生存バイアスの意味と6つの例・認知バイアスの種類
更新日:2024年09月26日
生存バイアスに興味がある人のための本
「行動意思決定論―バイアスの罠」は、ハーバード大学教授マックス・H. ベイザーマンによる著書です。
最新の行動意思決定について書かれている本書は、気付かぬうちに生存バイアスにかかっている現代人に警鐘を鳴らす1冊です。生存バイアスに興味がある人におすすめです。
認知バイアスの種類
生存バイアスとよく並んで紹介される認知バイアスとは、日常的に起こる評価・判断の誤りである生存バイアスを総称した呼び名です。
認知バイアスとは認知心理学や社会心理学の理論であり、ある対象を評価する際に自分の利害や希望に沿った方向に考えが歪められたり、対象の目立ちやすい特徴に引きずられて他の特徴についての評価が歪められる現象のことを指します。
さまざまな要因で発生する認知の誤りの総称が認知バイアスです。
後知恵バイアス
後知恵バイアスとは、物事が起こったあとに本当は予測できたと思い込む認知バイアスの1種です。
後知恵バイアスとは、政治・ゲーム・医療の現場でよく発生する認知バイアスです。予言などは代表的な後知恵バイアスです。
例:最初から予想してたという人
後知恵バイアスの代表的な例が最初から予想してたという人の発言です。
「だから言ったじゃないか」とか「やっぱり自分が予想していたとおりになっただろう」などと、よく人は発言します。これは後知恵バイアスの典型的な例で、頭の中で予想していた結果の候補と現実が合ったときにこの現象が起きます。
後知恵バイアスは他人にアピールするためだけではなく、自分自身が認識して納得するためにも発生します。
正常性バイアス
正常性バイアスとは、自分にとって都合の悪いことを無視したり過小評価して考えないようにしようとする行動です。
人間はパニックに陥らないように鈍感な部分を持ち合わせています。それが高じて自分は大丈夫だ、これぐらいなら平気だと思い込むのが正常性バイアスです。
例:大震災で逃げ遅れた人
例として大震災で逃げ遅れた人は、自分だけは大丈夫だと思い込む正常性バイアスにかかっている人です。
災害に対してあらかじめ警報が出ていたにもかかわらず、逃げ遅れる人がいます。さまざまなケースがありますが、正常性バイアスにかかって悪い情報を無視してしまっていた人もいます。
確証バイアス
確証バイアスとは、仮説や信念を検証するときに確証する情報ばかりを収集して、反論のための資料やデータを集めない状況に陥っている状態を指します。
占いなどが典型的な例ですが、ある仮説に対して人は、自分に都合の良い点ばかり見ようとします。悪い結果やデータは無視するため、確証バイアスによりその仮説が正しいと思い込む傾向があります。
例:血液型占い
血液型占いと血液による性格の相違は関係ないという科学的なデータがあります。
血液型占いを信じる人は、絶対に当たっていると主張します。この場合、占いが当たっているか当たっていないかが問題ではなく、確証バイアスに陥っていることが問題です。
血液型占いにまったく自分に当てはまらない項目があるはずです。確証バイアスにより都合の悪い部分を無視して、血液型占いが100パーセント当たっていると思い込むのは危険です。
正確な情報に基づいて考えよう
初回公開日:2017年08月25日
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