縦結びと横結び・蝶結びとの結び方の違い・する理由・なる原因
更新日:2024年09月06日
「結ぶ」とは
「結ぶ」という言葉には、色々な意味が含まれています。紐を繋ぎ合わせたり、関係を作ったり、開いている物を閉じたり、締めくくりを表したりとたくさんの意味を持ち合わせている言葉です。
また、「結ぶ」という言葉がたくさんの意味を持ち合わせているように、紐を結ぶ方法にもたくさんの種類があり、その意味も多様性に富んでいます。
紐を結ぶという行動は、靴の紐やごみの収集など日常生活でも頻繁に行っている作業でしょう。また、小学校に入る前後で蝶結びを練習するなど子供の発達の指標としても掲げられている動きです。
今回は、この紐を「結ぶ」という作業に着目し、縦結びや横結び、蝶結びの違いやその結び方にする理由、その結び方になってしまう原因について詳しく紹介いたします。
縦結びとは?
皆さまは「縦結び」という結び方をご存知でしょうか。一般的に良く使われている本結びや蝶結びと違い、あまり多用する事が無い縦結びは、本結びや蝶結びの失敗した結び方と解釈される方も多いのではないでしょうか。
縦結びは、本来の本結びの逆の結び方という事で、マナー違反や失敗作といったあまりイメージの良い結び方ではありません。今回は、あえて普段注目する事の少ない縦結びについて、その他の結び方と比較しながら解説いたします。
縦結びの結び方について
縦結びは、本結びや蝶結びをしようとして失敗した時にできてしまう結び方というイメージが強いので、あえて縦結びを結ぼうとして結んだ経験がある方は少ないと言えるでしょう。では、改めて縦結びを結ぼうとした場合、どのような結び方になるのでしょうか。
まず、分かり易く解説するために、二つの紐を用意しましょう。そして、右手に持っている紐が上になるようにして、斜めに紐を重ねて×の形を作ります。次に、×の形の右上の紐を下にくぐらせて絡ませます。
その状態で絡ませると、×の形の右上の紐が下から、左上の紐が上から出てきている状態になります。次に、右上の紐を上、左上の紐が下になるように×を作ってから結ぶと縦結びのでき上がりです。
縦結びはどんな時にするの?
私たちの通常の生活の中で失敗例としてしか馴染みが無いと言える縦結びですが、一体どのような場合に用いられるのでしょうか。
縦結びは、通常の結び方と違い、あまり強度がある結び方とは言えません。どちらかいうと、他の結び方に比べてほどけやすく、何かを強く結びつけたい際には適していません。
しかし、縦結びの失敗の結び方という点やほどけやすいという点を活かして用いられている場面もありますので、次にそれぞれ紹介いたします。
葬儀
葬儀などの人が亡くなった場面において、故人に着せる衣装を結ぶ際に用いられるのが縦結びです。これは、逆さ事と言って通常行っている結び方とは逆の事をして故人を送り出すという意味合いが込められています。
逆さ事とは、普段の私たちの生活とは正反対の「死」という世界との区別をつけるために行われている文化です。縦結び以外の逆さ事では、故人の着物を通常の右表ではなく、左表に着せたり、縁起の悪い方向で通常ではしない北枕にして故人を寝かせるなどがあります。
手術
通常の結び方と違って、固定されずに結んだ後に端を引いて締めつけることができるという縦結びの特性を活かし、手術で用いられる場合もあります。
手術では、縫合や止血など紐で結ぶ事で治療を行う結紮という方法があります。その際、結びなおす事ができる縦結びは、非常に利便性の高い結び方と言えるでしょう。
縦結びは縁起が悪いの?
縦結びは、失敗や縁起が悪いなどのイメージがありますが、正しく言うと縦結び自体が縁起が悪い結び方というわけではありません。逆さ事として、故人の衣装を結ぶ際に使われるというイメージが先行して、縦結びは縁起が悪いという感覚の方が多いと言えます。
これは、縦結びだけではなく、「逆さ箸」「左表」「北枕」などほとんどの逆さ事において、死の世界との区別をつけるための逆さ事で用いられるという観点から縁起が悪いというイメージが先行されていると言えます。
こういった縁起の悪いイメージを持つ方が多くいらっしゃる縦結びですので、通常の結び方を求められる場においては、縦結びにならないように注意する必要があります。
縦結びと本結びの結び方の違いとは?
初回公開日:2018年04月27日
記載されている内容は2018年04月27日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
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