「えずく」の意味・正しい使い方とは?「えづく」との違いも解説
更新日:2024年06月20日
みなさんは「えずく」という言葉を知っていますか?そして、「えずく」と「えづく」の違いを知っていますか?
「聞いたことあるような気がする!でも、どうやって使うのだろう」
「まったく聞いたことも使ったこともない。えずく?えづく?どう違うの?」
知らない方はもちろんのこと、知っている方ももしかすると、新たな使用方法を発見するかもしれません。
この記事では、「えずく」と「えづく」の意味やそれぞれの違い、漢字表記や英語表現を様々な例文を見ながら解説しています。この記事を読んだ後は「えずく」と「えづく」を理解することができ、実際に正しく使用できるようになるでしょう。
語彙力を伸ばしたい方、雑学を増やしたい方もぜひチェックしてみてください。
「えずく」の意味
まずは、「えずく」の意味を解説していきましょう。
「えずく」には「へどを吐く」「もどす」といった意味があります。また、京都府の方言であり、同じく「吐き気をもよおす」「嘔吐する」といった意味があります。
他の地域でも使用されており、大阪府や奈良県など、関西地方では日常会話で耳にすることも多いのではないでしょうか。
「えずく」は、体源抄(たいげんしょう)という室町時代に雅楽家の豊原統秋が編纂した楽書には、「むせてえつきまどひけるほどに」とあり、古くから使用されていたことが分かります。
「えずく」の漢字表記
「えずく」は、漢字では「嘔吐く」と表記します。
「えずく」の意味の「嘔吐する」にそのまま送り仮名がついているため、ひらがな表記より漢字表記の方が意味を容易に理解することができるでしょう。
しかし、「えずく」の言葉自体を知っていないと、「嘔吐く」を何と読めばいいのか、まったく分からないことと思います。
また、歴史的仮名遣いでは「ゑづく」と表記しますが、現代仮名遣いでは「えづく」とは表記せず、異なった意味になるので間違えないように注意しましょう。
「えずく」の使い方・例文
「えずく」はどんな時にどのように使用するのか、場面ごとに例文を見ていきましょう。
ただし、「えずく」はもともとは京都の方言なので、全国各地で必ずしも伝わるわけではないことは覚えておきましょう。
医療機関で説明する場合
「えずく」は医療用語ではありませんが、その意味から医療機関で使用することもできます。たとえば、診察を受ける際に、自分の症状を説明するなかで「脂っこいものを食べるとえずいてしまいます」や、「胃がムカムカしてえずきが止まりません」などと使用することができます。「おえっとなる」状態のことを伝えたいときに有効な表現となります。
その他に、妊娠中のつわりの様子を伝える時にも、「つわりがひどく、食べ物の匂いを嗅いだだけでもえずきそうになります」という風に使用できます。
日常生活において使う場合
日常生活でも様々な使用方法があります。日常生活において使える「えずく」の例文を紹介します。
・ゴミ捨て場の悪臭がひどくてえずいてしまった。
・歯磨きをしていたらえずいてしまった。
・乗り物酔いをする人は、えずく前に酔い止めを飲みましょう。
・大泣きをした子供がえずきそうになっている。
・食べたものが悪かったのか、えずいてしまう。
実際に吐いたのか、吐き気があるだけなのかは文脈で判断しましょう。「えずいてしまう」という使用方法がありますが、「えずい」という言葉には「気持がわるい、おそろしい」や「ひどい、きびしい、わるがしこい」という意味があり、響きも意味も「えずく」に似ているので、誤って使用しないように注意しましょう。
「えずく」と「えづく」の違いとは
これまでに解説してきたように「えずく」の意味は「へどを吐く。もどす。吐き気をもよおす。嘔吐する。吐く。」という意味を持ち、「嘔吐く」と書きます。「嘔吐く」は、歴史的仮名遣いでは「ゑづく」と表記します。しかし、現代仮名遣いで「えづく」と表記するとまったく異なった意味を持ちます。
では、「えづく」はどんな意味を持つのでしょうか。ここからは、「えずく」と「えづく」の違いを漢字表記や英語表現を比べながら、解説していきましょう。
同じ意味だと「えづく」は間違い
初回公開日:2022年10月03日
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