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【業界研究】リース業界の現状・動向・課題について

リースとは、顧客企業が必要とする設備をリース会社が代わりに購入して、顧客企業に貸し出すサービスのことです。一般的に、企業は設備を所有するためではなく使用するために導入しますが、このときリースは企業に対して2つの「価値」を提供できるところに特徴があります。

仕事内容

リース業界の職種は営業職と一般職に分かれています。

営業職:契約の獲得から契約後の管理までを担う仕事です。お客さまのニーズはその分野によって多種多様に変化しますが、さまざまな製品・サービスをつないで、1つの形にすることが何よりも大切になります。

一般職:専門的な知識やスキルを活かして、お客さまの満足度向上のための土台づくりを行う仕事です。企画、資材調達、品質保証、経営管理、法務、人事、経理等の部署に分かれます。

業界シェア上位3位

1位:オリックス:1兆3,416億円
2位:三井住友ファイナンス&リース:1兆0,372億円
3位:東京センチュリーリース:8,285億円

平均年収上位3位

1位:芙蓉総合リース:822万円
2位:三井住友ファイナンス&リース:809万円
3位:東京センチュリーリース:789万円

業界の動向

リース業界で進むM&Aの動き

三井住友ファイナンス&リースは、米GEから日本でのリース事業を買収することで合意しています。日本GEの営業資産は約5,000億円であり、2016年には業界2位になると予想されています。

三菱UFJリースは、日立キャピタルに出資し関連子会社としました。また、日立キャピタルは2012年に、インドネシアの自動車リース会社を買収し、東銀リースと共同で新会社を設立して物流を中心としたリースに注力しています。

東京センチュリーリースは、IT機器リースを中心に取り扱う米CSI社に出資していましたが、2016年には完全子会社とすることを発表しました。同社は他にも、アジアの新興国を中心とした海外市場の開拓も進めています。

エネルギー事業に注目が集まる

オリックスは、インドでの風力発電事業に参入しています。これは原発1基分に相当する最大出力100万キロワット分の発電能力を現地企業と共同で確保するというもので、同社は、国を挙げて再生エネルギーの普及に取り組んでいるインドでの電力需要を取り込み、アジアでのエネルギー事業の強化を図りたい考えです。

また、三菱UFJリースは2015年に、太陽光発電事業を買収して数百億円程度のファンドを設立すると発表しました。太陽光発電はメンテナンスの難しさ等から事業売却が増えるとみられており、同社は、発電設備のリース事業を通じて蓄積したノウハウを生かして、引き継いだ事業の収益を改善できると判断した模様です。

市場動向

リース取扱高は2年ぶりの増加

リース事業協会「リース統計」によれば、2015年度のリース取扱高は5兆393億円で前年度比4.4%の増加となりました。また、リース設備投資額も4兆7,213億円で同7.0%増となり、ともに2年ぶりの増加に転じています。景気回復と企業の設備投資増加がその主な要因とみられています。

種目別の取扱高では、産業機械が同12.4%増、工作機械が同29.2%増、理化学機械を含むその他が同22.5%増と大幅な伸びを示している他、医療機器と情報通信機器が増加となっています。一方、事務用機器、土木建設機器、輸送用機器、商業用およびサービス業務機器は減少となりました。

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