「社判」と「社印」・「角印」・「代表社印」の違い・読み方
更新日:2024年09月03日
「社判」と「社印」の違い
個人で使う印鑑とは違い、「社判」や「社印」は会社が使う印鑑です。「会社が使うのだから社判も社印もどちらも同じでしょう。」という勘違いをよくみかけますが、実は、同じではありません。「社判」と「社印」を間違えて押してしまって、契約書を作り直さなければならなくなった、という事態を防ぐためにもきちんと確認しておくことが大切です。
社判とは
「社判」は、それぞれの会社によって多少定義が異なることもありますが、一般的には、会社の印鑑すべてが「社判」です。ですから、「社印」、「角印」、「認印」、「代表者印」などの総称が「社判」となります。
つまり、「代表者印を押してください」と言われたら、代表者印を押す以外に選択肢はありませんが、「社判を押してください」と言われたら、角印でも認印でも、どちらでも可能ということです。
社印とは
「社判」と「社印」は同じではありません。先ほどお示ししたように、「社印」は「社判」のなかの1つです。「社判を押してください」と言われたら、「社印」を押しても大丈夫ですが、「社印を押してください」と言われたら、「会社の判子ならどれでもいいのか」というわけにはいきません。ここをしっかり押さえておきましょう。
「社判」と「角印」の違い
それでは次に、「社判」と「角印」の違いについてみていきましょう。会社の印鑑は、大きく分けて丸い形と、四角い形があります。オリジナリティーを出すために、楕円のようなユニークな印鑑を作る会社も増えてきています。
角印とは
結論から先にいきましょう。角印は社印のことです。多くの会社で社印に角印を用いているため、角印=社印という認識で問題ないでしょう。角印は、法人の認印のことです。ただし、角印は法的には届け出の義務がありません。つまり、印鑑登録はできない印鑑ということです。
しかしこの角印は、領収書や請求書などに押され、会社の象徴となる重要な印鑑です。文字数のバランスを考えて「印」や「之印」を付け加えて作成されます。縦書きで右から左に読んでいき、代表者印(会社実印)よりやや大きめで、会社名だけが彫られます。
例えば、マンションの賃貸借契約書でもみかけることがあります。多くの場合は不動産屋さんの仲介で契約に至るのですが、そういった場合、不動産屋さんが押している印鑑は丸印の認印ではなく角印となっています。
角印が押してある文書は、会社が発行した文書であることを示すために使われることが一般的です。
「社判」の読み方
ここまでで何度もでてきた「社判」ですが、何と読むのでしょうか。「しゃはん」と読んでしまいそうになりますが、正しくは「しゃばん」です。「三文判(さんもんばん)」と同じく、判を「ばん」と読みます。
「しゃはん」とも読めなくはないのですが、社会人が読み間違えると本人が恥ずかしいだけでなく、「こんなものも読めない人を社員にしているのか」と、会社の評判も下げてしまうことになります。気を付けたいところです。
「社判」の押し方
「社判」は、法的な効力を持つものから、会社としての威厳を表すものまでいろいろとあります。しかし、いずれにしても、かすれやにじみがあってはなりません。ましてやまっすぐ押せていないものは論外です。
「社判」をきれいに押すコツは、まず印鑑をよく見ることです。細かいゴミが挟まっていたらきれいに取り除きましょう。そして、水平方向にズレがないかを確認してまっすぐ鉛直方向から力をかけるようにします。横から力をかけて押すと、ぶれて二重になってしまったり、かすれてしまう部分がでてくるので注意しましょう。
綺麗な印影を残したいときにおすすめの素材
印鑑は、使われている素材によって印影が変わってきます。社判ですから、押しやすいことはさることながら、耐久性も気になるところです。法人の印鑑というと、黒水牛や象牙が人気でした。押しやすさだけでなく、高級感も併せ持っているからです。
しかし、最近では金属製のものにも人気がでてきています。耐久性が高く傷がつきにくいチタン、レアメタルを3種類あわせたコバルトクロムモリブデンなどです。金属製の印鑑はクールな印象を与えることができますし、ありきたりではなく斬新で目をひくフォルムです。丁寧に使っていけば一生使えるという点でも注目されています。
会社の顔でもある社判だからこそ、個性が出せる部分でもあります。創業者にとっては大いにこだわりたいところです。
初回公開日:2018年04月10日
記載されている内容は2018年04月10日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
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