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【シーン別】「粗餐」の意味と使い方・読み方・類語|法事

更新日:2024年04月02日

結婚式の招待状や法事の案内状などで、「粗餐」という言葉を見かけることがありますが、この言葉はどのような意味がある言葉なのでしょうか。この記事ではそんな「粗餐」という言葉の読み方から、「粗餐」と似た意味を持つ言葉まで詳しくご紹介していきます。

「粗餐」の読み方

結婚式への招待状や、法事の案内などに出てくることがあるのが、「粗餐をご用意いたしております」という文章です。この文章に出てくる「粗餐」とはなんと読むのでしょうか。

「粗餐」に使われている漢字を一つ一つ見てみると、「粗い」という字と「餐」という字に分けることができます。「粗い」という字は「あら」と読むこともできますが、「粗野」や「粗暴」などの熟語に使われるように、「そ」と読むこともできます。一方「餐」という字は、「晩餐(ばんさん)」のように「さん」と読む漢字です。

こうして、二つの漢字の読み方を確認すると分かるように、「粗餐」という言葉は「そさん」と読みます。

それでは、「粗餐」の「粗」は「あらい」という意味の漢字、「餐」は「食事」を意味する漢字ですが、この二つの漢字が合わさってできた「粗餐」とは、一体どういう食事のことを指すのでしょうか。次項から詳しく見ていきましょう。

「粗餐」の意味と使い方

前項で「粗餐」の読み方についてお話ししたときにご紹介したように、「粗餐」の「粗」は「あらく、雑である」という意味を持つ漢字であり、「餐」は「飲み食いすることや食事」という意味を持つ漢字です。

この二つの漢字の意味を組み合わせると、「粗餐」とは「あらく、雑な食事」という意味の言葉であるといえます。実際に、「粗餐」とは「粗末な食事のこと」を表す言葉です。この意味から転じて、案内状などでこの言葉を使うときには、「大したお料理を準備できたわけではありませんが」といった謙遜する気持ちを表現する言葉として使われます。

それでは、実際にはどのように「粗餐」という言葉は使うことができるのでしょうか。次の項から見ていきましょう。

粗餐差し上げたく

「差し上げる」というのは、「与える」の謙譲語です。謙譲語というのは「自分や自分に関係することや物、人、動作をあえてへりくだっていう言葉遣い」のことで敬語の一種です。

「へりくだる」というのは「自分の立場を低く見せること」ですので、謙譲語は謙遜している言葉遣いと言い換えることができます。この意味で、「差し上げる」と「粗餐」はどちらも同じように、謙遜の意味で使われる同じ種類の言葉といえます。

この「粗餐差し上げたく」という文章の意味を、そのままとると「粗末な食事を出したい」という意味になりますが、謙遜の意味で使っていることを考慮すると、「大したお食事ではないですが、わざわざこちらに来てくださるあなたのために、食べれるものをお出ししたい」というような意味になります。

このように、「粗餐」は同じように謙遜の意味を持つ、謙譲語と一緒に使うことが多い言葉であるといえます。

粗餐ではございますが

「大したお料理ではないけれども」という意味の言葉です。料理を客人に振る舞うときに、料理を準備した、客人を招いた側の人がいう言葉です。ここでも、謙遜の意味で「粗餐」という言葉を使っているといえます。

「粗餐」という言葉が、「粗末な食事」という意味があるので、客人がこのようにいうと大変失礼にあたります。「粗餐」はあくまでも、食事を準備した人が使う言葉であるといえるでしょう。

「粗餐ではございますが、召し上がってください」や「粗餐ではございますが、お部屋にお食事のご用意がございます」といったように使うことがあるフレーズです。

粗餐のご用意

「大した食事ではないけれども食べれるものを用意している」という文章です。結婚式の招待状や、法事の案内状などで見かけることのある言葉であるといえます。「粗餐のご用意があります」や「粗餐のご用意をいたしております」というように使うことがあるフレーズです。

粗酒粗餐

「粗酒粗餐」と書いて「そしゅそさん」と読みます。「質素な酒と食事のこと」を意味する四字熟語です。客人をもてなすときに、自分の準備したお酒や食事に対して謙遜して使うことができます。「粗酒粗餐ではありますが、お食事をご用意しております」といった使い方をします。

シーン別「粗餐」の使い方

「粗餐」という言葉が使われるシーンには、どのようなシーンが考えられるのでしょうか。この項では、「粗餐」という言葉を使われることがあるシーンと、そのシーンでの「粗餐」という言葉の使い方について詳しくご紹介します。各シーンでの「粗餐」という言葉の使い方について知って、「粗餐」という言葉の使い方のコツを掴みましょう。

法事のとき

法事のときに「粗餐」という言葉を使うときには、主に案内状で食事について語るときに使われます。例えば法要の終わったあとに、食事もする予定である旨を伝えるときには、「当日は法要の終わった後、粗餐をご用意いたしております」といったように言うことができるといえます。

ただし、法事において「法要後に食事がある」というときには、「粗餐」より「お斎(おとき)」と言い表すほうが良いでしょう。「お斎」というのは「法事の際に出される食事のこと」を意味する言葉です。このように法要のときの食事を表すのには、それ専用の言葉があるので、そちらを使ったほうが無難であるといえます。

したがって「粗餐をご用意」を使っても間違いではないですが、「お斎のご用意」と書き表すほうが良いといえるでしょう。「粗餐」を使うのであれば案内状の中でではなく、会食の前の挨拶として「粗餐ではありますが」というような使い方はできるといえます。

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初回公開日:2018年04月25日

記載されている内容は2018年04月25日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
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