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2018年04月14日

残業手当の計算方法・残業手当なしの法律の規程・いくらが目安か

残業手当はどのように計算されているのでしょうか。残業手当は法律でどのように定められているのか。残業手当を支払わなくていい場合とはどのような場合なのか。残業手当は、どのような場合にどのくらいの割合で割増されるのか。残業手当の基礎を簡潔にまとめました。

残業手当は支払われていますか?

残業手当の計算方法・残業手当なしの法律の規程・いくらが目安か

あなたは会社で残業をすることはありますか。あるとすれば、残業手当はきちんと支払われていますか。残業手当がどのように計算されているのかを知らなければ、残業手当がきちんと支払われているかどうか確認できません。

そこで、残業手当について計算方法などをご紹介していきます。

残業手当はどのように計算するのでしょうか?

残業手当の計算方法・残業手当なしの法律の規程・いくらが目安か

残業手当の基本の計算式は、以下のような計算式です。
・1時間あたりの賃金×1.25×残業時間

これだけでは「時給制で働いているわけではないのに、1時間あたりの賃金とは何だろう?」「1.25とは何の数字?」という疑問が残ります。

では、もう少し詳しくみていきましょう。

そもそも「残業」とは?

労働基準法という法律で、使用者は「週40時間、1日8時間」を超えて労働させてはならない、と定められています。この時間には、休憩時間は含まれません。

では、法律で禁止されているのに、なぜその時間を超えて働くことができるのでしょうか。それは、使用者と労働者の間で協定を結べば、残業手当を支払うことで法律で定められる時間を超えて働いてもらうことができることになっているからです。

労働基準法第36条に定められていることから、36(サブロク)協定と呼ばれます。個別に結ぶ契約ではなく、労働組合などの労働者の代表と使用者によって結ばれます。この協定がなければ「週40時間、1日8時間」を超えて働かせることは、法律違反です。

この法律で定められた時間を超えて労働した時間が残業時間です。この残業時間に対する残業手当が、前述した「1時間あたりの賃金×1.25×残業時間」という計算式で算出されることになります。

具体的な例で考えてみましょう

例えば、月曜日から金曜日まで毎日8時間労働という労働契約の場合、週40時間、1日8時間の契約になります。そのため、契約を超えた労働はすべて残業時間ということになります。

では、月曜日から金曜日まで毎日6時間労働という労働契約の場合、契約の時間を超えて働いても、残業とはならないのでしょうか。もちろん、そんなことはありません。

しかしその場合は前述の計算式とは違い、「1時間あたりの賃金×残業時間」で算出されることになります。

「1時間あたりの賃金×1.25×残業時間」という計算式は、あくまでも「週40時間、1日8時間」を超えた労働時間に対して使われるものだからです。

月60時間以上の残業の場合

「週40時間、1日8時間」を超える労働のことを、法定時間外労働と呼びます。この法定時間外労働が月に60時間を超える場合、大企業は60時間を超える部分に関しては、5割増しで賃金を支払わなければならないと定められています。

つまり、さきほどの計算式にあてはめると以下のようになります。
・1時間あたりの賃金×1.5×残業時間

現在は、中小企業に関しては適用が猶予されています。

残業手当の基準

残業手当の計算方法・残業手当なしの法律の規程・いくらが目安か

残業手当の基準となるのは、1時間当たりの賃金です。

時給制で働いている場合は1時間あたりの賃金もわかりやすいですが、月給制の場合は、残業手当を算出する計算式で使う「1時間あたりの賃金」を算出するにも、少し注意が必要です。家族手当や通勤手当などの諸手当が支給されている場合、その支給の形態によって、1時間あたりの賃金を算出するときに除外される手当と除外されない手当があります。

例えば、家族手当は家族の人数に応じて算定されるものについては除外されますが、そうではない場合には算入しなければなりません。ほかにも、通勤距離に応じて支給される通勤手当は除外されますが、一律に支給される通勤手当は除外されません。

このように名称が同じであったとしても、その手当がどのように算定されているかという実態によって、1時間あたりの賃金を算出する場合の取り扱いが変わります。

残業手当なしの法律的な規定

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会社が残業手当を支払うことは、法律で定められた義務です。使用者と労働者が残業手当が支払われないことに合意していたとしても、そのことだけで残業手当を支払わなくて良い理由にはなりません。

しかし、会社で働く人すべてに対して残業手当を支払わなければならないことになっているわけではありません。

そこで、どのような場合が残業手当が必要とならないのかをみていきます。

労働基準法上の労働者ではない場合

労働基準法では、労働者は職業の種類を問わず、事業または事業所に使用される者で、賃金を支払われる者をいう、と定められています。そのため、個人事業主や会社の取締役などは、労働基準法上の労働者ではないといえます。

しかし名称ではなく、残業手当が支払われるかどうかは、実態によって判断されます。

労働基準法上の例外制度の対象者の場合

労働者であっても、職種や地位などよっては、残業手当の支払いについて例外の制度が設けられている場合があります。

以下に、例外の制度についてみていきます。

管理監督者

管理監督者は例外とされています。

しかし、「名ばかり管理職」という言葉を耳にしたことがあるのではないでしょうか。肩書だけを与えられ、実態は労働者と変わらないのに管理監督者扱いとされ、残業手当が支払われなかったことで裁判所で不当と判断された事例があります。

管理監督者と認められるためには、経営者と一体の立場であるかどうか、厳密な時間管理をされない者であるかどうか、その地位にふさわしい処遇を受けているかどうか、管理監督者としての実態が必要です。

事業場外労働

事業場での労働ではない場合です。外回りの営業マンなどが当てはまります。しかし、これもすべての営業職の労働者が当てはまるわけではありません。

労働の実態の把握が難しいという理由から、労働基準法上の例外と認められているものですので、携帯電話でちくいち報告をさせるなど、会社側が労働の実態を把握している場合には当てはまりません。

裁量労働制

職種によっては会社からの指示で動くのではなく、労働者の裁量にまかされる仕事もあります。研究職やデザイナーなどがその例です。職種や職務も法律で限定されています。

そして、ここでもやはり実態が重要です。職種や職務が法律上のものと一致していたとしても、上司からの細かい指示で動いていたり、特定の時間に出勤することを定めていたりする場合には、労働者の裁量とは言えません。残業手当削減のためだけに会社が裁量労働制をとることはできません。

変形労働時間制

変形労働時間制とは、労働時間を年単位や月単位で調整することです。忙しい日とそうではない日がはっきりしているなどの場合に、あらかじめ定めておくことで、忙しいときに労働時間が長くなっても残業手当としての支払いをしないという制度です。

この場合でも、所定の労働時間を超えた場合には残業手当を支払う必要は当然あります。

フレックスタイム制

フレックスタイム制とは、出社時間と退社時間を労働者が決めることができる変形労働時間制の1つです。ただし、出勤していなければならない時間を「コアタイム」として設ける場合もあります。

フレックスタイム制であっても所定の労働時間を超えた場合は、残業手当を支払う必要がある点は変わりません。

残業手当はいくらが目安なのか

残業手当の目安としておおまかな計算がしたい場合は、前述の計算式に当てはめて計算してみてください。

これまでみてきたように正確に計算するためには、それぞれの会社の実態と雇用契約内容、就業規則などの規程の内容から判断する必要があります。しかしおおよその数字であれば、前述の計算式で金額を出すことができます。

残業手当の割増はあるのか

残業手当の計算方法・残業手当なしの法律の規程・いくらが目安か

そもそも残業手当の計算式の1.25という数字が割増率をあらわしています。つまり、法定時間外労働については残業手当として、通常の賃金を25%以上割増して支払いなさいよ、と定められているということです。

残業手当の割増はこれだけではありません。残業が深夜に及んだ場合や休日に出社した場合には、割増率が変わります。

深夜の労働に対しては、25%以上の割増が必要です。
休日出勤した場合には、35%以上の割増が必要です。

法定時間外労働であり、かつ深夜であった場合には、それぞれが加算されることになりますので、合計50%以上の割増が必要です。

ただし、休日出勤は特殊な労働とみなされるので、休日出勤をした場合に8時間を超えても25%は加算されず、35%以上の割増のままです。

残業手当と深夜手当の違いとは?

残業手当とは、これまでみてきたように所定の時間を超えて労働した場合に使用者から労働者に支払われる手当です。

これに対して深夜手当とは、午後10時から午前5時までの間に労働させた場合に、使用者が労働者に支払わなければならない手当です。

休日出勤した場合、8時間を超えても残業手当の加算はありませんでしたが、休日出勤の労働が深夜まで及んだ場合には、深夜手当の割増率は加算されます。そのため、休日出勤で深夜労働した時間に関しては、60%以上の割増が必要です。

残業手当に関する法律

残業手当については、労働基準法第37条に時間外、休日および深夜の割増賃金として規定があります。

労働基準法第36条に定められていることから、36(サブロク)協定と呼ばれます。個別に結ぶ契約ではなく、労働組合などの労働者の代表と使用者によって結ばれます。この協定がなければ「週40時間、1日8時間」を超えて働かせることは、法律違反です。

この法律で定められた時間を超えて労働した時間が残業時間です。この残業時間に対する残業手当が、前述した「1時間あたりの賃金×1.25×残業時間」という計算式で算出されることになります。

残業手当の正しい知識を武器にしよう

残業手当の計算方法・残業手当なしの法律の規程・いくらが目安か

残業手当については、業種や職種、会社の就業規則などによって個別の定めがあることが多いので、わかりづらいのも事実です。しかし、残業手当が正当に支払われないということは、会社のために働いている労働者にとって残酷なことです。

本来であれば、使用者と労働者は対等な立場であるはずです。しかし、賃金としてお金をもらう立場である労働者は、使用者に対して弱い立場になる構図となりやすいです。そのために、労働基準法などの法律で、使用者が一方的な条件で労働者を使用することがないように、最低ラインを定めています。

残業手当を経費としてしかとらえず、経費削減とばかりに残業手当を払わずに済む方法ばかり模索する経営者もいます。正しい知識を持ったうえで、法律で定められている基準を満たしていないのではないかと感じたときには、社会保険労務士や労働事件に強い弁護士など、専門家に相談することを検討してみてはいかがでしょうか。

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