「手をかける」の慣用句の意味と使い方・類語・子育ての方法
更新日:2024年07月22日
「手をかける」は「手を掛ける」と漢字で書きます。「掛ける」という言葉の意味と使い方についてご紹介します。
「掛ける」の意味
「掛ける」の意味をご紹介します。
・物を壁などの高いところに運んで上部を固定してぶら下げること。
・椅子などの上に座ること。
・物を取り外しのできる状態で、他の物に取り付けること。
・気持ちをそこに置いたり、配慮したりすること。
例文
例文をご紹介します。
・壁に大きな柱時計を掛けるために、家族みんなで協力しました。
・彼は旅で疲れた体を癒すために、ソファに腰掛けました。
・弟は何度も練習して、やっとパジャマのボタンを掛けられるようになりました。
・祖父は生前ずっと、私に心を掛けていたと祖母が話してくれました。
「手をかける」の敬語
「手をかける」という言葉は意味によって敬語の使い方が異なります。「手をかける」という言葉の意味のひとつである、「手数をかける」「手間をかける」という意味の敬語の使い方には注意しなければならないポイントがあります。「手数をかける」「手間をかける」という意味の敬語についてご説明します。
丁寧語
「手をかける」という言葉の意味のひとつである、「手数をかける」という意味の丁寧語は、「お手間を取らせてしまい」という使い方をします。目的を達成するために、相手に労力や時間を使わせてしまった際に、謝罪の意味を込めて使います。
自分や自分に関わる誰かのために、相手の労力や時間を使わせてしまった場合には、「お手数をかけてしまい」という言葉を使います。「お手間を取らせてしまい」「お手数をかけてしまい」という言葉は、お願いをしたり謝ったりするときに使います。
注意点
「お手間を取らせてしまい」という言葉は、相手の作業に対して、迷惑をかけてしまった場合には使わないように注意が必要です。また、「手間をかける」の丁寧語と間違えることがあります。「手数」は、とらせるものではなく、かけるものなので、混同しないようにしましょう。
例文
例文をご紹介します。
・お忙しいところ、お手間を取らせてしまい申し訳ございませんでした。
・この度は、お手数をかけてしまい申し訳ございませんでした。
・お手間を取らせませんので、お伺いしてもよろしいでしょうか。
「手をかける」に「お」はつけない
「手をかける」の意味である、「手間をかける」「手数をかける」という意味の丁寧語として「お手間を取らせてしまい」「お手数をかけてしまい」というように、「お」という言葉をつけますが、「手をかける」を丁寧にするために「お手をかける」とは使わないため注意が必要です。使いたい言葉の意味を考えて、言い換え表現をしましょう。
「手をかける」は方言なのか
「手をかける」とは、慣用句で方言ではないと考えられています。「手を掛けて盆栽を育てた」「母はいつも手をかけた料理を作ってくれた」というように、労力や時間を惜しまずに世話をするという意味で使われたり、「幼い子供に手をかけるなんて」「お年寄りに手をかけるとは」というように、暴力を振るうことや殺すという意味で使われたりします。
「手をかける」という表現を聞きなれない場合には、方言だと思うこともありますが、方言ではないので間違えないように注意しましょう。
「手」という言葉を使った慣用句・1
「手をかける」のように、「手」という言葉を使った慣用句をご紹介します。
・手が空く(てがあく):仕事がひと段落して時間ができること。
・手が付けられない(てがつけられない):手段や方法がなくて、どうしようもないこと。
・手が無い(てがない):人手が足りないこと、働き手がないこと。なすすべがないこと。
・手が早い(てがはやい):仕事が早いこと。知り合った異性とすぐ関係を持つこと。すぐに暴力をふるうこと。
・手が塞がる(てがふさがる):していることがあって、ほかのことができない状態のこと。
・手を借りる(てをかりる):手助けや、手伝いをしてもらうこと。
・手を染める(てをそめる):事業などを始めたり、関わったりすること。
・手が届く(てがとどく):自分の力でできる範囲内にあること。世話が行き届くこと。
・手が回る(てがまわる):世話が行き届くこと。捜査の手配をされること。
初回公開日:2018年05月11日
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