照会ください」などとして用いられます。より丁寧な表現として、「ご照会いただけますようお願いいたします」などがあります。
「ご照会ください」には強要される感じを持たれ、失礼に当たることも考えられます。より丁寧な言葉に言い換えた方が適切とも言えるでしょう。
「ご照会させていただく」は自分の行為なので謙譲語になります。問い合わせて確認をする、という意味になるでしょう。「させていただく」は、使役の助動詞「させて」に「もらう」の謙譲語「いただく」からできています。「申し訳ないという気持ちで、許しを得られたら物事をする、というニュアンスを持つと言えるでしょう。
「拝読します」
「拝読」「拝見」の「拝」は訓読みをすると「拝(おが)む」と読み、自分のことをへりくだる意味を持ちます。そのため、それぞれ「読む」「見る」の謙譲語となります。
メールや手紙は読むものであるため、「拝読」が正しいように見えます。しかし、日本では古くから読むことを見ると表現しているためどちらも正しいのです。
ホームページなどはどうでしょうか。ウェブサイトには画像も多く、「拝見しました」が自然と言えるでしょう。
「拝受」という言葉もあり「受け取る」の謙譲語となりますが、受け取った事をいうだけで、内容の確認ついてはついては触れていません。
「拝読(拝見)しました」でも丁寧な敬語表現です。さらに丁寧な敬語表現として「拝読(拝見)いたしました」があります。この表現は「拝読(拝見)」に「する」の謙譲語「いたす」さらに丁寧語の「ます」、そして過去完了存続を表す助動詞「た」からできています。
二重敬語ではないかとの指摘もありますが、二重敬語ではありません。安心して非常に格上の人にも敬意を表現できます。親しい上司に使うと、仰々しい感じが出てしまうでしょう。
「受領します」
「受領しました」は、品物などを受け取ったことを、送った相手に伝えるときに使います。「受け取りました」と同じ意味です。
日常的にあまり使われる言葉ではないため、「受領」という言葉に、丁寧な敬語のようなイメージを持っている人も多いようです。そのため、ビジネスシーンにおいて、丁寧な堅い言い回しが要求されるようなとき「受領」が好んで用いられるようです。
「受領」は敬語ではありません。しかし、「受領しました」だけでも十分正しい敬語表現と言えます。より敬意を示すためには謙譲語の「いたす」をつけて、「受領いたしました」とすることができます。
「確認する」の敬語表現を理解しよう
「確認する」の基本的な敬語は次のようになりました。相手を立てる尊敬語は「確認なさる」であり、へりくだる謙譲語は「確認いたします」であり、そして、聞き手に丁寧に述べる丁寧語は「確認します」でした。
状況に合わせてこれらをさらに変化させることにより、微妙なニュアンスの違いを表現していることがわかりました。ニュアンスの違いにより使用できない場面もあります。
多くの参考例をもとに、シチュエーションに合わせて敬語を使い分ける事ができるでしょう。これからは自信を持って敬語を使い、使い慣れてください。
初回公開日:2018年03月05日
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