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【業界研究】医療機器業界の現状・動向・課題について

医療機器業界は、数多くある業界の中でも、好況・不況の波を受けにくい業界として知られています。その象徴と言えるのがリーマンショック。世界的な金融危機は、日本を構成する数多くの業界に激震をもたらしました。急激に減る売上に頭を悩ませ、リストラに走る企業が増える中、不況の波を最小限に食い止め、大規模なリストラもなし。堅調な売上推移を見せています。

医療機器業界の現状

医療機器業界は、数多くある業界の中でも、好況・不況の波を受けにくい業界として知られています。その象徴と言えるのがリーマンショック。世界的な金融危機は、日本を構成する数多くの業界に激震をもたらしました。急激に減る売上に頭を悩ませ、リストラに走る企業が増える中、不況の波を最小限に食い止め、大規模なリストラもなし。堅調な売上推移を見せています。

その背景にあるのは、皆さんもご存知だと思いますが、高齢化社会の進展です。日本はこれからも高齢化社会が進むことが明白で、医療機器が活躍するシーンがさらに増えてくるでしょう。国内で完結できる業界と言えるかもしれませんが、実は、輸出に力を入れている企業が多く、海外売上を事業の柱にしてきた企業も少なくありません。

しかし、原材料価格の乱高下、為替リスク、新興国における病院建設の延期、アメリカを中心とした民間病院や代理店の資金不足に伴う在庫調整など、様々な理由で海外売上の創出に苦戦している企業も少なくありません。

しかし、医療業界は可能性がある業界であることは間違いありません。海外に目を向けても、先進国を中心に高齢化が進行しており、予防医療が重視されるように。

そんな動向を受け、診療関連機器の需要が拡大しています。業績の拡大を目指し続ける企業は、これからも拡大する可能性を秘めています。医療機器業界だけでなく、業界を形成する各社の戦略という視点で業界研究をすることをします。

現状1:基本情報

今、医療機器業界の大きなトレンドとしてあげられるのが、異業界から参入する企業が年々増加していることです。たとえば旭化成。創業以来、医療機器業界とは縁遠いところで事業を展開してきましたが、近年、アメリカの大手医療機器メーカーであるゾール・メディカル社を買収しました。

その額は約1840億円。旭化成にとっても過去最大の買収案件として知られています。企業としてのリスクを背負った上で参入を決めるのは、医療機器業界が将来性あふれるフィールドであることの象徴です。

旭化成だけではありません。ソニーもオリンパスに500億円を出資して、ソニー・オリンパスメディカルソリューションズを発足しました。ソニーの映像技術、オリンパスの内視鏡技術を融合して、現在の医療機器業界にはない製品の開発に挑戦。動向に大きな注目が集まっています。

そんな医療業界のデータをまとめたのが下記。業界規模は上位23社の売上高合計で示しています。


  • 業界規模:2兆2,093億円

  • 労働者数:31,181人

  • 平均年齢:40.1歳

  • 平均勤続年数:13.6年

  • 平均年収:640万円

現状2:業界シェア上位3位

売上高は4922億円。カメラをはじめとした事業で培った技術を凝縮した電子内視鏡システムが代表的な製品です。製品の提供に限らず、医師や医療従事者に向けた内視鏡・手術医療機器のサポートも実施。納品後も使い方などのサポートをしてくれることが、医療に携わる人々から高い支持を獲得しています。

売上高は4673億円。体温計や血圧計などのメーカーとして知られる、医療機器業界内でも大規模の部類に入る企業です。ひとことに体温計といっても、一般用体温計、女性体温計と多種多様な製品を開発。また近年は、歩行強度計、体組成計、血糖測定システム、尿検査薬、圧迫ストッキング、口腔ケアシリーズなど、多岐にわたる分野にも多くの製品を輩出。多くの分野で「テルモ」の名前が着実に広がっています。

売上高は3007億円。透析、補助人工心臓、人工心肺、循環器、検査・診断薬、注射、輸液など、幅広い医療機器を開発・製造している会社です。小さな注射針から高機能な大型医療機器まで、多岐にわたるラインナップは、多くの病院・医院から高い支持を獲得しています。

特に透析治療や外科手術で用いる機器は国内外で高い評価を獲得しています。グローバル企業としても知られており、新市場の開拓、という観点でも実績を残しています。

現状3:平均年収上位3位

平均年収は856万円。心電計、心配機能検査機器、呼吸検査機器、脳波計、筋電図・誘発電位検査装置、聴覚検査装置、眼科検査装置など、分野を問わず多岐にわたる検査を網羅する機器を開発・製造しています。医療機器の開発・製造にとどまらず、機器を納品した後のサポートも充実しており「日本光電工業の機器を使いたい」という医療従事者も増えています。

平均年収は826万円。電子内視鏡の開発・製造の面で大きな飛躍を遂げており、着実な業績アップを実現しています。売上を可能な限り従業員に還元する社風もあり、医療機器業界の水準より高い年収を実現しています。

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