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「なんなら」の意味と使い方・類語|方言/若者/敬語/書き言葉

更新日:2024年08月29日

今回は「なんなら」の意味と使い方・類語・方言/若者/敬語/書き言葉と題して、「なんなら」という言葉の正確な意味合いと用法、またさまざまな分野で扱われる「なんなら」の用例についてご紹介します。面白い言葉ですので、ぜひご参考にしてみてください。

「なんなら」という言葉について

最近でも特に「なんなら」という言葉が頻繁に使われてきており、何か他人に対して「自分が請け負う際」などに「なんならわたしがしましょうか」といった具合いで、自分がその人に代わって「何かをする」という場合によく使われる言葉として認められます。

「なんなら」という言葉は「なんでしたら」や「もしよければ」、あるいは「相手が特定の希望をしているときに、その希望に沿って自分が肩代わりする」といった「依頼を受ける」という意味合いを持ち合わせています。

「なんなら」の方言での使い方

先述の「なんなら」の意味合いや用途を踏まえておき、少しこの「なんなら」という言葉が方言として使われている場面を見てみましょう。

日本各地においてさまざま方言が見られ、その1つ1つの言葉の意味合いや用途には「他府県では想像もつかないような、意味深な用法」を持ち合わせていることが多々あります。

関西弁

関西弁では先述しました「なんなら」の意味合いをそのまま表現する形で、この「なんなら」という言葉が使われます。

その「なんなら」が使われるタイミングも「わたしが○○しましょうか」や「それなら」、「なんでしたら」、「そんなことをするくらいなら」などと、「そのようにするくらいなら、いっそのことわたしが○○します」といった意味になります。

・なんなら(なんでしたら)わたしが○○しましょうか。
・その服を買うのですか、なんならこちらの服を買った方がいいでしょう。
・そのジュースを買うのですか、なんならストローつけましょうか。

このように「なんなら」の意味が使われ、相手に「それだったら○○もしましょうか」という意味合いになります。

また「○○しまひょか」や「○○でっしゃろか」などの「相手の依頼を受ける形の表現」も見られ、それぞれの用途によって「なんなら」の用法が使い分けられます。

岡山弁

岡山弁ではまた関西弁とはまったく違った意味合い・用法をもって「なんなら」という言葉が方言として使われています。

岡山弁の場合の「なんなら」は「なあんだ」や「何ですか」、あるいは「○○だと思っていたのに、(それと違う結果に遭う形で)なんで」といった意味合いで使われます。

・あんた、いったいなんなら(何ですか)。
・風がようけ吹きょるわ。なんなら(なあんだ)、せっかく凧揚げしようと思いよったのに。
・なんならぁ(全然違う結果じゃないか)、こんな日照りじゃ畑の作物も育たんわぁ

このように、「なんなら」の意味合いは「なあんだ」という了解を示す言葉としてや、また「いったいなんだ」、「どういうことですか」などといった「想定外のことに遭った場合の言葉」として使い分けられます。

名古屋弁

名古屋弁で「なんなら」という言葉・表現は基本的に見当たりません。

しかし「なんなら」の意味合いにある「もしよければ」や「○○しましょうか」、「○○すればいいでしょう」などの意味合いを持つ方言として、「○○すりゃええがや」や「○○しときゃあよ」、また「しやぁすか」などがあります。

これらの言葉はどれも「なんなら」の意味合いに含まれてきます。

・すりゃええがや(○○すればよいでしょう、○○しましょうか)
・○○しときゃあよ(○○してください、○○しましょうか)
・しやぁすか(○○しましょうか)
・したろか(○○してあげようか、わたしが○○します)

上記の慣用句として使われる方言はすべて、「他人に対して言われる言葉であり、なお相手に対して行動を促す、あるいは自分が肩代わりして○○する」という意味合いになります。

「なんなら」の類義語

日本語を問わず各国の言葉を1つ1つ覚える際には、その言葉の関連語を一緒に覚えておくことが大切です。そうすることによって、その1つの言葉の意味合いや用法をさらに深く理解することができ、またどんな場面でも「自分の言葉・表現」として使い分けることができます。

・なんならわたしがその荷物を運びましょうか。
・そんな買い物をするくらいなら、なんなら特注の買い物をした方が遥かに値段も安いです。
・受験勉強に際しまして、なんならわたしが参考書を買ってきましょうか。
・その服を買われるのですか、なんならこちらのレギンスなどもいかがでしょうか。

このように、「なんなら」というのは基本的に「○○するのですか、でしたらついでに△△もしませんか」や、「○○するくらいなら、代わりに△△しましょうか」といった、相手へのアイデア提示を指す場合が多いです。

「なんなら」の意味と使い方

先述しましたように「なんなら」という言葉は「相手へのアイデア提示」や「○○する代わりに△△しましょうか」といった、相手の考え方や行動を肩代わりする際の意味合い・用法を持ち合わせます。

・その大学を受験するくらいなら、なんなら思い切って○○大学もねらってみませんか。
・その料理をそんな方法で作るのですか、なんならこちらの材料を使ってみませんか。
・なんならわたしが代わりに買ってきましょうか。

このように、「なんなら」という言葉は「○○のついでに」という意味合いを持ち合わせており、「○○するときには、この方法がお得です」といった条件提示を指す場合も普通に見られます。

若者の「なんなら」の使い方

「なんなら」という言葉の根本的な意味合いは「なんでしたら」や「その代わりに」、また「そういうわけなら」や「じゃあ○○しよう」などといった、一応の事情・条件を把握した上で「だったらこうしてみよう・こうしてみませんか」という「相手への条件提示」を指す表現となります。

・なんなら、こんな簡単な問題、わたしすぐに解いちゃいます。
・なんならわたしがそれを買ってくるから。
・なんならミックスジュースも合わせて飲むから。
・授業に出席できない場合、なんなら(いっそのこと)一日休んどこうか。

このように、若者の間では「なんなら」という言葉は相槌やクッション言葉として用いられる場合もあり、「いっそのこと」や「それなら」という意味合いを含ませながら「結局、こうしよう」という意味合いをもって使われています。

次のページ:敬語での「なんなら」の使い方

初回公開日:2018年04月17日

記載されている内容は2018年04月17日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
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