「まんず」とはどんな意味の方言?秋田弁の特徴についても紹介
更新日:2024年06月21日
濁音で発音するものが多い
東北地方の話し方で特に印象的な表現のひとつが濁音です。
秋田県でも「かきくけこ」は「がぎぐげご」、「たちつてと」は「だじづでど」などで発音しており濁音は多く利用されます。
しかし、単純にか行とた行すべてが濁音になるわけではなく、法則があります。
単語の1文字目や小さい「つ」や「ん」などの促音の後は濁らないでそのまま発音します。
例えば、「かかし」は「かがし」と発音が変わるいっぽう、「失格(しっかく)」や「テント(てんと)」はそのままで発音します。
言葉を短くした表現が多い
単語や動詞が1文字から3文字程度の短い言葉に変換されるのも特徴です。
・めんけ→かわいい
・まま→ごはん
・け→食べなさい・来て・かゆい
諸説ありますが、東北地方の冬は雪が多く寒さで唇がこわばるため、口をあまり開けずに会話をします。
そのため、短い言葉や単語でコミュニケーションが取れるように独特の発音や単語、イントネーションになったと言われています。
方言にもこのような歴史があるのですね。
歴史を知ることで方言について理解が深まります。
独特のイントネーションである
秋田弁は発音の抑揚が独特です。
3文字の言葉の場合は2文字目の音にアクセントを置いて発音する言葉が多いと言われています。
秋田弁はイントネーションが独特故、フランス語にも聞こえると言われています。
普段聞きなれている発音と異なると、理解するのに時間がかかりますよね。
そのため、訛りがきつく感じてしまい、他県の人は聞きづらいと感じるかもしれません。
秋田以外の「まんず」を使う地域は?
「まんず」を使用する地域は主に東北地方です。
秋田県の他には、青森県、岩手県、宮城県などの東北地方、それ以外にも長野県で使われています。
宮城県では、呆れた時に「まんず」を使用します。
それ以外にもなんと、食べ物の「まんじゅう」の意味にもなります。
使いなじみがないと難しいですよね。
このように同じ「まんず」でも地域によって使い方や特徴に違いがあるうえ、同じ地域でも使い方が変わってきます。
「まんず」以外の秋田の方言
「まんず」以外にもよく使われる方言が秋田弁には多数あります。
聞いたらなんとなく意味が想像できる単語から、「まんず」のように全く聞きなじみのない単語など本当に多くの方言が存在しています。
方言を知ることで自分の教養を身につけるだけでなく、コミュニケーションや歴史を知るきっかけにもなります。
今回はそんな方言の中でもいくつか代表的な方言を紹介していきます。
皆さんはいくつ知っているでしょうか。
是非、一緒に意味を考えてみてください。
こえー
他県の人は初めて聞くとき標準語の「怖い」と認識してしまいそうですが、怖いという意味ではありません。
秋田弁での正しい意味は「疲れた」です。
「こえー」の中にもレベルがあり、少しだけ疲れているレベルだと「こえ」、すごく疲れているレベルになると「こえー」となります。
「疲れているから~」と話が続くときは「こえくて」や「こえして」に変化していきます。
使い方としては「したっげこえー(とても疲れた)」などと表現します。
ごしゃぐ
これは全く想像できそうにないですね。
ごしゃぐは「怒る」という意味で使用されます。
怒る意味の中でも特に強い、怒鳴る、叱るなどの意味の時に表現されます。
「ごしゃぐ」は「怒る」の意味で「ごしゃいだ」は「怒った」「ごしゃがれだ」は「怒られた」の意味を表します。
使い方としては「したっげ、ごしゃがれた(とても怒られた)」などです。
他にも、腹が立つことがあったときは「ごしゃげる」とも言います。
怒っている表現が「ごしゃぐ」はかわいらしい表現ですよね。
がっこ
「漬物」という意味です。
こちらも諸説ありますが、京言葉の「雅香」が転じて「がっこ」となったと言われています。
「がっこ」に聞きなじみがなくても、「いぶりがっこ」は聞きなじみがあるのではないでしょうか。
いぶりがっこはたくあんを燻製にした食べ物です。
他にも「お茶がっこ」や「ナタ漬けがっこ」などがあります。
それ以外にもたくさんの「がっこ」が存在しています。
秋田に行った際は是非食べてみたいですね。
しったげ
初回公開日:2022年10月03日
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