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2017年09月11日

会議室の上座と下座|スクリーン/口の字型/左右/円卓の場合

会議室の形や入り口の位置によっても変わる上座・下座。把握しておけば多くの場面で役立つ、社会人として知っておくべきビジネスマナーの1つです。今回は、ビジネスの場で役立つ会議室の上座・下座についてまずは基本の考え方を、そして個別ケースごとのルールをご紹介します。

上座・下座の基本的な考え方

会議室の上座と下座|スクリーン/口の字型/左右/円卓の場合

上座は出入り口から最も遠い席、下座は出入り口に最も近い席

あなたが客先の会社を訪問したとき会議室に通されたら、一体どこに座りますか?
あなたの会社にお客様がみえて会議室で打ち合わせをするとき、一体どこにお客様をご案内しますか?

どこに誰が座るかという席次は難しいものです。席次には、上座と下座があります。「上座(かみざ)」とは、目上の人やお客さまに座っていただく、その部屋で最も良い席をいいます。対して「下座(しもざ)」とは、目下の人やもてなす側が座る席をいいます。

上座・下座を判断する時の基本的な考え方は、コレです。

・出入り口から最も遠い席が上座、出入り口に最も近い席が下座

ポイントは、お客様にゆっくりとくつろいでいただけるかどうか

なぜ、このような席次があるのでしょう。それは、「大切な方を居心地の良い場所へご案内して、ゆっくりくつろいでいただきたい」という「おもてなし」の心によるものです。

上座は出入り口から最も遠いので、「入口を人が出入りする度に煩わされることもなく、お客様にゆったりとくつろいでいただける場所」、一方,下座は招く側が、「相手にさまざまな気遣いをすることができる場所として、最適な場所」であるからです。

会議室での席次については、ルールを覚えることも大切ですが、まずは基本的な考え方を知りましょう。そうすれば、迷ったときでも臨機応変に対応できるようになります。

会議室の上座・下座の基本

会議室の上座と下座|スクリーン/口の字型/左右/円卓の場合

議長・進行役のいる会議での席次は、会議室のレイアウトによっても席次ルールが変わります。また、スクリーンなどの設備によっても異なりますが、基本ルールはコレです。

・会議室では、議長に近い席ほど上座となる

もちろん、

・出入り口から最も遠い席が上座、出入り口に最も近い席が下座

という基本ルールは変わりません。ですから、会議室では

1 まず、議長席が基本ルールによって決まる
2 会議室での基本ルールにしたがって、議長席に近い席ほど上座となる
3 会議室でのレイアウトや設備などにも配慮する

という3段階で考えます。

会議室には、さまざまなレイアウトがありますが、ここでは、代表的なレイアウトである
・ロの字型会議室
・コの字型会議室
・円卓型会議室
についてみていきましょう。

ロの字型会議室の上座・下座

口の字形式は、参加者全員が内側を向くように「口」の形に長机を、その外周に椅子を配置するレイアウトです。参加者全員が顔を見ながら意見交換を行うことができるため、役員会議などで使われる配置です。高視聴率を記録したテレビドラマ「半沢直樹」の重役会議のシーンでも、かなり縦長ではありましたが、ロの字型会議室が使われていました。

ぴんとはりつめたあのシーンを見てもわかるように、上下関係を重んじる会議の席で口の字型に席が配置されている場合は、入り口から最も遠く全体を見渡せる席が上座となります。逆に入り口に近い席が下座です。上座に議長(ドラマでは中野渡頭取でした)を配し、以後議長に近い席から左右(または右左)交互で順番に上座となります。

しかし上座下座の基本ルールから考えると、おかしな点もありました。大和田常務は頭取から見て左隣に座っていましたが、彼は最年少常務に抜擢された出世頭とはいえ、役員の中では若手です。頭取の左隣という席次の高い位置に座っているのは少々違和感がありますが、おそらくドラマの演出上、あの位置が必要だったと思われます。

ロの字型は、ある程度大きな部屋の広さが必要となります。「半沢直樹」のロケが行われたのは、東京千代田の学士会館の広々とした201会議室でした。

部屋の面積に比して参加人数が多い場合には、ロの字型の応用形式である馬蹄型(口の字の中央スペースを埋めて密集度の高い形にする)にする場合があります。国際会議やシンポジウムで多く見られる形式です。この形式の上座・下座もロの字型に同じです。

コの字型会議室の上座・下座

コの字形式は、その名の通り、「コ」の字形の配置になることから名付けられました。「ロ」の字の一辺を抜いた形の配置になります。会議室の面積・形・入口の場所に応じてロの字型・コの字型のレイアウトを使い分けます。また、参加人数の多少によっても使い分けます。
コの字型の場合はロの字型同様に、入り口から最も遠い席が上座、逆に入り口に近い席が下座です。上座に議長を配し、以後議長に近い席から左右交互で順番に上座となります。

企画開発会議、プレゼン発表、業務報告といった会議の場合に、コの字型が使われることが多いです。こういった会議で良く使われるホワイトボードやプロジェクタスクリーンを、抜いた一辺の位置に置き、発表者はそれらの機器を使って会議を進めることができるからです。こうした機器を使って画像をスクリーンやビデオに見せる場合、人数によっては、コの字型の応用形であるVの字型もよいでしょう。画面がみやすくなります。

円卓型会議室の上座・下座

円卓形式は、中華料理などでおなじみの円卓を会議室の中央にセッティングして使うものです。序列に関係なく全員がお互いの顔を見ながら発言できるため、自由な話し合いやアイデア会議などに向いています。それでも明らかに目上の人がいる場合には、入り口から最も遠い席が上座となります。逆に入り口に近い席が下座です。上座に議長を配し、以後議長に近い席から左右交互で順番に上座となります。

会議室の左右の上位は?

会議室の上座と下座|スクリーン/口の字型/左右/円卓の場合

「議長に近い席から、左右交互に上座となる」
というのは、つまり
「上座からみて、左隣→右隣→さらにその左隣→さらにその右隣(または右隣→左隣→さらにその右隣→さらにその左隣)となる」
ということです。では、
「左右の上位は、左・右のどちらからスタートするのが正しいの?」
という疑問が当然わくことでしょう。

答えは、「どちらも正解」です。

日本の伝統礼法に従うならば、左上位。欧米の礼法に従うならば、右上位となります。

日本の伝統礼法の場合

日本の場合は、伝統礼法に「左上右下」とあるように、左上位なので、上座当事者から見て左側の方が上位にあたります。古来の官職の大臣でも、右大臣よりも左大臣の方が上とされています。これは、中国の思想で「天帝は北辰に座して南面す(皇帝は北極星を背に南に向かって座るのが善い)」に由来するものです。

欧米の場合=国際儀礼として定着

欧米の場合は、英語で右を「正しい」の意をもつ ” right ” というように、右上位なので、上座当事者から見て右側の方が上位です。右上位は国際儀礼(プロトコル)としても定着しており、サミットなどの国際会議では、右上位に基づいてきめられています。オリンピックなどの表彰式で、表彰台に乗った1・2・3位の選手の立ち位置を思い浮かべるとよくイメージできるでしょう。

現在の日本の皇室は?

日本の皇室は、明治時代に国際儀礼を取り入れました。明治天皇夫妻の衣冠束帯十二単姿の写真をみると、日本古来の礼法にのっとって明治天皇が左(向かって見ると右側)・皇后が右(同左側)になっていますが、一方、昭和天皇夫妻は昭和天皇が右・皇后が左となっており、これは現在の平成天皇でも同様です。現在は、国際儀礼によっているのです。

雛飾りにも伝統礼法と国際儀礼がある!

このような経緯が、雛飾りにも反映されています。京都を中心とする「京雛」は伝統礼法に基づいて、男雛を左側(向かって見ると右側)、女雛を右側(同左側)に並べます。一方、全国に普及している「関東雛」は、国際儀礼を取り入れた皇室に習い、男雛を右側、女雛を左側に並べます。左右が逆の2つの飾り方が並存しているのにも、こんな理由があります。

実際の会議の場面では?

さて、「左上位・右上位があるのはわかったけど、いったいどっちを使えばいいの?」と悩んでしまったあなた、大丈夫です。上司の指示で会議室にご案内するときには、まず上司に「席次はプロトコルでよろしいですか?」と確認しておき、「本日はプロトコルとなっております。」と一言添えれば良いのです。あなたが会議を主催するときには、「今日はプロトコルでやります」と最初に伝えればよいのです。そうすれば角が立ちませんし、「会議室で右に通された」と不快に思うお客様もいらっしゃらないでしょう。

この一言の気遣いが大切なのです。

会議室の設備で異なる上座・下座

会議室の上座と下座|スクリーン/口の字型/左右/円卓の場合

会議室の設備によっては、たとえ出入り口から近い席であっても上座となる場合があります。スクリーンを使っての会議などがこれにあたりますが、これは目上の人やお客様に、一番見やすい席でスクリーンを見ていただこうという細やかな心遣いによるものです。

・設備によっては、その設備の機能が最もよく味わえる席が上座となる

スクリーンの上座・下座

プレゼン発表、業務報告といった会議の場合に、ホワイトボードやプロジェクタスクリーンを置き、それらを使って会議を進めることがあります。こうした機器を使って画像をスクリーンやビデオに見せる場合は、スクリーンやビデオが一番よく見える席が上座となります。

スクリーンを用いて行う会議の場合には、コの字型会議室、スクール形式の会議室・シアター形式の会議室・スクールとシアターの混合形式の会議室が利用されることが多くなっています。このように、会議で使う設備によって会議室のレイアウトが決まってくるというのも押さえておきたいひとつです。

先に説明したコの字形式では、抜いた一辺の位置にホワイトボードやプロジェクタスクリーンを置き、発表者はそれらを使って会議を進めます。この場合は、たとえ会議室の入口付近であってもスクリーン正面が上座となります。どの位置が一番見やすいかということを考えればよいでしょう。

スクール形式とシアター形式

会議室の上座と下座|スクリーン/口の字型/左右/円卓の場合

スクール形式とは、その名の通り、学校の教室のようなレイアウトを言います。全ての机・椅子が演台一方向に向かって配置され、1人が複数人に対して講義・講話を行うセミナー等の場合にこの形式をとります。

スクール形式のメリットは、聞く人は自然な姿勢でメモ等をとることができ、発表をする人は聞いている人の1人1人の顔を確認しながら会を進めることができることです。学校での授業を思い浮かべてみるとよいでしょう。デメリットは、参加者全員で意見交換をしたり討議をしたりするような場面には向かないということです。だからこそ、授業ではグループ学習と称して、班を作ったりしています。

シアター形式は、配置はスクール形式と同様のレイアウトですが、机がなく椅子だけを並べてあります。机を使用しない分多くの椅子を並べられるので、より多くの人数を収容できます。入社式、壮行会など、筆記を伴わない会合の場合に向いています。シアター形式でも筆記を必要とする催し物の際には、ノート等の手持ちのものを下敷きにするか、バインダーなどが主催者から配布されることもあります。

また、会議室のスペースと参加人数により、会議室前方はスクール形式で、会議室後方はシアター形式という混合方式を取る場合があります。

スクール形式とシアター形式の上座・下座

会議室の上座と下座|スクリーン/口の字型/左右/円卓の場合

さて、こうした形式の会議室の場合の上座・下座については、

1 スクリーン等がある場合には、それが最も見やすい席
2 スクリーン等がない場合でも、発表が最も聞きやすい席
2 スクール・シアター混合形式の場合には、机のある席

という考え方から

・スクリーン正面の前方の机席の中央

が上座となります。

ただし、ここでも相手本位の考え方をすることが基本です。年配の方の中には、生理的現象から出口に近い席を望まれる場合があります。席を立つ時になるべく他の方に迷惑をかけたくないというのが、その理由です。ここでも相手に対する気遣いが働いているのですね。ですから、気遣いには気遣いをもってお応えするようにしましょう。まずは上座をおすすめし、その後は相手の意に添うことを心がけましょう。

会議室の景観によっても異なる上座・下座

会議室の上座と下座|スクリーン/口の字型/左右/円卓の場合

窓から見える景色が良い部屋では、たとえ出入り口から近い席であっても、景色が一番良く見える席が上座となる場合があります。これは目上の人やお客様に、「景色を楽しんでいただこう」という日本らしい細やかな心遣いによるものです。

ただし会議室に案内する際は、「出入り口に近い席ですが、外の景色をご覧いただけますので」と一言添えてからにしましょう。こうすると、相手の方に「上座・下座の席次も知らない人間」という誤解を受けることがないばかりか、むしろ細やかな気遣いをしていることが伝わります。

基本は「おもてなし」の心

会議室の上座と下座|スクリーン/口の字型/左右/円卓の場合

上座・下座といった席次は「面倒くさい」と思うでしょう。しかし、この席次は、「大切な方を居心地の良い場所へご案内して、ゆっくりくつろいでいただきたい」という「おもてなし」の心からきています。このように、相手に座っていただく位置・自分が座る位置によって、目上の人や上司・年長者などに対して敬意やおもてなしの気持ちを示すことができるのなら、席次ってとても便利なものだと思いませんか?そういう意味では、上座・下座というのは敬語と似ています。

正しい敬語を使える人は、ビジネスの世界でも「できる人」です。同様に、会議室の上座・下座の席次の考え方やルールをしっかり身につけて、「できる人」になりましょう。

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