「オーストリア」の漢字表記は3つもある!隣接国の表記も紹介
更新日:2024年05月09日
2つめのオーストリアの漢字表記は「墺太利」です。
「墺」は先ほど紹介した「澳」と似ていますが、さんずいではなく「つちへん」であることに気をつけましょう。
オーストリアは湖や河川だけでなく、美しい山に囲まれていることでも有名です。アルプス山脈を国土に持つオーストリアの豊かさを表すために「墺」という漢字が使われたのではないかと言われています。
さらにオーストリアは「オーストリー」と呼ばれることもあるため、同じく「イタリー」と呼ばれるイタリアの漢字表記(伊太利)に合わせて「太利」を採用したのではないかという説が有力です。
墺国
3つめのオーストリアの漢字表記は「墺国」です。
アメリカを「米国」、イギリスを「英国」と略称で表記することがあります。これはそれぞれ「亜米利加」「英吉利」という漢字表記を略して先頭一文字のみにし、「国」をつけて国名であることをわかりやすくしたものです。
オーストリアを二文字で表現する場合も同様のルールを使い、「墺太利」の先頭一文字に「国」をつけて「墺国」という略称が記載されるようになったのではないかと言われています。
他にも「氷国(アイスランド)」「泰国(タイ)」など、同じルールで漢字表記をする国が存在します。
オーストリアを漢字一文字で書くと
新聞やインターネットのニュースなどでアメリカを「米」、イギリスを「英」と表記されているのを見たことがあるでしょう。
日本では海外の国名を漢字で表記します。日本の新聞社や通信社ではどの報道でも同じ漢字を使って表記するようにルールを取り決めており、ほとんどの国名に対して漢字が割り当てられているのです。
オーストリアを漢字一文字の略称で表す際には「墺」が使われます。三文字表記の「墺太利」にも使われている漢字ですが、日常生活の中で見かける機会はほとんどありません。
「墺」の読み方と意味
漢字辞典で「墺」の使い方を調べると、「墺太利」「普墺戦争」といったオーストリアにまつわる言葉しか見つからず、日本では特殊な用途で使われる漢字であることがわかります。
JISの漢字水準では「JIS第二水準」に分類され、日本漢字能力検定では出題対象外となっている漢字の一つです。
「墺」は日常ではほとんどなじみのない漢字ですが、ここからはこの漢字の読み方やどのような意味を持つのかを見ていきましょう。
読み方
「墺」の読み方は音読みで「オウ」・「イク」、訓読みでは「きし」です。
オーストリアを表す「墺太利」では「オー」と語尾をのばして読みます。他にも「普墺戦争(ふおうせんそう)」「日墺修好(にちおうしゅうこう)」などオーストリアに関連した言葉での読み方は「おう」です。
オーストリアの別表記「澳地利」で使われる「澳」も同じく「オウ」・「イク」と読みます。しかし訓読みは異なり「くま」・「おき」・「ふか(い)」です。「隈澳(わいいく)」という言葉には「湾曲した水際」という意味があります。
意味
「墺」という漢字が持つ意味は「丘」・「人が住める場所」・「岸」・「水際」です。
美しい山々ときれいな水に恵まれたオーストリアでは、湖水地方やアルプスの近くに多くの人々が暮らしています。首都ウィーンを囲むウィーンの森やハンガリーとの国境近くにある草原地帯など、緑が多いことでも有名です。
「墺」はつちへんの漢字ですが、さんずいの「澳」と同じように、豊かな自然を表現する漢字だと言えるでしょう。
オーストリアの自然と人々の暮らしを表現するのには「墺」という漢字が持つ意味がふさわしく、国名を表す漢字として採用されたとも言われています。
オーストリアに隣接している国を漢字一文字で表すと
外国名の漢字表記は漢字文化を持つ国で使われますが、日本では幕末から明治の初めごろにはすでに国名の漢字表記が始まっていたと言われています。
オーストリアは漢字二文字または三文字で表し、漢字一文字での表記も定められていることを紹介しました。他のほとんどの国や地域にも同じように漢字表記が制定されています。
漢字表記は国名の読みに合わせた漢字をあてはめた「当て字」ですが、中にはその国の特徴に合った漢字が使われているのが興味深いところです。
ここからはオーストリアに隣接するヨーロッパの国々は漢字一文字でどのように表すのかを見ていきましょう。
ドイツ
初回公開日:2022年08月12日
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