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会議室の上座と下座|スクリーン/口の字型/左右/円卓の場合

更新日:2024年01月03日

会議室の形や入り口の位置によっても変わる上座・下座。把握しておけば多くの場面で役立つ、社会人として知っておくべきビジネスマナーの1つです。今回は、ビジネスの場で役立つ会議室の上座・下座についてまずは基本の考え方を、そして個別ケースごとのルールをご紹介します。

上座・下座の基本的な考え方

上座は出入り口から最も遠い席、下座は出入り口に最も近い席

あなたが客先の会社を訪問したとき会議室に通されたら、一体どこに座りますか?
あなたの会社にお客様がみえて会議室で打ち合わせをするとき、一体どこにお客様をご案内しますか?

どこに誰が座るかという席次は難しいものです。席次には、上座と下座があります。「上座(かみざ)」とは、目上の人やお客さまに座っていただく、その部屋で最も良い席をいいます。対して「下座(しもざ)」とは、目下の人やもてなす側が座る席をいいます。

上座・下座を判断する時の基本的な考え方は、コレです。

・出入り口から最も遠い席が上座、出入り口に最も近い席が下座

ポイントは、お客様にゆっくりとくつろいでいただけるかどうか

なぜ、このような席次があるのでしょう。それは、「大切な方を居心地の良い場所へご案内して、ゆっくりくつろいでいただきたい」という「おもてなし」の心によるものです。

上座は出入り口から最も遠いので、「入口を人が出入りする度に煩わされることもなく、お客様にゆったりとくつろいでいただける場所」、一方,下座は招く側が、「相手にさまざまな気遣いをすることができる場所として、最適な場所」であるからです。

会議室での席次については、ルールを覚えることも大切ですが、まずは基本的な考え方を知りましょう。そうすれば、迷ったときでも臨機応変に対応できるようになります。

会議室の上座・下座の基本

議長・進行役のいる会議での席次は、会議室のレイアウトによっても席次ルールが変わります。また、スクリーンなどの設備によっても異なりますが、基本ルールはコレです。

・会議室では、議長に近い席ほど上座となる

もちろん、

・出入り口から最も遠い席が上座、出入り口に最も近い席が下座

という基本ルールは変わりません。ですから、会議室では

1 まず、議長席が基本ルールによって決まる
2 会議室での基本ルールにしたがって、議長席に近い席ほど上座となる
3 会議室でのレイアウトや設備などにも配慮する

という3段階で考えます。

会議室には、さまざまなレイアウトがありますが、ここでは、代表的なレイアウトである
・ロの字型会議室
・コの字型会議室
・円卓型会議室
についてみていきましょう。

ロの字型会議室の上座・下座

口の字形式は、参加者全員が内側を向くように「口」の形に長机を、その外周に椅子を配置するレイアウトです。参加者全員が顔を見ながら意見交換を行うことができるため、役員会議などで使われる配置です。高視聴率を記録したテレビドラマ「半沢直樹」の重役会議のシーンでも、かなり縦長ではありましたが、ロの字型会議室が使われていました。

ぴんとはりつめたあのシーンを見てもわかるように、上下関係を重んじる会議の席で口の字型に席が配置されている場合は、入り口から最も遠く全体を見渡せる席が上座となります。逆に入り口に近い席が下座です。上座に議長(ドラマでは中野渡頭取でした)を配し、以後議長に近い席から左右(または右左)交互で順番に上座となります。

しかし上座下座の基本ルールから考えると、おかしな点もありました。大和田常務は頭取から見て左隣に座っていましたが、彼は最年少常務に抜擢された出世頭とはいえ、役員の中では若手です。頭取の左隣という席次の高い位置に座っているのは少々違和感がありますが、おそらくドラマの演出上、あの位置が必要だったと思われます。

ロの字型は、ある程度大きな部屋の広さが必要となります。「半沢直樹」のロケが行われたのは、東京千代田の学士会館の広々とした201会議室でした。

部屋の面積に比して参加人数が多い場合には、ロの字型の応用形式である馬蹄型(口の字の中央スペースを埋めて密集度の高い形にする)にする場合があります。国際会議やシンポジウムで多く見られる形式です。この形式の上座・下座もロの字型に同じです。

コの字型会議室の上座・下座

コの字形式は、その名の通り、「コ」の字形の配置になることから名付けられました。「ロ」の字の一辺を抜いた形の配置になります。会議室の面積・形・入口の場所に応じてロの字型・コの字型のレイアウトを使い分けます。また、参加人数の多少によっても使い分けます。
コの字型の場合はロの字型同様に、入り口から最も遠い席が上座、逆に入り口に近い席が下座です。上座に議長を配し、以後議長に近い席から左右交互で順番に上座となります。

企画開発会議、プレゼン発表、業務報告といった会議の場合に、コの字型が使われることが多いです。こういった会議で良く使われるホワイトボードやプロジェクタスクリーンを、抜いた一辺の位置に置き、発表者はそれらの機器を使って会議を進めることができるからです。こうした機器を使って画像をスクリーンやビデオに見せる場合、人数によっては、コの字型の応用形であるVの字型もよいでしょう。画面がみやすくなります。

円卓型会議室の上座・下座

円卓形式は、中華料理などでおなじみの円卓を会議室の中央にセッティングして使うものです。序列に関係なく全員がお互いの顔を見ながら発言できるため、自由な話し合いやアイデア会議などに向いています。それでも明らかに目上の人がいる場合には、入り口から最も遠い席が上座となります。逆に入り口に近い席が下座です。上座に議長を配し、以後議長に近い席から左右交互で順番に上座となります。

会議室の左右の上位は?

「議長に近い席から、左右交互に上座となる」
というのは、つまり
「上座からみて、左隣→右隣→さらにその左隣→さらにその右隣(または右隣→左隣→さらにその右隣→さらにその左隣)となる」
ということです。では、
「左右の上位は、左・右のどちらからスタートするのが正しいの?」
という疑問が当然わくことでしょう。

答えは、「どちらも正解」です。

日本の伝統礼法に従うならば、左上位。欧米の礼法に従うならば、右上位となります。

日本の伝統礼法の場合

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初回公開日:2017年08月20日

記載されている内容は2017年08月20日時点のものです。現在の情報と異なる可能性がありますので、ご了承ください。
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