作成と作製の違いと使い分け方法|制作/製作/食べ物/科学
更新日:2024年07月24日
作成と作製はどう違うのか
仕事の書類をまとめていて、「さくせい」という言葉を使うとき、「あれ?作製と作成、どっちだったかな?」と思ったことはありませんか。
日本語には、たくさんの同音異義語があり、漢字表記も加わって、さらに複雑になっているのが、日本語の特徴です。
「さくせい」もその1つで、漢字で書けば、「作成」と「作製」の二つがあります。また似た表現に、幹事の順番を逆にして、「製作」があります。「製作」には、「制作」という同音異義語があります。
どれもこれも大変似ています。根本的な意味は、「つくる」ということですが、それぞれ意味には違いがあります。
これから、「作成」と「作製」の意味の違いを解説して、それぞれの言葉が、具体的にはどのような状況で使われるのかを紹介していきます。これで、どっちだったかと迷うことがなくなりますので、ぜひこの記事をご参照ください。
作成と作製の意味の違いは?
「作成」と「作製」のどちらも、何かを作るという意味を持っています。詳細な違いは、以下の通りです。
「作成」とは、計画を立てること。または、文書や文章を作ることです。具体的には、「計画案を作成する」や「予算案を作成する」、「報告書を作成する」などのように使います。
一方、「作製」とは、機械や道具を使って物を作ること、または芸術作品を作る場合に用いられます。使用例は、「家具を作製する」や、「次の商品の試作品を作製する」、または「ダンボールを使って、夏休みの研究課題を作製する」となります。
「作成」と「作製」の意味の違いは、「セイ」にある
これらの意味の違いは、「作成」と「作製」の「セイ」の漢字の違いから出てきます。
「作成」の「成」の字には、「物事を成し遂げる」や「仕上げる」という意味があります。このことから、「作成」としたときには、「形あるものを何もないところから作り上げる」という意味が出てきます。
とりわけ「作成」は、目で読むものに対して使われることが多く、計画書や議事録、日記などが書かれる、もしくは作られる場合に「作成」という字があてられます。
「作製」は物品を作ることの意味
それに対して、「作製」の「製」の漢字の由来は、「布を裁って、衣服を仕立てる」という意味です。そこから派生して、物品を作るという意味が生まれました。つまり、「作製」には、なにかを作るにあたり、最初からなにものないという状態ではありません。布があるから服を作るように、素材を使い、道具や機械を使って、何かを作る場合に、「作製」という字が用いられます。
したがって、工業製品などで作られる物づくりには、「作製」が使われます。
図面は、目で読むものでありますが、物品と同じように扱われます。図面を作成したものを「製図」とも書くように、「作製」が使われます。
「制作」は、作品を作るという意味
「制作」という言葉もあります。これも「作成」や「作製」のように、「作る」という意味ですが、主に芸術作品を作る場合に用いられます。芸術作品一般から、映画やテレビ番組などです。
芸術作品を作り出す行為に対しても、「制作」が使われます。実際に作品を作り出す実作業をする会社を、「制作会社」といいます。アニメ番組で、実際にアニメーションの動画を作っている会社を「制作会社」と呼び、アニメーション番組が「制作」されている、というように使われます。
「製作」は、「作製」と同義
「製作」は、「作製」とほぼ同じ意味で使われます。「実質的で、量産できるものを作る」ときに、「製作」が使われます。たとえば道具や、機械、器具などを作るときに、「製作」が用いられます。
芸術作品でも、「製作」が使われることも?!
ところが、芸術作品でも「製作」が使われる場合があります。それは、その作品が芸術性が高いというよりは、娯楽性が強いと判断されるとき、つまり「娯楽映画」や「娯楽番組」には「製作」という言葉が使われます。
また作品を作るための出資、資金集めをするプロデュース会社、または宣伝や興行一般を運営する会社を「製作会社」といって、「制作会社」と使い分けます。ディズニー映画なら、映画作品を作るための実作業をするのは、ピクサー社なので、「制作:ピクサー」のように表示されます。一方、作品のプロデュースや配給をするのがディズニー社は、「製作:ディズニー」のように使い分けられています。
この違いは、作品を芸術作品とみなすが、物品とみなすかの違いから出てきていると言えます。
作成と作製の使い分け方法
それでは、「作成」と「作製」を使い方を、具体的に見ていきましょう。
ちなみに復習として、「作成」は、書類や文書、計画などを作り上げる意味で、「作製」は「製作」とほぼ同意義で、物品や機械、図面を作ることの意味でした。まったく異なるジャンルから、「作成」と「作製」の使用例を参照していきます。
初回公開日:2018年05月21日
記載されている内容は2018年05月21日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
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