「前略」と「草々」の位置・例文・ビジネスでの使い方|かしこ
更新日:2024年09月18日
横書きの場合
会社の同僚や、プライベートでのつき合いはないけれども、割と対等に話のできる取引先の方などには、内容によっては横書きでも構いません。
位置は、縦書きの場合に準じます。「前略」は一行目の一番左(一文字目は空けない)、「草々」は最後の文章の最後の行の一番右(文章が一番右端まである場合は、次の行の一番右)に書きます。
メールでも「前略」「草々」は書くべきか
現代のビジネスシーンでは、用件のみを素早く伝える時に使うのは手紙ではなくメールです。
メールでも「前略」「草々」は書くべきなのでしょうか。
これには、決まったルールがありません。「前略」「草々」を書かなければならないというわけではありませんし、書いてはいけないというルールもありません。
メールでよく使われる冒頭と結び
今までビジネスシーンで受け取ったメールを思い出してみて下さい。確かに、メールで「前略」「草々」と書いている人を見かけたことはあまりありません。ほとんどの場合が、冒頭は「お疲れ様です」「いつもありがとうございます」などです。結びは「よろしくお願いします」が多いでしょう。
用件を迅速に伝えるなら文字数は少ない方がいい
しかし文字数を見てみると、「お疲れ様です」よりも「前略」の方が、「よろしくお願いします」よりも「草々」の方が圧倒的に少ないです。
メールを使うのは、用件を迅速に伝えるシーン、つまり手紙でいうなら「前略」「草々」を使うシーンです。早く伝えたいから、書く文字数は少ない方が効率的、と考えれば、むしろメールこそ「前略」「草々」を使う方がよい、ということになります。
基本的に、メールに頭語と結語は必要なし
とはいっても、メールに「前略」「草々」と書いている人がほとんどいないのは確かですから、基本的には手紙と同じ頭語と結語は必要ないでしょう。
もちろん、書く人がいない分、目立つことはできます。顔と名前を覚えてもらえる可能性も大きくなるでしょう。そこを重視するなら、メールでも「前略」「草々」を使ってみるのも手です。しかし、少し堅苦しくなる感じも否めませんので、それが嫌だな、と感じるのであれば、使わなくてもいいでしょう。
迷った時の例文集
「前略」「草々」は具体的にどんな内容の手紙やメールで使えばいいのか、例文を交えて見ていきましょう、
突然「前略」「草々」を使う手紙を送ることはない
「前略」「草々」を使う手紙やメールを書くのはどんな場面が多いのか、それは「以前、話した事柄について、後日確認をする場合」です。
つまり自分と相手との間には、手紙やメールを書く前から、何かしら共通の話題があります。突然、「前略」「草々」を使うような手紙やメールから話題が始まる、ということはありません。
例1:1週間前に渡した懇親会の出欠票が未提出
たとえば、1週間前に同じ部署の先輩に「懇親会のお知らせ」のプリントを渡したとします。出欠票の締切日は明日なのですが、まだその先輩からの出欠票が提出されていません。
ところが先輩は急な出張で、今、出社してきていません。帰ってくるのは明後日です。今日、明日中には返事を聞きたいのに、明後日まで会うことができない、そんな時、もしメールで「前略」「草々」を使うのであれば、このような文章になります。
『前略 先週、お配りした懇親会の出欠票がまだ提出されていないのですが、どういたしましょうか。締め切りが明日なのですが、先輩とは明後日までお会いできないので、出張中でお忙しいのは百も承知でメールさせていただきました。
今日、明日中に出席か欠席かだけでも返信していただけるとありがたいです。 草々』
これなら、緊急の用事であることを伝えるだけでなく、お忙しいところ申し訳ない、という気持ちも伝わります。
例2:取引先に書類を郵送する時に一筆書く
取引先の担当者に、現在遂行しているプロジェクトについての書類を郵送する、と電話で伝えました。一筆箋(短い文章を書くための小さな便箋)に次のように書いて書類と同封します。
『前略 先日お電話でお伝えしました書類をお送りいたします。
ご確認下さい。 草々』
取引先にとって大事なのは書類です。とはいえ、書類だけ封筒にポコッと入れるだけでは何となく無愛想です。この例のように、本当に短いもので構いませんので、一筆添えるといいでしょう。
このような時のために、会社のデスクの引き出しに一筆箋を常備しておくと便利です。無地のシンプルなものなら相手を選びませんし、時候の挨拶を省く分、一筆箋に季節の花のデザインのものを使う、というのもいいアイデアです。
初回公開日:2018年04月25日
記載されている内容は2018年04月25日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
また、記事に記載されている情報は自己責任でご活用いただき、本記事の内容に関する事項については、専門家等に相談するようにしてください。