卒論のコピペでの注意点や対処法|引用/参考文献/基準・チェック
更新日:2024年11月02日
卒論でコピペにならないための注意点と対処方
昨今、インターネットの発達によって簡単に情報を収集することが可能になりました。またMicrosoft Word などのワープロソフトの出現によって楽に文書を作成することができるようになりました。それに伴い、卒論を取り巻く環境もかなり変化したともいえます。
特にパソコンを使用した文書作成は、コピーと貼り付けが簡単に行うことができるため、卒論の「コピペ」が、蔓延する事態を招きました。もしも卒論がコピペと疑われた場合には、卒論が受理されず、卒業することができなくなる場合もあります。せっかくの大学生活を無駄にしないためにも、正しい方法を覚えてコピペと疑われない文章を作成できるようになりましょう。
そもそもどこまでがコピペ?
そもそも、何をしたらコピペと呼ばれるのでしょうか。コピペはそもそも以下のような意味です。
[名](スル)コンピューターで、文章・図形などのデータを指定して複写し、それを他の位置に転写(ペースト)すること。コピペ。→カット‐アンド‐ペースト
出典: https://kotobank.jp/word/%E3%82%B3%E3%83%94%E3%83%BC%26%E... |
主に、文章や画像のデータをそのまま取り出して他にそのまま貼り付けといった意味合いになります。卒論に置き換えると、「どこかから調べた文章」を「そのまま卒論に書き写す」といった意味になるでしょう。
しかしながら、卒論を執筆する上で、すべて自分の考察のみで書くことは困難であり、何かしらの先行研究なり書籍なりを参考にすることは必須です。
多くの原著論文でも同じく先行研究の知見をそのまま記載することはあります。しかしそれは「引用」という正しいプロセスを踏むことで許されています。引用にはルールがあり、ルールから外れた引用はコピペや盗作、剽窃として扱われるのです。
文章を少し並べ替えたり、少し表現を変更した程度はコピペの範疇に含まれるでしょう。最近では、インターネット上の文章と卒論の文章が類似しているかどうかを調べるソフトウェアも開発されており、ちょっとした小細工はすぐにバレてしまいます。
引用とは
引用は、コピペとして扱われない正しい手法です。引用は著作権法32条にも記載されており、認められています。
第三十二条 公表された著作物は、引用して利用することができる。この場合において、その引用は、公正な慣行に合致するものであり、かつ、報道、批評、研究その他の引用の目的上正当な範囲内で行なわれるものでなければならない。
出典: http://elaws.e-gov.go.jp/search/elawsSearch/elaws_search/... |
2 国若しくは地方公共団体の機関、独立行政法人又は地方独立行政法人が一般に周知させることを目的として作成し、その著作の名義の下に公表する広報資料、調査統計資料、報告書その他これらに類する著作物は、説明の材料として新聞紙、雑誌その他の刊行物に転載することができる。ただし、これを禁止する旨の表示がある場合は、この限りでない。
(教科用図書等への掲載)
上記の条文から抜粋すると、研究や報道などでは、引用することは認められていることは明確で当然、研究の範疇に卒論も含まれるでしょう。したがって、引用という形式で他者の意見を記述することが可能です。
引用には守らなければならないルールが何点か存在します。
①引用部分を勝手に改変しない
②引用部分と自分の意見の部分がはっきりと分ける
③引用部分が自分の意見より多くならない
④出典元を明確に記載する
⑤引用しなければならない理由がある
上記の5点が基本的な原則になります。
まず①についてですが、引用元の文章を一切改変しないことが大原則です。なぜなら改変するには著作者の許可が必要だからです。引用するのであればカギ括弧などで、引用部分がわかるように記載しておくことが、意図しない改変を予防するだけではなく、②の見やすさにも直結します。
③についてよくある事例として、文章量が足りないために、引用を多用する点です。こういった卒論は、自身の意見がほとんどなく、文章の大半がだれかの引用になる傾向があります。
卒論は自身の考えを述べることが大原則ですので、他者の意見ばかりの卒論は、コピペ以前に意味の体をなさないものになるでしょう。引用するのであれば、地の卒論のうち、10-20%程度に留めるのが良いです。この点に配慮することが可能ならばおのずと⑤についても問題なく対応できるでしょう。
④は、卒論の体裁にもよりますが、一般的な手法として、卒論の巻末に引用・参考文献リストを作成することが挙げられます。こちらについては後述でも述べますが、学校や論文によって必要となる情報が異なりますので、要綱を十分に確認する必要があるでしょう。
引用・参考文献の一般的な書き方
前述でも述べたように、引用・参考文献をリストとして書き上げることは引用としての体裁をなす上で必須項目といえるでしょう。こちらでは、卒論における引用・参考文献の一般的な記載方法について簡単にご紹介します。
書籍の場合:
著者名. 書籍タイトル. 出版地, 出版社名, 出版年, 該当ページ番号
原著論文の場合:
著者名(3名までは記載、それ以降は...他と記載). 論文タイトル. ジャーナル名. 巻号: 該当ページ, 出版年
webサイトの場合:
情報元(内閣府、文部科学省など), サイトタイトル, URL, アクセス日
引用として使える出典元の基準
出典元として使える資料の基準の一つとして、その資料の信頼性が挙げられます。信頼性のない資料を引用としてコピペした所で、信用のない卒論が完成するだけです。無駄な作業にもなるので、選定の段階から十分に検討しましょう。
一番信用できる資料は、論文や書籍などの出版物です。多くの出版物にはISBNコードが発行されており、出版物かどうかの判断に十分使用できるでしょう。また出版物の信頼姓を判断する上で、著者名をしっかりと確認する必要があります。著者のこれまでの経歴を踏まえて書籍や論文の内容を検討する癖をつけましょう。
webサイトについてですが、こちらは情報元がオフィシャルなものを選択しましょう。例えば統計データなどや白書などの報告書を引用したい場合には、内閣府や厚生労働省などの政府関係のHPから引用するのが良いです。
目次や要約の引用について
初回公開日:2017年11月03日
記載されている内容は2017年11月03日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
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