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「かます」の意味と由来|4地域の方言での使い方・ぶちかます

更新日:2024年02月03日

北海道や東北地方で使われる「かます」という意味ですが、「かきまわす」を短縮したもので、特に年齢を重ねた世代がよく使っている「動詞」です。特に訛ったわけでもなく、単純に「混ぜる」という意味と一緒なのですが、北国では「かます」が方言として定着しています。

東北地方と同じ

前にも触れたように、北海道での「かます」の意味は、東北地方とまったく同じです。したがって、使うシチュエーションも東北地方と変わりません。

「しっかりかますことがポイント」などいうように、調理の際、材料を混ぜたりするときに用います。

北海道でも東北地方でも、「かます」は一般的な言葉です。ただ、実際に使うのは上の世代の人が多く、若い世代は「かきまわす」を使うことのほうが多いと言われています。

3.関西地方

関西地方では、テンポのいい関西弁に乗せて、日常的に「かます」が会話の中に登場します。上方お笑い芸人のトークでも頻繁に出てきますから、なんとく意味を知っている人は多いでしょう。

念のために言っておくと、関西地方での「かます」は、北海道や東北地方とまったく違う意味を持っています。

会話の中に「かます」が出てきたとき、東北地方での意味と受け取って聞いてしまうと、話が噛み合わなくなりますから、注意しましょう。

「くわせる」「やっつける」の意味での使い方

関西地方で使われる「かます」は、「くわせる」「やっつける」の意味を持っています。「くわせる」は、「飯を食わせる」といった意味ではもちろんなく、「だます」「ごまかす」「引っ掛ける」という意味です。

関西弁で「かます」を使うとすれば、「かましてやった」「かまされた」などの表現をしますが、前者なら「やっつけてやった」「引っ掛けてやった」、後者なら「だまされた」「いっぱいくわされた」と言った意味合いです。

例文「一発かましたれ」

関西弁で言う「一発かましたれ」は、いろいろなシーンで使われます。例えば、かなり本気で「あいつをやっつけてやれ」という場合にも使います。

軽いノリで「ぎゃふんと言わせてやろう」というようなときにも「かます」の表現が用いられます。

この「ぎゃふんと言わせる」も、関西人特有の「ツッコミ」でぎゃふんと言わせるのか、言葉で相手を打ち負かすのか、体力で勝負するのか、など、多くのシチュエーションが考えられます。

4.標準語での「かます」の使い方

方言として使われるだけでなく、「かます」は標準語でもよく使われます。

標準語では、基本的には「言う」「する」の意味を持ちますが、接頭語をつけて使うこともあり、この場合は意味が微妙に違ってきます。

ただ、どんな意味にしろ、フォーマルな場では使いません。無礼講のときは例外ですが、基本的には、目上の人との会話で使う言葉ではないと心得ておくのが正解です。

「かます」は非常にカジュアルなシーンで使う言葉です。

「言う」「する」という意味での使い方

標準語における「かます」には、「言う」「する」の意味があることは既述しました。ただ、例えば「お礼を言う」ときに「お礼をかます」、「お辞儀をする」ときに「お辞儀をかます」などとは言いません。

標準語の「かます」は、こちらから何かを仕掛ける、衝撃を与える、といったニュアンスを含んだうえでの「言う」「する」の意味を持っています。仕掛ける、衝撃を与えるというニュアンスは関西弁での「かます」も同様です。

例文「ハッタリをかます」

自分を大きく見せたり、相手を威圧するために、大げさなことを言ったり、強気な態度を取ったりすることを「ハッタリ」と言います。

「ハッタリを言う」の表現でも十分に通用しますが、「ハッタリをかます」のほうが「ハッタリ感」が増し、相手により衝撃を当てられそうなインパクトがあります。

「ハッタリをかます」は、非常によく使われる表現です。ただ、乱暴な印象は否めないため、フォーマルなシーンでの使用は避けましょう。

例文「ボケをかます」

「ボケをかます」は、そのままの意味は「とぼけたことを言う」「ボケた行動をする」になります。ただ、ニュアンスとしては、もっと強い印象で、関西弁にも通じたものがあります。

「ボケをかましてやった」となれば、「ボケた行動で相手をぎゃふんと言わせた」と言う意味合いが強くなりますし、「ボケかましてるんじゃねぇよ」となれば、「とぼけた言動をとるな」というように相手への牽制、抗議の意味も含まれてきます。

接頭語をつける使い方

北海道・東北弁や関西弁ではないことですが、標準語での「かます」は、接頭語をつけて用いられることがあります。「ぶち」という接頭語をつけた「ぶちかます」の表現がそれです。

日本語に限ったことではありませんが、言葉には「接頭語」というものがあります。

接頭語とは、それ自体単独で用いられることはなく、別の言葉の頭につけることで、その言葉と一緒になってひとつの意味を持ったり、語調を整えたりする言葉のことです。

例文「ぶちかます」

「ぶちかます」は、「相手に強い衝撃を与えること」です。関西弁で言うところの「一発かましたれ」に限りなく近い意味で、用いるシーンもほぼ同じと考えていいでしょう。

「ぶちかます」よりもっとくだけた言い方で「ぶっかます」と表現することもあります。

ちなみに、土俵の上でふたりの力士が体を激しくぶつけ合うことを、相撲用語で「ぶちかまし」と言います。一般的には「体当たり」と言う言葉に置き換えられます。

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初回公開日:2017年12月29日

記載されている内容は2017年12月29日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
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