「嗜好性」の意味と使い方・嗜好性調査の方法|食品/薬物
更新日:2024年07月23日
*1 全国の世帯及び世帯員を対象としたもので、性別や職業等の条件によって調査対象を選ぶことなく、ランダムで抽出されます。精度の高い推計結果が得られる調査方法です。
「嗜好性調査」の方法
嗜好性調査の方法
具体的な嗜好性調査の流れ(味の素社の場合)
ブレーンストーミング(*2)とKJ法(*3)を用いて、食品と味の好みに関する現象仮設集計をします。次に、調査企画、質問項目設定(サンプリング理論(*4)、アンケート調査法)などを作成し、予備調査(社内モニターの主婦への調査)を行います。
予備調査を終えたあと、本調査(層化二段無作為抽出法)を行い、基本集計、検定(単純・クロス集計(*5)、検定(平均値の差、百分率))を多変量解析(因子分析、数量化工類、クラスター分析)、時系列解析(コホート分析*6)を用いて解析します。その結果を解釈し、データベースを作ります。
もっとわかりやすい嗜好性調査の方法
わかりやすく言い換えると次のように言い表せます。
調査する前に対象の調査内容の想像・想定をして、それをまとめ、どのように調査するか、どのような質問と選択肢を設けるかを決めます。全国で調査する前に一度小規模の調査を行った後、実際に全国で調査します。調査した結果を集め、それらをもとに%で表したりしてまとめます。
年齢、地域、性別、職業、家族構成、年収などの影響を受けると想定し影響を減らします。また、その影響が本当にあるのか解析します。(この調査では記載した順番ほど影響度が大きかったという結果が出ました)
以上のデータをもとに調査結果を判断します。
補足
*2 調査内容のアイデアや想像を含めた仮説のことを言います。
*3 ブレーンストリーミングによって集まった仮説の集計し、その発想を素に問題解決を図ります。
*4 特性を評価するために一部を抽出する行為です。
*5 単純集計は質問の選択肢の回答の集計を行い、クロス集計はそれに性別や年齢などの別の要素も同時に集計します。
*6 統計解析法の一つ。仮説の要因に一致している層とそうでない層について追跡調査を行います。(前向き研究ともいわれます)
当時行われた嗜好性調査の結果
好まれる主食の1~3位はお米・ご飯に関するものであり、米の消費量の低下が問題になりながらも約8割の人間が好んでいました。好まれる主食の1位6位8位が海産物をもとにしたおかず、他10位まではお肉をもとにしたおかずを好むという結果になりました。
好きな魚介類は1位かに2位えび3位まぐろで、肉類は牛肉、豚肉が上位にあげられました。この結果は2000年のものであり、現在とは大きく異なっている可能性があります。
薬物にも「嗜好性」があるのか
まず、薬には嗜好性はないと判断して間違いはありません。そもそも薬は必要だから体に取り入れるものであり、薬の匂いや味の好みはそれほど重視されません。処方されたお薬は身体に必要なものです。好き嫌いとは関係なくきちんと服用してください。
「嗜好性」の対義語
嗜好性は「趣味」や「好み」に関するものを指し、それと対になるものは「実用品」や「必需品」があげられます。嗜好性があれば嬉しいがないのであればしょうがないと思える娯楽品であるとすれば、その対義語は必要性であり、生きるのに必要不可欠な生活必需品であると言えます。
「嗜好性」が「高い」「低い」の意味の違い
初回公開日:2018年02月10日
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