「知見」の意味と使い方・例文5コ・類語・「知識」との違い
更新日:2024年10月31日
例文4「現在の知見から」
「現在の知見から」とは、これまでに実際に見たり聞いたりして得た知識を使って、何かを判断したり、物事を行う場合に用います。
〈例文〉
・この企画で最大の利益を確保するために、現在の知見から最善の策を提案してください。
・現在の知見から判断すると、このプロジェクトにはさらに多くの投資が必要となるでしょう。
例文5「~に知見がある」
「知見がある」とは、既にその分野において経験があり、その経験に基づいた知識を有しているという意味です。
〈例文〉
・海外拠点の立ち上げに知見がある方だからこそ、この計画の成功にはあなたの協力が絶対必要です。
・現在の社長は元々技術畑なので、新技術の導入による生産性の向上に知見がある。
「知識」との違い
「知見」と「知識」の決定的な違いは、「実際に見たり聞いたりしたかどうか」です。
「知識」が、「認識し理解すること」を表すのに対し、「知見」とは、「実際に見たり聞いたりして知ること」の事です。
つまり、知るための色々な方法の中で、実際に自分が見たり聞いたりして得たものを「知見」と呼び、人から教えられたり、本やインターネットで調べたりして得た情報は「知識」であって「知見」ではないという事です。
「経験」との違い
「知見」と「経験」の違いは、「知るという行為に限定されるかどうか」です。
「経験」とは実際に見聞したり、行ったりすることです。また、そうして得た知識などの事を表します。「経験」は「知る」こと以外にも使われるため、「知見」よりも使用範囲が広いと言えます。
対して「知見」とは、経験によって「知る」こと、または知った内容の事ですので、「知る」という行為に限定される事となり、「経験」より使用範囲が狭まります。
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「知見」の類語/言い換え表現
「知見」と言い換える事ができる類義語は、以下のようにいくつか挙げることができます。
「見識」「理解」「把握」
それぞれによく似た意味を持っていますが、意味・用法の微妙な違いを明らかにし、実際ビジネスシーンなどで正しく使い分ける事ができるようにしましょう。また、「知見」と言い換える場合の用法や注意点についても確認しておきましょう。
「見識」
「見識」とは、物事を深く見通し本質をとらえる優れた判断力、物事に対する確かな考えや意見の事です。また「見識」には、「気位・見栄」といった意味もありますが、この用法では「知見」の類義語にはなりません。
「知見」と言い換える場合には、「物事に対する考え方や意見」の用法となります。
〈例文〉
知見のある人物でも、動揺して判断を狂わせる事があります。
見識のある人物でも、動揺して判断を狂わせる事があります。
「理解」
「理解」とは、物事の意味や内容を正しく把握することです。また、他人の気持ちや立場を察するという意味でも使われます。「知見」と比べてかなり広い範囲で使われますが、言い換える場合には「知ること・知識」という意味で用います。
〈例文〉
このプロジェクトに携わることで、業界についてさらに知見を深める事ができました。
このプロジェクトに携わることで、業界についてさらに理解を深める事ができました。
「把握」
「把握」は、「状況を把握する」のように、しっかりと理解するという意味で使われます。また、「政権を把握する」のように、しっかりと掴むこと、手中に収めることの意味で使われる事もあります。
「知見」と言い換える時には、「しっかり理解する事」の意味で用います。前後に説明語句を付け加える事でより意味が伝わり易くなります。
〈例文〉
問題解決にはその知見が必要です。
問題解決にはその理論の体系的な把握が必要です。
初回公開日:2018年01月23日
記載されている内容は2018年01月23日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
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