Search

検索したいワードを入力してください

「役に立つ」の敬語表現・役に立つの使い方と例文・別の敬語表現

更新日:2024年02月22日

「役に立つ」という言葉を敬語で表現するとき、どんな使い方をするのでしょうか。シチュエーションや相手との上下関係で「役に立つ」はどう変化するのか、文法的にどう考えればわかりやすいのか、丁寧に説明します。「役に立つ」をほかの言葉で表現する方法も紹介します。

「役に立つ」を敬語で表現するには?

人は誰しも、誰かの役に立ちたい、何かの役に立ちたいと願っています。特に仕事においては、会社や社会の役に立つことがそのまま自分の仕事の成果につながり、周りからの評価も自分のモチベーションもあがります。そんな生活の原動力ともいえる「役に立つ」という気持ちをビジネスシーンで使うには、敬語での正しい表現が必要です。

ここでは、役に立つという言葉の敬語での表現を、文法も踏まえながらシチュエーションに合わせて説明していきます。

「役に立つ」の意味とは?どんな時に使う言葉?

「役に立つ」とは、使って効果がある、有用である、という意味です。物が何かの役に立つことのほかにも、言動など形のないものも誰かの助けになれば「役に立った」と表現することができます。単純に丁寧な言い方をするなら、「お役に立つ」という敬語が一般的ですが、「何(誰)」が「何(誰)」に「役に立った」のかによって敬語の用い方が大きく変わることご存知でしょうか。

敬語の種類とは?

敬語には、相手を立てて表現する尊敬語、自分がへりくだる謙譲語、ものごとを丁寧に表す丁寧語があります。「お役に立つ」は丁寧語です。相手が目上の人の場合、状況によって尊敬語と謙譲語を使い分ける必要がありますが、このとき主語が相手なら尊敬語、主語が自分なら謙譲語を用いるのが一般的です。

「役に立つ」を敬語表現する場合も、主語が何なのか、つまり「何が役に立つのか」を考えることで正しい敬語表現を理解しやすくなります。

「役に立つ」と「役立てる」の違いは?

結論からいえば、「役に立つ」は自動詞で、「役立てる」は他動詞です。自動詞は○○が役に立つ、という使い方をしますので、役に立っているものが主語になっています。

一方、他動詞は目的語を伴う動詞ですので、○○を役立てる、という使い方をします。この場合役に立っているものは目的語で、それを扱っている人物(または物)が存在し、その人物が主語となります。この違いをふまえながら具体的な使い方をみていきましょう。

役に立つのが自分の場合

春、新入社員として自己紹介をするときは、意気込みや決意を同僚や上司に伝えられる絶好の機会です。その時の気持ちこそ「役に立ちたい」ですから、敬語を使って上手に伝えたいところです。「一日も早くお役に立てるよう誠心誠意努力いたす所存です」や、もう少しくだけた言い方で「皆さんのお役に立てるよう精いっぱい頑張ります」という言い方もよいでしょう。

また、実際に自分が役に立ったと感じた場合は、「お役に立てれば幸いです」と表現するとよいでしょう。このとき「お役に立ててよかったです」としてしまうと、役に立ったかどうかの判断を先に自分がしていることになるので失礼にあたる可能性があります。自分が主語になるときは、有用であったかどうかの判断は相手に委ね、「役に立つとうれしい」という気持ちを伝えるようにしましょう。

役に立つのが物の場合

役立つものを主語にして表現する場合は、自動詞「役に立つ」「役立つ」を使います。たとえば先方に贈り物をした時に「(贈ったものが)何かのお役に立てばと思いまして」、「お役に立てれば幸いです」と表現します。

役に立つものを使う相手を主語にする場合は少々複雑ですが、他動詞「役立てる」を使います。「万一の際に(あなたが○○を)お役立てくださいませ」「(あなたが○○を)お役立ていただければ幸いです」という使い方です。

「役立たせていただく」は正しいか?

ここまでで、主語が何かによって「役に立つ」と「役立てる」を使い分けることがわかってきました。では、「お寄せいただいたご意見を今後の活動に役立たせていただきます」という表現は正しいでしょうか。

この文では、役に立つものは「意見」でありそれを役立つようさせているのが主語に当たる人物です。この場合は他動詞を使いますから「役立てる」が適切な動詞です。

「役立たせていただく」の「~させていただく」は一見、敬語表現のように思えますが、ここでは「意見を役に立つようにさせる」ということなので「~させる」は使役です。「役立てる」の使役は「役立てさせる」ですから、この場合「ご意見を役立てさせていただきます」が適切な敬語表現です。

書き言葉としての「役に立つ」は?

敬語表現にも、書き言葉に適した表現と話し言葉に適した表現があります。一例ですが、自分の会社のことを書き言葉では「弊社」、話し言葉では「当社」とする考え方もあります。厳密に間違いだということはありませんが、メールなど文章で伝える場合には、より伝わりやすく相手との関係性に適した敬語表現を用いる必要はあります。

しかしながら「役に立つ」という言葉に限って考えれば、話し言葉としての使い方を押さえていればそれほど悩むことはないでしょう。誰が何を役に立てるのがを考えながら「お役に立つ」と「役立てる」、「役立てさせる」の違いに気をつければ、自然な敬語で表現することができます。

否定的な使い方はあるの?

次のページ:「役に立つ」の敬語表現を使いこなしましょう

初回公開日:2018年04月12日

記載されている内容は2018年04月12日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
また、記事に記載されている情報は自己責任でご活用いただき、本記事の内容に関する事項については、専門家等に相談するようにしてください。

Latests