「しながら」の意味と使い方・類語・敬語・「しつつ」との違い
更新日:2024年06月13日
尊敬語と同じで謙譲語も「しながら」そのものに敬語表記はありません。しかし敬語として使用する場合は「しながらする」を謙譲表現にしてみましょう。尊敬語と同じです。
「しながらする」を謙譲語で表現した場合、「しながらさせていただく」となります。やや言い回しがくどいですが、文章で表現するときはこれくらいの表現の方が適切でしょう。
例文を以下に示します。
謙譲語の使い方
「しながらする」の謙譲表現は「しながらさせていただく」「しながらいたす」になりますが、その例文を以下に示します。
「課長、先ほどの書類の指示に目を通しながら仕事をさせていただきます」
「課長、先ほどの書類の指示に従いながら仕事をいたします」
「しながら」は以上のような使用が可能です。前者も後者も意味合いは同じですが、どちらかといえば後者の方がスマートな言い回しになります。書面やメールでは後者を使用した方が適切です。
「しながら」口語での謙譲語
口語や会話の中ではどちらの言い回しでもかまいません。しかし、「させていただく」は敬語の中でも使いすぎるとくどい印象を受けるものですので、できる限り使わない方が得策でしょう。
丁寧語
次は「しながら」の丁寧語です。これは簡単で、「しながらします」で十分です。同僚や後輩の相手にはこの表現を使用するのが好ましいでしょう。特に謙譲表現や尊敬表現を使う必要はありません。
丁寧語の使い方
「しながら」の丁寧語の使い方は以下です。
「コーヒーを飲みながらレポートを仕上げる予定です」
以上はコーヒーを飲みつつ、レポートの作業を進めるということになります。この時注意すべきなのは「レポートを仕上げながらコーヒを飲みます」になってしまうと、コーヒーがメインの作業になってしまいます。「しながら」を使用する際は、どちらの動詞がメインの動詞かを考えて使用するべきでしょう。
「しながら」の意味が継続の場合
また、複数の動作を行なっておらず、継続の意味合いでの「しつつある」でしたら、例文は以下のとおりです。
「いつもながら、感謝しています」
この表現では感謝の念が継続しているということになります。この場合では並列の意味をもつ「〜の上」とかの表現はできないことがあります。
「しながら」と「しつつ」の違い
ここからは「しながら」としつつの意味合いの違い、使い方の違いについて述べていきます。まずは例文から示していきます。
「コーヒーを飲みながら仕事をする」(しながらを使用)
「コーヒーを飲みつつ仕事をする」(しつつを使用)
以上の例文を見る限り、後者の「しつつ」を利用した方が堅苦しい印象を受けます。というのも、「しつつ」は口語表現というよりは文語表現によく使われます。一方で「しながら」の方が口語としては理解しやすいでしょう。
そのため、文章では「しつつ」を使用し、口語では「しながら」を利用するのがおすすめです。
これから「しながら」を使っていこう
ここまでで、「しながら」という表現については随分理解できたでしょう。「しながら」には動作を続けるという意味と、二つの動作を並行して行うという意味があります。
文脈の意図をしっかりと理解して正しく「しながら」を使っていきましょう。
初回公開日:2018年05月27日
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