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【業界研究】流通業界の現状・動向・課題について

流通とは、生産者から消費者に商品を届けるまでの輸送、保管、商取引といった一連の営為のことをいいます。
端的にいえば生産と消費を結びつける活動のことであり、この活動を担うのが流通業者になります。流通業者は広い意味においては運送業者やネット販売業者等を含めたりすることもあるようですが、基本的には卸売業者と小売業者のことを指します。生産者→卸売業者→小売業者→消費者という流れの川上(生産者)と川下(消費者)を省いた川中と考えれば分かりやすいでしょう。

もちろん、これには理由があります。

それは、商品というものの値段はあくまで商品の価値で決まるということです。価値は一般的には手間やコスト等を含めて算出されるので、このコストのなかに流通分の費用もとうぜん含まれているのですが、流通や店頭販売といった営為で商品の価値を上げることはできません。

つまり、これは卸売業者や小売業者がいくらがんばっても付加価値を生むことができないということであり、流通業者が利益として受け取ることができるのは、あくまで流通分の費用になるということです。残念ながら、自分で取り分を増やすことはできないのです。利益を増やすには、仕事量を増やすか、コストカットして効率性を上げるかしか方法がありません。

こういった流れからブラック企業化してしまう卸売業者も多く、流通業界の問題の1つとなっています。

業界の今後の将来性

オムニチャネル化

オムニチャネルは、ネット通販の台頭により売上が激減した米国百貨店メーシーズが2010年に提唱した概念で、店舗とネットを融合させることにより買い物の利便性を高め、売上の向上を図ろうという取り組みのことです。

これにより顧客は、店舗の商品をネットで買ったり、店舗に在庫がなくてもネットにあれば注文したりすることができるようになりますが、店舗だけでもネットだけでも成立しないこの新たなビジネスモデルには流通業界の整備が必要になります。

日本でもコンビニ、百貨店をはじめ多くの小売業者がオムニチャネルへの取り組みをはじめています。その先陣を切るセブン&アイ・ホールディングスは、グループ内のスーパー、コンビニ、百貨店、飲食店などの店舗とネットを組み合わせて、いつでもどこでも注文と商品の受け取りができる買い物環境の整備を進めています。

卸売業者のさらなる進化

近年、流通業界においても流通経路の短縮化や卸売そのものを省くという中抜きの動きが強まっており、卸売業者がこれまで以上に存在感を高めていくためには、さらなる物流機能の強化が必須になります。

生産者は、輸送コストのカットという観点から一括・大量の商品納入を望みますが、小売業者は売れ筋商品の在庫過多にも在庫切れにもならないような適度な仕入れを求めています。つまり、卸売業者は生産者の意向どおりに一括・大量に商品を納入し、小売業者に必要な商品を、必要な量だけ、必要な時期に適切に届けることができれば、調整役としての大きな役割を担い続けることができるのです。

また、小売業者の物流業務のすべてを一括して受託することも関係強化という面において有効になります。小売業者が自らの手で物流を構築するよりも安く、正確で、早いシステムを作ることができればさらなる市場の拡大も可能となるでしょう。

業界研究本

日本経済新聞社の記者が徹底取材をして、日本の180業界の最新動向や課題、将来の見通しを解説しています。企業間の相関図、企業・製品のシェア、業界のトレンドを示す表やグラフがビジュアライズされており、業界のことが一目でわかるようになっています。業界研究をするにはまず目を通しておきたい1冊です。

国内の全上場企業の業績予想を中心に、所在地から財務情報まで、会社のことを知るのに欠かせない情報をまとめたハンドブックです。就職活動における業界研究から、株式投資といったビジネスユースに至るまで幅広く使えるのがの理由です。

物流という商品の流れの基本がわかりやすくまとめられています。2013年に発行されたものですが情報的に古くなっているところもなく、飲食店、ホームセンター、アパレル会社、雑貨店とたくさんの事例も紹介されていますので、流通業界への就職を目指す学生の方々には業界研究本として最適の1冊になるでしょう。

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