「前略」と「草々」の位置・例文・ビジネスでの使い方|かしこ
更新日:2024年09月18日
「前略」「草々」以外の頭語と結語
頭語と結語には、「前略」「草々」以外にもさまざまなものがあります。
挨拶を略さないなら「拝啓」「敬具」
一般的なのは、「拝啓」「敬具」です。
「前略」「草々」の場合は挨拶を省略しますが、「拝啓」「敬具」では省略しません。まず「拝啓」のあとと「敬具」の前に、時候の挨拶が入ります。
時候の挨拶って何?
時候の挨拶というのは、たとえば「拝啓」のあとにくる「晩夏の候、皆様いかがお過ごしでしょうか。」や、「敬具」の前にくる「いよいよ桜の季節が近づいてまいりましたが、風邪をひかぬよう、お体をご自愛下さい。」というのがそれです。
時候の挨拶の言葉は、季節によってさまざまです。また、普段は使わないような少し堅い言葉を使うものから、かなりくだけた感じの言葉まで、たくさんのパターンがあります。相手によって、内容によって、季節によって、適切なものを選ぶ必要があります。
「謹啓」「謹白」はどんな時に使うのか
「拝啓」「敬具」以外で見かけることが多いのが「謹啓」「謹白」です。これは、「拝啓」「敬具」をさらに丁寧にした形といえます。
一般的には「拝啓」「敬具」で十分ですが、初めて手紙を書く相手や、自分よりも目上の相手など、特に気を遣った方がいい相手に対しては「謹啓」「謹白」を遣った方がより改まった感じになります。
もちろん、時候の挨拶や相手を気遣う言葉は省略しません。
女性なら気軽に使ってほしい「かしこ」
「敬具」「謹白」など、ちょっと堅めの漢字の結語が多い中で、「かしこ」というひらがなのみの結語は目を引きます。
「かしこ」は主に女性が使う結語で、「拝啓」「謹啓」など、どんな頭語に対しても使うことができます。「敬具」「敬白」と書くよりも柔らかく、女性らしい雰囲気が感じられます。
女性同士の軽いやり取りには、「前略」「草々」でも悪くはないのですが、「草々」の代わりに「かしこ」を使った方が、慌ただしい感じがなくなって、より女性らしくなります。
難しいルールが一切ないので、女性には気軽に使ってほしい結語です。
「前略」「草々」を使うことは決して失礼ではない
手紙の相手を敬う気持ちを短い言葉に乗せたもの、それが頭語と結語です。日本の美しい習慣の一つです。メールを使うことが多くなった昨今、使う機会はめっきり減りましたが、紙の手紙を書く時は、きちんと使えた方が「手紙の書き方をきちんと理解できている人」という印象を与えます。
「前略」「草々」は、挨拶の言葉を省略する手紙で使う組み合わせですが、挨拶を抜きにするからといって、使っては失礼だとは限りません。用件のみを迅速に伝えたい場合、特にビジネスシーンでは積極的に使ってよい組み合わせです。
メールで使う必要は必ずしもありませんが、使ってはいけないというルールもないのなら、試しに使ってみる、という新しい習慣を始めてみてはいかがでしょうか。
初回公開日:2018年04月25日
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