「お願いにあがる」の使い方と例文・敬語の種類・別の敬語表現
更新日:2024年09月22日
さて、敬語の種類についておさらいしたところで、「お願いにあがる」の使い方について見ていきましょう。
「お願いにあがる」とは、「お願いに(会いに)行く」の謙譲語表現ですので、自分が相手のもとに訪ねる場合に使います。特に、相手方の自宅に訪問する意味合いが強い表現です。
ですから、アポイントを取って、相手の自宅や事務所に訪問する際などに用いるのが適切です。自分をへりくだって言う時に用いますので、相手はお客や上司などである場合に用いることが多いです。
「会いに行く」「訪ねる」という意味合いが含まれています。そのため、相手と自分が関係ない場所に行く際に用いる場合は、「あがる」という言葉は不適当です。例えば、「午後に公園に行ってきます」と相手がいない場所に行くことを伝える時は、「あがる」ではなく、他の表現を用いた方が適切でしょう。
敬語「お願いにあがる」の例文
ここまでの説明で、「お願いにあがる」の意味や使い方については理解できたのではないでしょうか。実際に使えるようになるために、いくつか例文を紹介させていただきます。
例文①
「機会を頂きありがとうございます。それでは、26日の午後1時にご自宅へお願いにあがります。」
これは、電話やメールで、相手へのアポイントが取れた際に用いる表現です。自分が相手の自宅に、お願いのために訪問するので、「お願いにあがる」という表現を用いています。
例文②
「本来なら、直接お願いにあがるところでございますが、書中にて失礼します。」
メールや手紙で、なんらかのお願いをした際に用います。なんらかのお願いをする際は直接訪問した方が丁寧ではありますが、その余裕がなく、メールや手紙で完結させる際に用います。
例文③
「無理を承知でお願いにあがりました。」
なんらかの言いにくいお願いをするために、相手の自宅や事務所などに訪問した際に用います。
例文④
「担当者がお願いにあがります。」
自分だけでなく、(自分側の)他者の動作に対しても「お願いにあがる」を使用することができます。この場合は、自分ではなく、自分側である担当者の「行く」という動作をへりくだることによって、相手(行く先)に敬意を示します。
「お願いにあがる」の別の敬語表現例
「お願いにあがる」を別の敬語で表現することもできます。「あがる」は「行く」「訪ねる」の謙譲語なので、「行く」「訪ねる」を意味する他の謙譲語で代替できます。
「あがる」の別の敬語表現「参る」「伺う」
「行く」「訪ねる」を意味する謙譲語としては、他に「参る」「伺う」があります。これらを用いて「お願いにあがります」を言い換えると次の例文のようになります。
・「お願いに参ります」
・「お願いに伺います」
どちらもほぼ同じ意味ですが、実は、「参る」と「伺う」は厳密には意味が異なります。そのため、使用の際は注意が必要です。
「参る」の使い方
「参る」は、自分や自分側の人物や物などの行動を下にみて、話す相手(読み手)に敬意を示すために使う言葉です。そのため、「参る」先にいるのが人や物の場合でも使うことができます。
・「明日、御社に田中が参ります」
・「兄の自宅に参ります」
「御社」は敬意を払う対象ですが、「兄」は身内なので敬意を払う対象ではありません。「参る」はこのどちらのケースでも使用することができます。
初回公開日:2018年05月25日
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