「累計」の意味と使い方|例文6つ・「累積」「合計」との違い
更新日:2024年07月22日
「累計」とは
テレビ番組を見ていると、「海外旅行客が累計〇万人に達しました」とか、「xxさんのアルバム売上が累計〇万枚を突破しました」というニュースを耳にすることがあります。
「累計」という言葉はよく聞く言葉ですが、「合計」と区別できずあいまいなまま流している人も多いのではないでしょうか。
ここでは、「累計」の意味をご紹介します。意味をしっかり理解することで、類似の言葉と区別することができるようになります。
「累計」の意味
「累計」の「累」は、「累積」という言葉にも使われているように積み重ねていく「重ねる」という意味をもつ漢字です。単なる1回限りの「合計」ではなく、「合計」の累積値が「累計」です。
例えば、家計簿には毎日記録を付けますが、1日の支出額をまとめたものが「合計」です。月の初めから〇日目までの支出額の合計は、「〇日目までの支出額の累計」と呼ぶこともできます。
まずは、「累計は集計値の積み重ね」と覚えましょう。
「累計」の語源
「累計」は「計の累積」という意味であり、「累積」と「計」から成り立った熟語と考えられます。日本で作られた熟語ではなく、中国語としても存在する熟語です。
中国語でも「累計」と書いて渡せばそのままの意味で伝わります。現代の中国では「計」の字は使われておらず、「汁」という字に近い簡略化された「計」の字が使われています。
しかし、中国の人は自分たちでは古い漢字を使わなくなっていても理解はできます。
「累計」の使い方
「累計」の意味をご紹介しましたが、まだ「なんとなく理解できた」という程度ではないでしょうか。ここでは、使い方や例文をご紹介します。
使い方や例文の中で、「累計」と類似の言葉である「合計」などと比較しながら、「累計」の意味を確実に習得しましょう。
例文の中の時間軸なども意識しながら読むと、累計の考え方を理解しやすくなります。
「累計」の計算の対象となるもの
「累計」の対象となるのは数値です。数値であればなんでも「累計」を扱うわけではありません。例えば、身長や体重は累計値をとる意味がありません。
昨日の身長と今日の身長を積み重ねても、何の意味もないからです。累計は、金額や個数を積み重ねて、全体でどのくらいの売り上げがあったか、支出があったかという判断に使います。
累計の計算対象となるものは、1点の合計だけでは判断に至らず、全体を把握する必要のある数値です。
「小計」と「合計」
「累計」と混乱する言葉に「小計」や「合計」があります。それぞれ、全く違う意味の言葉ではなく、それぞれに関連性があります。
家計簿を例に「小計」「合計」を説明します。その日に購入した品目を書き出し、費目と呼ばれる「食費」や「日用品」という分類ごとに集計したものを「小計」と呼びます。
すべての費目の「小計」を集計した、その日の支出金額全体を「合計」と呼びます。複数日の合計を集計すると「累計」になります。
「累計」を使った例文
ここでは、「累計」を使った例文をご紹介します。例文を参照して「累計」という言葉の使い方を覚えましょう。例文を参照する中で「累計」の意味する集計の仕方も理解できるでしょう。
ここでご紹介する例文で使われている「累計」の使い方は、日常の中でも多用されている使われ方です。自分が使う場合は、例文のまま使えることも多いでしょう。
1「売上を累計する」
「売上を累計する」とは、日々の売上を積み上げていって、集計するという意味で使われます。スタート時点から現時点までの売上を集計します。
売上合計は1日の締めですが、売上累計は途中でも算出可能です。
今月の売上累計を25日の午後3時時点で算出するなら、24日までの各日の「売上合計」をすべて集計した後、25日の午後3時までの売上額を加算して算出します。
【例文】
・現時点までの売上を累計し、当月の予測を立てる
2「累計発行部数」
「累計発行部数」は、雑誌や小説などが発売から集計時点までに発行された数値を示します。累計を出すことで「1日の発行部数」ではなく、「いままでの発行部数」を把握できます。
小説のように新書版や文庫版といった複数の形態で発行されているものは、形態ごとでなく、すべての形態の集計値が算出されます。
【例文】
・三毛猫ホームズのシリーズ累計発行部数は、とんでもない値になっている
・詩集としては異例の累計発行部数だ
初回公開日:2018年01月23日
記載されている内容は2018年01月23日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
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