「インフェルノ」の意味と使い方・語源・「ヘル」との違い
更新日:2024年07月21日
違いをまとめると!
「地獄のような(しんどい)状況」や「単に暗闇を想像する地獄」の場合は「ヘル」の語を使い、「地獄のような(残酷な)状況」や「地獄のような大きな火」あるいは「業火そのもの・業火のある地獄」を表す場合は「インフェルノ」の語を使うということです。
対義語になる言葉は?
「インフェルノ」の意味は、「地獄・地獄のような・(地獄にある)大火」でした。「地獄」の意味で考えると、対義語がどの言葉になるのかをイメージしやすくなるでしょう。
ヘブン
「インフェルノ」の対義語として、第一に挙げられる言葉は「ヘブン(Heaven)」です。意味は「天国」であり、単に「天」を表す時にも使用されます。人間が死した後の世界の1つとして考えられており、地獄とは正反対(安らぎがある)と想像されている場所です。
パラダイス
「パラダイス(Paradise)」にも「天国」という意味があるため、「インフェルノ」の対義語になります。ただ、「パラダイス」には「楽園」や「エデンの園」といった意味もあり、「生きている中での最高に楽しいと思う娯楽の場・快楽的な場」を表す時にも使用される言葉です。
死後の世界としては「ヘブン」の語が向きますが、生きている中での「天国(楽園)のような」の意味では「パラダイス」が使われます。「エデンの園」は聖書における想像上の楽園のことで、食用果実・知恵の樹・生命の樹があり、天国に最も近い場所を表しています。アダムとイヴが、エデンの園で禁断の果実を食べたことにより追放された話は有名です。
映画「インフェルノ」に込められた意味とは?
「インフェルノ」を含むタイトルを持つ映画で調べてみるといろいろありますが、ほとんどがホラー作品です。日本でよく知られている映画としての「インフェルノ」は、2016年に公開されたミステリアスリラージャンルの「インフェルノ」でしょう。
映画ジャンルがミステリアスリラーの「インフェルノ」と、1980年に公開されたホラージャンルの「インフェルノ」で、映画タイトルが「インフェルノ」になった理由や、込められている意味をご紹介していきます。
「インフェルノ」(Inferno)2016年の映画
「インフェルノ」をタイトルとした有名な映画とされるのは、ロン・ハワード氏が監督を務め、デヴィッド・コープが脚本を書いた、2016年アメリカ合衆国の映画「インフェルノ」です。
原作はダン・ブラウン氏による2013年の小説で、その小説名は映画タイトルと同名です。映画ジャンルは、ミステリアスリラーになります。「ダ・ヴィンチ・コード」および「天使と悪魔」の続編であり、2Dおよび3Dで公開されました。
映画タイトル「インフェルノ」は何を表している?
この映画においては、ストーリーが「インフェルノ」=「地獄」であるというよりは、「インフェルノ」の名を持つ物が登場します。それは、「インフェルノ」の名を持つ「ウィルス」です。
人口爆発(人口が止まることを知らず増加し続けること)を指摘した遺伝学者が開発したウィルスで、これにより大量殺戮を計画していることが明らかになります。
主人公となる大学教授は記憶を失っているのですが、世界が灼熱地獄化する幻影に悩まされていました。殺し屋に襲撃された後に謎解きが開始されますが、その中で「ダンテの神曲(本)における地獄篇(インフェルノ)」をモチーフとした図を発見します。
担当医・WHO・政府機関など、いろんな人と協力したり、襲撃されたりしながら、ウィルスを探し、拡散しないようにするためのお話です。最終的には拡散せずに終わりますが、それまでには遺伝学者を中心とした、善に反した内容も見えてきます。
この映画に登場する「インフェルノ」とは!
はじめに、主人公が悩まされた幻影「世界が灼熱地獄化する」が「インフェルノ(=地獄の大火)」と結び付きます。続いて、大量殺戮用に開発されたウィルス「インフェルノ」の存在が明らかになりました。この映画ではウィルスとしての「インフェルノ」が、最もタイトルとつながり深いと言えます。
そして、手掛かりの1つになる図のモチーフとなったダンテ「神曲」の「地獄篇(インフェルノ)」もあります。現代において「インフェルノ」の語は、「神曲」の「地獄篇」の原題として広く知られています。そのため、ストーリー中で最もタイトルと結び付くのは「ウィルス」名と言えますが、映画ストーリーおよびタイトルの起源は「神曲」にあると考えられます。
「インフェルノ」(Inferno)1980年の映画
初回公開日:2018年01月11日
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