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【業界研究】鉄鋼業界の現状・動向・課題について

鉄鋼業界の業績は、世間の消費行動と密接に関係があるため、景気の動向に左右される業界と言っても過言ではありません。

鉄鋼業界の現状

鉄鋼業界の業績は、世間の消費行動と密接に関係があるため、景気の動向に左右される業界と言っても過言ではありません。

しかし、サブプライム・ローン問題を発端とするリーマンショックなどの世界的な金融危機の影響によって、世界的に景気が低迷しました。その影響を間接的に受けた鉄鋼業界は、世界金融危機が始まった2007年以降は需要が急速に衰え、鉄自体の単価を下げざるを得ない状況にまで陥り、一気に業界を収縮させていきました。

ところが、世界的な景気の動向に影響を与えた金融危機も、今では約10年前の出来事となり、数年前からは消費者の購買意欲が戻ってきたことに連動して、業界の業績も上向いてきました。

大手不動産デベロッパーの新規プロジェクトは活況を呈していますし、自動車の販売台数も世界金融危機で世の中の景気の見通しが経たない時期と比較すると、信じられないほど回復しています。

今の就活生には聞き慣れない言葉かもしれませんが、かつて【鉄は国家なり】と言われていた時代があります。この言葉は19世紀にドイツを統一して、ドイツをヨーロッパの中における強国にのし上げた宰相ビスマルクの演説から由来されているもので、鉄鋼の生産量というものは、その国の力を表す指標となる重要な数字になっています。そのため、鉄鋼業界を志望する場合は、この【鉄は国家なり】という言葉や背景は覚えておきましょう。

日本は資源が無いために、原料や素材を各国から集めて、それを元にものづくりをすることで栄えた国です。そのものづくりの基盤となるものが鉄なのです。
鉄は日本の戦後の経済発展を支え、更に世界的にも日本のものづくりの凄さをアピールした立役者でもあったのです。

現状1:基本情報

鉄鋼業界の市場規模は16兆1,282億円になり、昔ながらの業界ということや、ものづくりの基盤になる素材を提供しているため、比較的規模は大きめな業界と言えます。この業界で働いている労働者数は70,331人で、多くは高炉と呼ばれる鉄を作るための工場で働いています。

この工場は一つの街や島なのかと勘違いするほど大きく、敷地内には信号があるほど大規模なものになります。メーカーの工場というのはどこも大きいイメージがあると思いますが、鉄鋼業界の工場というのは群を抜いて大きなものになります。

鉄鋼業界で働く人の平均年齢は38.6歳で、15.5年が平均勤続年数になります。
平均年収は563万円という上場企業の中ではけっして多くない方ですが、サラリーマンの平均年収は400万円程度なので、それから考えるとかなり多くもらえる業界と言えます。

鉄鋼業界における仕事は、鉄を作り、それを国内外に販売する、というシンプルな仕事になります。鉄鋼業界はメーカーになるので、製鋼部と呼ばれる鉄を作る製造現場が花形の職種になります。

引用元:業界動向SEARCH.COM

現状2:業界シェア上位3位

1位:新日鐵住金(売上高:5兆5,161億円  シェア率:34.2%)
2位:JFEホールディングス(売上高:3兆6,668億円  シェア率:22.7%)
3位:神戸製鋼所(売上高:1兆8,246億円  シェア率:11.3%)
4位:日立金属(売上高:8,079億円 シェア率:5.0%)
5位:日新製鋼(売上高:5,764億円 シェア率:3.6%)

この業界の中で圧倒的な売上とシェアを確立しているのが、新日鐵住金になります。この会社は約5年前に国内首位だった新日本製鐵が、国内3位の住友金属工業を吸収合併して誕生した会社になります。2位のJFEホールディングスも2003年にNKKと川崎製鉄が合併してできたい会社で、再編が進められている業界と言えます。

日本だけではなく、世界的に再編は行われていて、世界首位のアルセロール・ミタルも約10年前に当時の世界首位のミタル・スチールがアルセロールを吸収合併することで誕生した会社になります。

引用元:業界動向SEARCH.COM

現状3:平均年収上位3位

1位:JFEスチール(966万円)
2位:日立金属(766万円)
3位:東洋鋼鈑(722万円)
4位:大同特殊鋼(719万円)
5位:パウダーテック(707万円)

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