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退職での時季変更権は認められるのか・強制力・濫用されたとき・判例

初回公開日:2018年10月23日

更新日:2020年08月20日

記載されている内容は2018年10月23日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。

また、記事に記載されている情報は自己責任でご活用いただき、本記事の内容に関する事項については、専門家等に相談するようにしてください。

退職時の年次有給休暇の取得に対し、て時季変更権が認められるかどうかについてまとめた記事です。会社は時季変更権を使って、休む日にちを従業員を交渉する権利があります。時季変更権をめぐっての判例やトラブル回避の方法についてご紹介していきます。

退職での時季変更権は認められるのか

退職での時季変更権は認められるのか・強制力・濫用されたとき・判例
※画像はイメージです

会社を退職するときに、余っていた有給休暇を使い切ってから退職しようとされる方もいらっしゃるでしょう。定年退職のようにあらかじめ退職日が決まっているような場合では、休みの調整が取り易いでしょうが、急遽退職せざるを得ない場合に繁忙期と重なってしまったらどうなるのでしょうか。

入社してから6か月以上継続して勤務している従業員には、有給休暇の付与が労働基準法で定められていますが、現状では有給休暇を利用されている方は、少ないと言われています。

会社は有給休暇を従業員が希望した場合、与えなければならないことになっていますが、繁忙期や従業員同士の休みが重なり、業務に支障がでるような場合、有給休暇の使用日を変更するように求める「時季変更権」があります。

退職前の有給長期取得

定年退職や自己都合退職、任期満了退職など退職と一口に言ってもいろいろな形があります。何かの都合で急に退職せざるを得ないような状況では、退職日までの期間があまり無いこともあります。

例えば、退職前に長期的に有給休暇を使い旅行に行きたいと思う方もいらっしゃるでしょう。そのような時に、繁忙期と重なってしまったら、有給休暇を取ることができるのでしょうか。

従業員には、有給休暇を使用する権利があり、退職後には有給休暇を使用する権利は無くなってしまうため、余っている有給休暇がある場合、会社はできる限り従業員が取得したいと考えいる日に有給休暇を使用できるようにしなければならないことになっています。

アルバイトやパートの有給休暇

アルバイトやパートさんは有給休暇なんて貰えないと考えていらっしゃる方もいらっしゃるのではないでしょうか。労働基準法では、入社日から6か月経過した従業員には身分は関係なく、有給休暇を付与しなければならないことになっています。

ただし、アルバイトやパートさんの場合は週2日や週4日勤務の方もいらっしゃるでしょう。このように1週間当たりの出勤日数がフルタイムの方より少ない場合は、出勤日数に合わせて付与される事になっています。

例えば入社半年後の有給付与日はフルタイムの方で10日、週4日勤務の方では7日、週2日の方では2日です。(平成30年9月現在)

アルバイトやパートの有給休暇時季変更権

アルバイトの方やパートの方は、定年退職というより家庭の都合などにより急に退職となケースが多いでしょう。アルバイトやパートの方が大勢勤務されている会社は、人数調整のためアルバイトやパートの数を最小限に抑えていることが多くみられます。

繁忙期に退職される方が有給休暇を長期で使用されると、会社が回らなくなってしまうため、会社から時季変更権を言われて、実際には有給取得できないまま退職という事も多いと言われています。

業務引き継ぎ

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退職前の大事な仕事として、自分から後任者へ業務の引継ぎがあります。退職日まで間がないときに、有給休暇が余っているからと長期的に使用し、引継ぎをきちんと行わず退職してしまうと、後任者が大変迷惑することになります。

会社側から、退職の引継ぎを行うまで、有給休暇の時期を変更してほしいと時季変更権を主張されることがあります。

この場合、退職日まで猶予があればいいのですが、急な退職になる場合は、有給を使用したい従業員と会社側でトラブルになることもあります。このように時季変更権の使用にあたっては会社と十分な話し合いが必要です。

繁忙期

会社によっては繁忙期、閑散期と忙しい時期に波があることがあります。例えば経理部では決算期、システム開発では親商品発表時期、衣類量販店ではバーゲン期などある程度忙しい時期は決まっています。

繁忙期に有給休暇の取得を長期的に求めた場合、業務に支障をきたす可能性があるため、会社側から有給休暇の時期変更権を求められることがあります。調整がつく場合には、従業員も会社もよく話し合い、トラブルを避けるようにしましょう。

他の従業員と年休が重なった

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パートやアルバイトの方では、介護中の親がいる、小さなお子さんがいるなどの理由でフルタイムでの勤務が難しいことが多いと言われています。飲食店やスーパーなどでは、パートさんのお子さんの同士が同じ学校に通っているというケースも多いでしょう。

学校行事などが重なりパートさん同士の有給休暇が重なってしまったケースでは、時季変更権を使用することはたいへん難しいです。

会社側としては少ない人数で業務をまわすか他店舗から応援を頼むなど、できるだけ時季変更権をせずに済むように工夫しているケースが多いと言われています。

時季変更権の強制力

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時季変更権は、あくまでも他の時期に年次有給休暇をずらせることが条件となります。退職日まであまり日がなく、他の時期に年次有給休暇をずらせない場合、会社側は時季変更権を使うことができなくなります。

ただし、会社側でも他に休む人が多い、業務の引継ぎが円滑に行われていないなど、会社運営に支障が出る可能性がある場合は、会社側と労働者がよく話し合い、円滑に業務が行われるようにする必要があります。

年休での時季変更権はありか

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時季変更権とは、従業員が有給休暇を取得したいと申し出た日が正常な業務に支障を与える場合に、他の時期にずらずように話をする権利のことです。ただし時季変更権は強制力はありません。あくまで、他の日程にずらすことが可能かという話し合いを行えるだけです。

ただ、会社は業務の運営を行う必要があり、そのために従業員を雇っているのですから、繁忙期に長期で休む、急な休みを繰り返すなどを一部の従業員が行えば、正常な業務に支障が出たり、他の従業員の有給取得にも影響を良くない影響を与えることになります。

正常な業務の運営を妨げたり、他の従業員の休暇や有休取得に影響が出るよなケースでは、年次有給休暇の取得時に会社側から時季変更権を使用されることもあります。

時季変更権

労働基準法では、年次有給休暇の取得が正常な業務の運営に支障をきたす可能性がある場合、他の日にちに変更できる権利があります。(労働基準法第39条第5項)

たたし、時季変更権には強制力はないことと、退職日が迫っており他の日にちに変更が難しい場合は、時季変更権を使うことは従業員ともトラブルを生む可能性もあります。

そのため、退職日が迫っている従業員には、時季変更権の代わりに、残りの有給の買い取りなど他の案を提示し、トラブルを避けるという事もあります。

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