【業界研究】化粧品業界の現状・動向・課題について
1位:資生堂(売上高:7,620億円 シェア率:37.9%)
2位:花王(売上高:5,702億円 シェア率:28.4%)
3位:ポーラ・オルビスホールディングス
(売上高:1,913億円 シェア率:9.5%)
上位3位までのはこのようになっていますが、4位はコーセーで売上高が1,900億円、シェア率9.5%を誇っています。化粧品業界はこの上位4社で85%ものシェアを専有している、4強の構図になっています。
この業界ではやはり資生堂が圧倒的な売上とシェアを獲得していて、ブランド力、マーケティング力、販売力など、どれを取っても一流の化粧品会社として君臨しています。
中国人観光客が日本に来日したとき、必ず女性が買って変えるのが資生堂の化粧品と言われているくらい、高級品のマーケットが縮小している日本の市場でも高級品の売上を堅持しています。ちなみに、化粧品業界の2016年世界シェアはこのようになっています。
1位:ロレアルパリ(13,697)
2位:ジレット(7,189)
3位:ニベア(6,171)
4位:クリニーク(5,960)
5位:シャネル(5,802)
(評価単位:US$百万ドル)
日本が誇る資生堂は世界ランクでは5位以内にも入れず、後塵を拝しています。資生堂は世界だと7位に位置し、花王が9位にランクインしています。世界の化粧品業界の規模は2015年時点で26兆円になり、日本の市場は世界と比較すると非常に小さな市場です。
縮小していく日本の内需をある程度で見切り、世界市場に打って出ていく必要のある日本企業にとって、世界的ブランドの仲間入りをいかにしていくかが今後の日本の化粧品業界を占う大事な指標になってくると言われています。
現状3:平均年収上位3位
化粧品業界の平均年収のは以下の通りになります。
1位:花王(758万円)
2位:ポーラ・オルビス(747万円)
3位:マンダム(701万円)
化粧品業界は多くが女性労働者で、結婚などのイベントを期に退職する人も多く、長い期間この業界で働く人は少数になります。
日本企業は経験年数に応じた給与体系の会社がほとんどなので、早期退職をする女性が多い化粧品業界は、それほど年収が高いとは思えない業界ですが、実情は比較的高い年収がもらえる業界になっています。
業界の動向
動向1:市場動向
化粧品業界における注目すべき動向は、従来全く化粧品とは関係のなかった異業種からの参入になります。異業種からの参入に関する一番の大きなニュースは、平成20年の富士フィルムの新規参入です。アスタリフトというブランドを引っさげて大々的に業界に殴り込みをかけてきました。
富士フィルムはご存知の通り、元々写真のフィルムメーカーですが、その写真をキレイに保つ抗酸化技術が、人間が肌を生成するメカニズムと似ていることが判明し、化粧品の商品開発をはじめました。
また、フィルムの材料に含まれるコラーゲンを化粧品に使用して、化粧品作りを始めまて、アスタリフトは40代の女性を中心にその地位を獲得しました。業界参入から約10年経った今では、取扱店舗が5000店以上にもなる躍進を遂げています。
富士フィルムのセンセーショナルな化粧品業界への参入を皮切りに、味の素、サントリー、第一三共、江崎グリコなどの異業種から参入が相次ぎました。このような異業種からの参入によって、化粧品業界は他業種からの参入が相次ぐ、苛烈な競争が繰り広げられる業界になりました。
動向2:業界の課題
化粧品業界は上述した通り、他業界からの参入が相次ぎ、既存の化粧品専業メーカーの利益を圧縮させています。