「メルヘン」の意味と語源|「ファンタジー」などとの違いやも関連する言葉も解説
更新日:2024年08月18日
「メルヘンって一体どういう意味?」
「メルヘンという言葉の語源って?」
「メルヘンとファンタジーの違いは?」
このように、「メルヘン」という言葉について、さまざまな疑問が浮かぶ方は多いのではないでしょうか。
「メルヘン」という言葉を目にしたり、耳にしたりすることはあっても、具体的にどんなことを表現しているのかよくわからない、ということもあるでしょう。
本記事では、「メルヘン」の意味や使い方、「メルヘン」を含む言葉などについて、詳しく紹介していきます。
この記事を読むことで、「メルヘン」の意味がわかり、「メルヘン」や「メルヘンチック」の使い方などの知識も正しく身につくでしょう。興味がある方は、ぜひ参考にしてみてください。
「メルヘン」とは
現実世界に空想が入り混じった短い物語が「メルヘン」の意味です。「メルヘン」と聞いて、漠然と西洋のおとぎ話のようなもの、かわいらしいものをイメージする人は多いはずです。しかし「メルヘン」と言う言葉は耳にしても、「メルヘン」の本当の意味は、意外と知られていません。
「メルヘン」の本当の意味は、言い伝えによって各地に広まっていった話が主になっています。
「メルヘン」の語源はドイツ語
「メルヘン」の語源はドイツ語の「Märchen(メルヒェン)」です。「Märchen(メルヒェン)」は、中世に登場した詩のように短い文章の物語である「Mär(メーレ)」と、小さい、かわいらしいを表す「chen(ヒェン)」が結びついてできた言葉と言われています。
メルヘンの代表格「グリム童話」
民話から生まれたものは、グリム兄弟が収集したグリム童話が有名で、「シンデレラ」や「ヘンゼルとグレーテル」などの話があります。
グリム兄弟が収集した民話「グリム童話」は「メルヘン」の代表格といえますが、グリム童話は、時代が下るにつれて民話の残酷なシーンやストーリーがカットされていきました。そのため「メルヘン」というと、子供向けのかわいらしい不思議なお話という意味でとらえられることが多くなっています。
グリム童話以外にも各地にメルヘンがある
グリム童話以外の各地のメルヘンでは、フランスのシャルル・ペローの『ペロー童話集』、ドイツのルートヴィヒ・ベヒシュタインの『ドイツ・メルヘン集』、作者不明ですがインドで古くから伝わるサンスクリット説話集『パンチャタントラ』などがあります。
『ペロー童話集』では、「眠れる森の美女」「長靴をはいた猫」「赤ずきんちゃん」などの作品があります。これらの作品は、読んだことがある方も多いのではないでしょうか。
『パンチャタントラ』は、ヒンドゥー教の教えをもとに、賢い生き方をする3人の王子が描かれている物語です。「くらげ骨なし」や「雁と亀」など、漢訳の仏典を通じて日本に伝来した話もあります。
元々は子供向けとは限らない
「メルヘン」は空想的な要素を持っている物語ですが、大人も楽しめるものとしても親しまれています。
「メルヘン」は元々口承文学だったため、旅人から旅人へ、大人同士の会話で語り継がれたものでもあります。そのため、子供っぽい内容が「メルヘン」を指すとは限りません。
クンストメルヘンとフォルクスメルヘン
「メルヘン」には、創作童話「クンストメルヘン」と、民衆童話「フォルクスメルヘン」があります。創作童話は、詩人や作家など作者の意図によって創作された物語、民衆童話は、古くから自然発生的に伝わってきた物語です。
そのため、『ペロー童話集』は創作童話「クンストメルヘン」、『パンチャタントラ』は民衆童話「フォルクスメルヘン」になるでしょう。
「メルヘン」と似た言葉と意味の違い
次は、「メルヘン」と似た言葉と意味の違いについて紹介します。言葉では、似たような印象があるものの、実は意味が異なることがあります。使い方を間違えると、伝えたい内容がストレートに伝わらない可能性があるため、違いを正しく把握しておきましょう。
「ファンタジー」
「ファンタジー」は、空想の世界、架空の世界、幻想的な主題を扱った、主に小説などの作品です。この点は「メルヘン」と重なる部分もあるでしょう。
ただ、「メルヘン」はおとぎ話や童話、昔話のことであり、物語の舞台も現実とはかけ離れています。一方、「ファンタジー」は、現実世界と異世界とで行き来するような展開の作品もあり、物語の設定などもリアリティを持っていることが多いでしょう。
「ファンシー」
初回公開日:2017年12月22日
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