「願う」の敬語表現・願うの使い方と例文・別の敬語表現
更新日:2024年06月19日
「願う」の敬語表現
「願う」とは「誰かに自分の望みを叶えて欲しい」という気持ちを表す言葉です。ですので、何かを誰かに頼みたいときや、そうなって欲しいと思うことに対して使います。この「願う」という言葉を、単純に敬語に置き換えるのであれば、「願います」という言葉になります。これは敬語の丁寧語に当たる表現で、単に丁寧な言葉遣いで「願う」を表した例です。
では、実際に誰かに何かを頼むときには、「願う」という言葉をどのように言い換えればいいのでしょうか。これは「お願いします」や「お願いいたします」、「お願い申し上げます」というような表現に変えれば良いと言えます。
事項から、これらの言葉がどのような敬語に分類され、どのように使えるのかについて、詳しく見ていきましょう。
「願う」の敬語での使い方
この項では、「願う」を敬語で使うときには、敬語ではどのように使うことができるのかについてご紹介します。使い方のポイントを押さえて、上手に「お願い」できるようになりましょう。
敬語の種類
「願う」の敬語表現について考える前に、敬語の種類についておさらいしておきましょう。これを抑えておくと、どんなときどんな風に「願う」を変化させれば良いのか、迷わずにすみます。敬語の種類は全部で3種類です。一つ一つ、使い方や使う場面が異なりますので、よく確認していきましょう。
丁寧語
「丁寧語」は「ですます調」や「美化語(ご馳走の「ご」やお菓子の「お」などの言葉)」に表されるような言葉をさします。「丁寧語」がどんな言葉であるかを簡単に説明すると、「誰に対しても失礼なく使うことのできる単に丁寧な言葉遣い」であると言えます。
「丁寧語」は誰にでも使える言葉遣いであるので、敬語の種類の中でも最もよく使う種類の言葉遣いであり、敬語の基本の言葉遣いであるといえます。敬語を使うと言ったなら、この「丁寧語」を基本に使いつつ、場合によって、以下に挙げる2つの種類の敬語を使っていくことであると言えるでしょう。
謙譲語
「謙譲語(けんじょうご)」とは、「自分について述べるときに使う言葉遣い」のことです。もう少し詳しく言うと、「自分や自分に関係するものや人、動作について、自分の立場が低くあるかのように見せて話す言葉遣いのこと」を指します。「いただく」や「拝見する」などの言葉が謙譲語の例に挙げられます。
これは「自分の立場を低く見せること」で「相手の立場を自分より上に捉えている」という姿勢を見せて、敬意を示しているといえるでしょう。ですので、目下の人や同じ立場にいる人には使いません。
また、目上の人に関係することを語るときにも、「謙譲語」は使いません。目上の人のことを「謙譲語」で語ってしまうと、「目上の人の立場を低く見ている」と捉えることになり、失礼にあたります。
尊敬語
「尊敬語」は「目上の人や、その人に関わることやもの、人、動作に対して語るときに使う言葉遣い」です。「自分について述べる言葉遣い」である「謙譲語」の逆の表現であると言えます。「尊敬語」にあたる言葉には、「お納めになる」や「ご覧になる」などがあります。
「尊敬語」も「謙譲語」と同じように、目下の人や同じ立場にいる人には使いません。あくまで「目上の人」や、「そのとき最も敬意を払わなくてはならない人」に使う言葉遣いです。
「願う」の使い方
それでは、「願う」の敬語の表現について考えていきましょう。まず「願う」とは自発的な言葉です。ですので、「相手の人のことを語る」尊敬語では、「願う」を表す言葉はありません。逆に、尊敬語以外の丁寧語と謙譲語は、自分のことを話す言葉遣いであるので、「願う」を言い表すことができるといえます。
丁寧語で「願う」というのは「願います」になることは冒頭でご紹介しました。ではこの他に丁寧語ではどのように表現できるかというと、「お願いします」と表現することができます。この表現は「願う」をシンプルに敬語にした表現ですので、よく使います。
一方、謙譲語では「お願いいたします」や「お願い申し上げます」という形で「願う」という言葉を表現できます。「お願いいたします」の「いたす」は「する」の謙譲語で、「お願い申し上げます」の「申す」は「言う」の謙譲語です。
「お願いできますでしょうか」は正しい?
「願う」を敬語で表現するときに「お願いできますでしょうか」と表現する人がいますが、これは敬語の使い方として、間違った使い方です。
「お願いできますでしょうか」は「お願いできるか」を敬語にしようとした表現です。本来「お願いできるか」を敬語にするときには、「できるか」のみを敬語にすればいいので、「お願いできますか」と言えばいいところに、「でしょうか」という言葉を付け加えてしまっています。
このように「1つの言葉に2つ以上の敬語がついている言葉」を「二重敬語」といいます。「二重敬語」は日常会話の中で使われる分には、問題ありませんが、かしこまった場面、ビジネスシーンなどでは避けるべき言葉遣いであるとされています。
言葉遣いというのは急に変えることができません。いつでも正しい言葉遣いが使えるように「お願いできますでしょうか」ではなく、普段から「お願いできますか」を使う方が良いと言えます。
初回公開日:2018年04月02日
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