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【業界研究】半導体業界の現状・動向・課題について

半導体とは、電気を通す金属などの「導体」と電気を通さないビニールなどの「絶縁体」の性質を持ち合わせた物質のことを指します。この物質を使って製造されたトランジスタ(※)やコンデンサ、ICなども便宜的に半導体と呼ばれています。

業界の現状

20世紀最大の発明品

半導体とは、電気を通す金属などの「導体」と電気を通さないビニールなどの「絶縁体」の性質を持ち合わせた物質のことを指します。この物質を使って製造されたトランジスタ(※)やコンデンサ、ICなども便宜的に半導体と呼ばれています。

とくにトランジスタは20世紀最大の発明といわれ、1947年の誕生から電気産業だけではなく様々な分野に大きな影響を与えてきました。そして、IC、LSIを経てシステムLSIへと進化を遂げ、現在ではスマートフォンや自動車等の開発になくてはならないものとなっています。

日本における半導体産業は、1980年代に民生機器需要の増加にともない世界市場を席巻しましたが、日米半導体摩擦の激化や各メーカー独自の開発による重複投資、産学官の連携の遅れもあって米国、韓国メーカーに先行を許し、未だその遅れから挽回できていないのが現状です。

※トランジスタとは増幅機能を持った半導体素子のことで、そのトランジスタやコンデンサ等を1つのチップに集積したものがICになります。そして、ICの集積度をさらに高めたものをLSIと呼び、そのLSI複数分に相当する機能を持つものがシステムLSIになります。

一発当てれば利益が大きいという特徴

半導体業界には、一発当てれば利益が大きくなるという特徴があります。

世界半導体メーカーの最大手である米インテルは創業当時の1960年代には誰にも知られていないような小さなベンチャー企業でした。同社は、Intel 4004という世界初のマイクロプロセッサーを開発し、これを進化させた8086をIBMパソコンに搭載したことを機に爆発的な成長を遂げました。

韓国サムスン電子も今は世界第2位の半導体メーカーですが、かつてはその製品は安物、粗悪品と罵られているような企業でした。しかし、90年代に入って急成長を遂げ、DRAMという電源を保持したままで書き込み、読み込みができるメモリー半導体の分野に集中することで世界を代表する企業となったのです。

現代における車、テレビ、パソコン、スマートフォンといった製品の生産数は相当なものになっており、その心臓部分のすべてに半導体が使われているわけですから、当たれば利益が大きくなるのも当然といえます。

世界の半導体メーカー

半導体業界は技術革新が早いこともあり世界的な規模で発展を続けています。ここでは世界を代表する半導体メーカーをいくつかご紹介します。


  • インテル(米):パソコン向けプロセッサー最大手

  • サムスン電子(韓):DRAM、NAND型フラッシュメモリー最大手

  • SKハイニックス(韓):DRAM世界2位、NAND型フラッシュメモリー世界5位

  • クアルコム(米):スマートフォン向けプロセッサー最大手

  • マイクロン・テクノロジー(米):DRAM世界3位、NAND型フラッシュメモリー世界4位

  • テキサス・インスツルメンツ(米):アナログ半導体最大手

  • 東芝(日):NAND型フラッシュメモリー世界2位

  • ブロードコム(米):通信用半導体最大手

  • インフィニオン・テクノロジー(独):マイコン世界3位

  • STマイクロエレクトロニクス(スイス):マイコン世界4位

基本情報


  • 市場規模:3兆7,651億円

  • 労働者数:202,883人

  • 平均年齢:40.6歳

  • 平均勤続年数:14.2年

  • 平均年収:636万円

国際競争力の低下を指摘されることも多い半導体業界ですが、その数字は決して悪いものではありません。日本の半導体メーカーが世界を席巻していた1980年代に比べれば、確かに世界における半導体出荷額のシェアは下がっています。ただ半導体の出荷額はデジタル家電製品を中心に増加し、市場規模も拡大基調にありますので、当面は現状維持のまま底堅く推移していくことになるでしょう。

仕事内容

半導体業界の職種は技術系と事務系に分かれています。

技術系

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