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契約書の製本|基本ルール・製本方法・製本テープ・袋とじ・両面印刷

更新日:2024年01月01日

法律や会社の総務関係の仕事に就いていると、頻繁に契約書作成や押印の機会があります。今回は契約書の作成や押印に関わる「製本」のルールや作成方法について説明します。間違えやすいポイントや製本の為に必要な道具なども参考にしてください。

契約書はなぜ製本する必要があるの?

契約書が複数枚にわたる場合は、差し替えや偽造防止のために「割印」や「契印」を行うのがルールです。

「割印」は同じ契約書を複数作成する場合に行うものです。複数の契約書を少しずつ重ねて置き、印影がそれらの書類にかかるように押します。「契印」は1件の契約書が2枚以上になり、ホッチキス等で留める際に必要な印です。各ページの見開きの部分にわたるように印影を残します。

「割印」と「契印」は偽造防止の目的から、契約の当事者全員の印を押すことが多いです。2つの会社が契約書を取り交わしたと仮定すると、ページ数が10枚を超えるような契約書だと18か所も契印をしなくてはならず、大変な作業工数がかかってしまいます。

契約書を製本すると、複数の書類を1枚の紙として扱うことができます。この場合は綴じた部分の契印だけで済むため、契約にかかる手間を省くことができるのです。

契約書の作成ルールを守らなければならないのはなぜ?

ビジネスの場では、契約に基づいて様々な取引が行われています。契約書は取引相手との契約事項の確認や同意の為に作成される重要な書類であり、作成時には基本ルールにのっとって間違いなく行わなければなりません。

契約書を作成するにあたってまず押さえておくべきポイントは、「契約書とは、契約に関する後々のトラブルを防ぐための書類である」ということです。

「契約書に押印した時に契約が成立する」と思ってしまいがちですが、そうではありません。契約自体は口約束であっても法的効力は発生します。ただ、相手方とトラブルが起こった際には契約書が利益を守る為の証拠になります。その時には契約書の体裁が非常に重要で、もし簡単に契約書を改ざんできるような作り方をしていると、訴訟を起こしても説得力に欠けてしまいます。

契約書の作成ルールを守らなければならないのは、契約締結後のトラブルを防ぐ為であることをおさえておいて下さい。

製本の基本ルールとは?

契約書の製本の基本ルールには次のようなものがあります。

・当事者の数だけ部数が必要
契約書を作成する際には、甲乙丙といった当事者分の契約書類を準備し、製本を行います。官公庁等への申請等で契約書原本を提出する必要があれば、さらにもう一部作成が必要です。

・背表紙の背側と上下部分に封をする
普通の雑誌や本などは、背中の面だけが綴じられ、上下は開きやすいように解放してあります。契約書は上下も同じように封をしてしまうことで、差し替えを防ぎます。

・綴じた部分に押す印鑑は、契約者の部分に押印したのと同じものを使う

・丁寧に作成する
契約書の体裁を整えるために、見た目のきれいさは重要です。製本する際は凸凹や糊のはみ出しなどが極力でないように丁寧に作業して下さい。

契約書の製本方法にはどんなものがあるの?

契約書の製本方法は、後で説明する「袋とじ」が基本です。袋とじをするには綴じる部分の用紙を作り、のりなどで貼り付けなければなりません。紙があればできるので便利ですが、完全手作業で作る場合は仕上がりに差が出やすいのが特徴です。

袋とじより簡単なのが、市販の製本テープを使った方法です。これなら用紙の切り貼りの必要がないので効率が良く、仕上がりも綺麗になります。

袋とじの方法や製本テープの使い方と準備する道具

袋とじの方法と製本テープを使った製本方法について説明します。まず必要となる道具を紹介します。

<袋とじの場合>
袋とじの用紙・ハサミ・カッター・ホッチキス・スティックのり・定規
袋とじの用紙は、契約書よりも大きいサイズの紙で作ります。

<製本テープの場合>
製本テープ・ハサミ・カッター・ホッチキス・定規
※製本テープは太さ35㎜の「契印用」のテープがです。

袋とじの方法

袋とじの用紙は、契約書の縦幅と同じ長さの紙に1~2センチの「耳」をつけたものを準備します。具体的な作り方は、下記のサイトを参考にしてください。

製本テープの使い方

製本テープは「契約書用」と書かれたものがです。今回は上下の耳部分をハサミで切って作りますが、初めから耳が作ってあるテープもありますので文具店で探してみて下さい。

<使い方>
①契約書をホッチキス留めし、(2~3か所)ホッチキスの針の出っ張りをつぶしておきます。

②製本テープを切ります。契約書の厚みにもよりますが、契約書の縦幅+2センチ前後が目安です。

③製本テープの丸みを適度に伸ばし、はく離紙を半分はがします。

④はく離紙の残っている方に定規をあて、契約書を張り付ける際の基準にします。書類の厚みがある場合は定規を若干はく離紙の無い方へ動かします。

⑤定規に沿って契約書の片面を貼り付けます。

⑥製本テープの上下を切り、折り返して貼り付けます。この時、少し背表紙側に斜めに折り返すと綺麗な仕上がりになります。

⑦製本テープの上下の余った部分をハサミで切り取ります。

⑧製本テープのはくり紙をはがし、契約書に貼り付けます。

⑨製本テープのタルミやシワを伸ばして完成です。

次のページ:契約書の紙を大きくすれば製本の必要はないの?

初回公開日:2017年07月18日

記載されている内容は2017年07月18日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
また、記事に記載されている情報は自己責任でご活用いただき、本記事の内容に関する事項については、専門家等に相談するようにしてください。

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