「役に立つ」の敬語表現・役に立つの使い方と例文・別の敬語表現
更新日:2024年08月05日
「役に立つ」の反対語である「役に立たない」をビジネスシーンで使う場合について考えてみましょう。言葉の意味で考えると「役立たず」「能がない」「無用の」ということですから、これらを目上の人に対して使うことはほとんどありません。使うとすれば自分の力が足りず役に立てなかったとき、そのことで相手に迷惑をかけたり落胆させてしまった場面が考えられます。
「お役に立てず申し訳ありません」という言葉はよく耳にします。期待に応えられないことを謝罪すると同時に、応えたかったができなかったと残念に思う気持ちが伝わるよい表現です。ただし、相手の要望が見当違いであったり、もともと期待に応えることができない内容の要望をお断りするときにも使われる表現です。自分のミスが原因で相手に迷惑をかけたことが明らかな場合は不適切ですので注意しましょう。
「役に立つ」を目上の人に使ってよいか?
たとえ上司や取引先の相手の言葉や行いが自分の役に立ったとしても、目上の相手に「役に立った」とストレートに伝えるのは好ましくありません。目上の人の言動をこちらが評価するような印象を与えてしまい失礼と捉えられかねません。
「先輩に教えてもらった情報が役に立った」と伝えたいなら、「アドバイスをしてくださったおかげでとても助かりました」など、役に立ったという言葉を使わずに表現するとよいでしょう。逆に後輩から助けてもらって感謝したい時であっても、「役に立ったよ」という言葉の代わりに「力を貸してくれてありがとう」や「勉強になったよ」と伝えると、上下関係を感じさせることなく気持ちが伝わります。
また、さきほど触れた「お役に立てば幸いです」という表現は、相手が目上の人であっても自分の貢献を謙虚に伝えられて便利です。あくまでも役に立ったかどうかは目上の人の判断に任せましょう。
「役に立つ」の敬語表現を使いこなしましょう
「役に立つ」の敬語での使い方がわかったところで、より具体的なフレーズをいくつか紹介します。主語と動詞の使い方に気をつけることで理解も深まり、自然な表現が身につくことでしょう。
自分が役に立ちたいときは
・皆様のお役にたてるよう、精いっぱい努力して参ります
・心ばかりではございますが、何かのお役に立てば幸いと存じます
・私どもでお役にたてることならば、なんなりとお申しけくださいませ
・お役立ていただければ幸いです
自分や自分の言動が主語になるときは自動詞「役に立つ」「役立つ」を使いましょう。
何かを自分の役に立たせたいときは
・ご厚意を今後の活動に役立てさせていただきます
・この経験を必ず今後に役立てて参ります
役立てるものが目的語になるときは、他動詞「役立てる」を使いましょう。
「役に立つ」別の敬語表現は?
「役に立つ」ということを伝えたいシチュエーションにおいて、気持ちを伝えるために他の表現を使うこともできます。自分の努力や仕事が役に立ったという場合や、逆に誰かの言動が自分の役に立った場合に使うことのできる表現を、それぞれ紹介します。
自分の努力は「尽力」でアピール
尽力とは、あることを成し遂げるため力を尽くして努力することを指す言葉です。これはまさに誰かの役に立ちたいという気持ちに即した言葉ですから、「役に立つ」を言い換える言葉として最適ですので使い方をマスターしておきたいところです。努力します、という表現の努力を尽力に置き換えるだけで、努力以上の全身全霊をこめた頑張りを相手に伝えることができます。
「今後さらに尽力して参る所存です」という表現には、単に「努力します」と言うよりも相手の役に立ちたいという気持ちがより籠められています。「尽力」の「尽」にはすでに尽くすという意味が備わっていますので、「尽力を尽くす」という言い方は誤りなので注意しましょう・
「ご尽力」とすれば敬語になる
また、尽力という単語に「ご」とつけて丁寧語にすれば敬語表現となり、目上の人にも使えるようになります。相手がしてくれる努力を「ご尽力」と表現することにより、「役に立つ」を使えない場合でも感謝の気持ちを伝えられます。
「この度は多大なご尽力を賜り心から感謝申し上げます」と言うことで、「あなたのしてくれたことが役に立って助かった」ということを失礼なく伝えることができます。「役に立つ」がストレートに目上の人には使えないことは前述しましたが、この言い方であれば何の問題もありません。
相手の努力は「お力添え」で感謝
初回公開日:2018年04月12日
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