Search

検索したいワードを入力してください

【業界研究】アパレル業界の現状・動向・課題について

アパレル業界というのは世間一般的なイメージでは衣服を指すことが多いですが、この業界は衣料の製造、流通、販売にいたるまで、その一連のどこかに携わる産業をアパレル産業と呼んでいます。アパレルはそもそも、Apparelという衣料を意味する英語からきています。

アパレル業界の平均年収はこのようになっています。

1位  オンワードホールディングス(998万円)
2位  リーバイ・ストラウス ジャパン(817万円)
3位  トライアイズ(791万円)

業界のシェア率が高い3社がここでは出てこないのが、アパレル業界の面白いところです。アパレル業界は全体の平均年収は507万円と低いですが、の高い企業は他の業界と遜色がないくらいの高い年収をもらえます。

3位のトライアイズは、百貨店などに店舗を展開している東京ブラウスという高級路線のブランを展開しています。2位はリーバイスブランドでデニムの販売を世界的に展開している会社です。1位のオンワードは23区、自由区、ポール・スミス、カルバン・クラインなどのブランドを展開する会社で、アパレル業界では飛び抜けて高い給料をもらえる会社になっています。

ちなみに、アパレル業界で圧倒的なシェア率を誇るファーストリテイリングの平均年収は、5位にランクインし709万円になっています。

業界の動向

市場動向

昨今、可処分所得の減少や価値観の変化によって、「おしゃれ」の概念が大きく変化しています。それは、ファストファッションという概念が台頭し、安価でありながらもその時代の流行を反映させた商品を提供するというものです。

ファッションの流行りは移ろいが早く、今年買ったものが来年には古臭いスタイルになるほど、目まぐるしく変化していきます。最近は、若者に限らず、ファッション好きな人のゾーンが広がり、様々な人がオシャレを楽しんでいます。

しかし、長引く不景気や不況の影響で、日本人がどんどん貧しくなってきている中で、オシャレにお金を掛けられる金額が減ってきています。そこで、コンセプトとして受け入れられたのがファストファッションになります。

安く、流行りのものを、欲しいタイミングで買える。そんな消費者の要望に上手く応える体制を構築したファーストリテイリングは、一気に全国、海外に店舗を展開し、さらに業界の巨人として君臨するようになりました。

幅広い層の人達がファッションを楽しんでいると言っても、やはり流行を作り出すのは若い層です。しかし、若い層の人達はたくさんのお金をファッションに使うことができないため、ブランド物を買えるような資金はありません。また、若い層の人達は、他人からどう見えるか、という客観的な見え方をファションにおいては重要視します。

そのため、安いけどダサく見えない服を求めています。ファーストリテイリングやしまむらは、このようなファッションの流行を作り出す若い層のニーズを敏感に嗅ぎ取り、その要望に合わせて服作りをすることでうまく若い層を味方に付けて急拡大しました。

これまでの衣料メーカーは、企画・生産した商品を、デパートや小売店に卸して、そこで売ってもらうことが一般的な流通形態でした。製造自体も、メーカーは他社に委託して、自社で服を作るということはしていませんでした。

しかし、ファーストリテイリングは企画・生産、販売という全ての一連の流通を全て自社で行うという、日本のアパレル業界では考えられない常識破りなやり方をして成功しました。このファーストリテイリングの生産から販売までを一気通貫に行う方式は、業界で流通革命を起こしたと言われて、大注目を浴びています。

基本的に洋服を作ってる会社は生地、ボタン、ファスナーとかは問屋を通して買っています。このようにパーツごとに問屋を何社か通過していくうちに、最終的な服の値段がどんどん上がって行ってしまうのです。ユニクロは問屋を通さず、生地の買い付けも自社で行い、それを契約した工場で製品にしてもらっています。

このようにして、大量の注文をすることで、最終的な服の値段を安くすることを実現しています。従来のアパレル業界では当たり前とされていた商習慣である、問屋を通さないという商売の仕方が革命だったのです。

このようなファーストリテイリングの業界を一変させる流通方式が市場に衝撃を与え、それに追いつけ追い越せということで各社が改善をしているのが業界の現状になっています。

業界の課題

アパレル業界で大きな課題とされているのが、慢性的な人員不足です。服が好きだから、オシャレが好きだから、という理由だけでアパレル業界に足を踏み入れる人が散見されます。好きなことを仕事にする、という観点では間違ってはいないのですが、安い給料、肉体労働的な側面に嫌気が差してしまい、職を離れる人が一定数います。

次のページ:業界研究本

Latests