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【業界研究】化粧品業界の現状・動向・課題について

化粧品業界は消費するメーンターゲットが10代後半~40代の女性のため、景気動向や時代の流れといった要因に非常に影響を受ける業界になっています。

化粧品業界の現状

化粧品業界は消費するメーンターゲットが10代後半~40代の女性のため、景気動向や時代の流れといった要因に非常に影響を受ける業界になっています。

かつて、日本がバブルに沸いていた時代は、有名女優やモデルをCMに起用して、派手な広告を打つことで業界各社は消費者を獲得していました。

その後、バブルがはじけることで一気に景気が低迷し、高級品の買え控えの風潮が起こりました。化粧品業界も当然その影響を受け、業界全体で売上がなかなか上がらない苦労の時代が続きました。

しかし、業界の絶え間ない努力やプロモーション活動が功を奏し、これまではターゲット層として見られていなかった男性でスキンケアに気を使う人が多くなった背景もあり、平成17年以降業界の景気も回復し、さらに化粧品業界は市場規模までも急拡大させることに成功しました。

化粧品業界の景気は平成17年以降、急激に上向きに転じていましたが、それもつかの間、競合が多くひしめく化粧品業界はすぐに需要が頭打ちとなってしまい、成長が鈍化してしまいました。

その後、平成24年の年度末までは、アベノミクス効果による円安・株高の影響で日本全体の景気が良くなりましたが、消費者にとっては懐が温かくなったわけでもないため、消費動向は節約というキーワードが拭えず、業界の成長は依然横ばいが続きました。

直近の化粧品業界は、長く続いた不況の影響によって、低価格化・高性能を求める消費者が多くなり、高級化粧品をこれまで購入していた人が安価な商品を求めるようになり、化粧品業界各社の収益は低下しつつあります。

さらに、化粧品業界はこれまで全く別の事業を行っていたような他業種からの参入が活発になり、化粧品業界の競争は益々激化の一途を辿り、従来化粧品を生業としていた業界各社の売上は減少してきています。

景気低迷、内需の縮小などの要因がある現在の日本社会では、かつて飛ぶように売れていたハイブランドの高級化粧品ではなく、簡単に手を伸ばせる価格で、かつ品質の高く、さらに安全・安心な商品が求められる用になってきています。

これは化粧品業界に限った話ではなく、食品や石鹸などの日用品や化学製品など、様々な商品で無添加やオーガニックと謳っている商品が売れていることを見ても分かります。

こういった時代の流れから、有名な女優やモデルを使って、莫大な広告費を投下しすることによるプロモーション活動を商品単価に乗せて、高級化粧品として販売する手法が時代遅れになってしまいました。

中国からのインバウンド観光客の影響で今でも何とか昔のやり方で利益を出せている会社はありますが、海外から日本に旅行にきて、高級品を買い漁る層が日本への渡航をしなくなってきたらすぐに立ち行かなくなるでしょう。その前に、業界上げてのビジネスモデルの転換や、新しい価値観への対応が急務となっています。

現状1:基本情報

化粧品業界の市場規模は2兆0,097億円となり、全業界の中で見るとそれほど大きな規模ではありません。この業界で働く労働者の数は18,005人で、平均年齢は38.1歳になります。この業界の労働者の平均勤続年数は9.6年で、他の業界よりも少し短い勤続年数になっています。

化粧品業界の労働者は女性が多いという特徴があり、現場の販売員などは会社からのノルマもあったりするため、すぐに辞めてしまう労働者の影響で勤続年数が比較的短い業界となっています。化粧品業界の平均年収は、546万円で、サラリーマンの平均年収から考えると100万近く多く給料がもらえる業界と言えます。

化粧品業界の仕事は化粧品を製造する製造現場、製造した化粧品を売るために販売戦略や広告などのプロモーションを行う販売企画の仕事、化粧品を実際に販売する販売の仕事の大きく3つに分かれます。

化粧品業界と言うと街角の派手なポスターや、百貨店の化粧品売場の美容部員のイメージが強いと思いますが、実際には化粧品を製造する人や、広告を仕掛けるプロモーションを行っている目には見えない人が黒子のように多く働いています。

現状2:業界シェア上位3位

化粧品業界のシェアランキンは以下の通りになっています。

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