「お見受けする」の使い方と例文・敬語の種類・別の敬語表現
更新日:2024年08月08日
日本人の扱う言葉は同じ意味を持っているのに、使う時、使う相手を間違えただけで逆に失礼な人だなと評価されてしまうことがあります。敬語の中には尊敬語、謙譲語、丁寧語とそれぞれ分かれているため、敬語をマスターしようとするならばその全てを理解する必要があります。それでもひとつ、敬語を扱うときの注意点として覚えておくと良いことがあります。
言葉に「手間を与える」ということ
「手間」を別のモノに例えると「時間」にすることも可能です。「時間」というのはどれだけお金を積んでも一度捨ててしまったモノは手に入りません。1秒1秒が大事なモノだとされています。だからこそ、言葉に手間を与えることが大事です。言葉に手間を与えるという行動を分かりやすく、極端な言い回しにすると、長文になるということです。
現代社会では生産効率や合理性が求められています
その中で手間をかけるという行動は一見無駄なように言われることもありますが、昔は逆に手間を与えることが大事だとされていました。例えばトヨタ式では「異常が何もなければ、異常を隠しているのではないか」という手間を増やす考え方をします。
この考え方の背景には私たちはあくまでも「人間」であるということや「時間」とは自然そのものだという考え方があります。この方法は生産効率を落とすのではないか。合理的ではないとして評価が低い時代もありましたが、最近では東京電力ホールディングス(HD)がトヨタ式を取り入れたという話もあります。
気持ちを伝えるという文化
目に見て分かりやすいモノではありませんが、これは手間を与える行動は決して無駄だと一蹴できるモノではないということの証左です。
他にも例えばバレンタインデーではチョコを渡すことで相手に気持ちを伝えるといった目的でチョコが渡されることがありますが、そこに丁寧なラッピングをする必要はあるのでしょうか?生産性や合理性のみを気にするのであれば丁寧なラッピングをするという文化は廃れてもおかしくありません。
もっと言うと、気持ちを伝えるのが目的であればチョコを用意する必要性さえありません。ですが、チョコを用意するという手間をかけて気持ちを伝えるという文化はずっと残っています。
敬語でも同じような考え方をすることができます
例えば日本には敬語の辞典というモノがあります。そこには丁寧な言葉から失礼になる言葉まで載っています。一例として「ありがとう」という単語では「ありがとう」という言葉が普通とされていて、「このご恩は一生忘れません」という言葉がより丁寧な敬語だとされています。
シンプルに何が違うのかというと、丁寧な敬語ほど長文になっているということが分かります。別の言葉に言い換えると、丁寧な敬語ほど手間を与えているということです。
敬語とは敬う語(ことば)と書きます
敬語とは手間をかけて「真心を込めたか」ということを相手に見られるのだとを覚えておきましょう。お見受けするという敬語も含めて、敬語は手間をかけることが大事だとされています。そのためお見受けするという敬語を理解するためには手間をかけることの重要性を覚えておきましょう。
初回公開日:2018年04月02日
記載されている内容は2018年04月02日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
また、記事に記載されている情報は自己責任でご活用いただき、本記事の内容に関する事項については、専門家等に相談するようにしてください。